
最新の生成AIニュース(2025年11月17日~11月23日)を、YouTubeチャンネル「いけともch」の池田朋弘氏が注目した22のキーワードで紹介します。
1. GoogleがGemini 3を発表
GoogleがGemini 3を正式発表した。各種ベンチマークでGPT-5.1やGrok 4.1を上回る性能を示し、無料版でも利用可能である。
プログラム能力や図資料作成能力が大幅に向上し、SVG画像の生成やGoogleスライドへのエクスポート機能により、編集可能な高品質資料を簡単に作成できるようになった。
2. Googleが画像生成AI「Nano Banana Pro」を発表
Gemini 3ベースの画像生成AI「Nano Banana Pro」が登場した。
日本語を含む多言語テキストの正確な描写能力、最大14枚の画像統合機能、4K解像度対応が特徴である。Geminiアプリで「思考」モードを選択し「画像を作成」から利用でき、インフォグラフィックやサムネイル、資料作成など幅広い用途で活用可能である。
3. GoogleスライドがNano Banana Proでスライドをアップデート
GoogleスライドにNano Banana Proを活用した「スライドを見栄よくする」機能が追加された。
既存のスライドをワンクリックで視覚的に魅力的なデザインに変換できる。日本語表示も完璧で、画像形式での出力となるため編集性には制約があるものの、素早く高品質なビジュアルを作成できる点が評価されている。
4. NotebookLMに神進化~インフォグラフィック&スライド生成機能
NotebookLMにNano Banana Proを活用したインフォグラフィックとスライド生成機能が実装された。
PDFなどのソース資料からワンクリックで視覚的なまとめを自動生成し、プレゼンテーション向けや詳細版など要望に応じたカスタマイズも可能である。15ページ程度のスライドを高品質で作成でき、資料理解と作成の効率が劇的に向上した。
5. Googleが開発者向けAI実装環境「Google Antigravity」を公開
GoogleがGemini 3を搭載したエージェントファーストの統合開発環境「Google Antigravity」を公開した。
AIエージェントが自律的に計画・実行し、開発者はレポートを確認して判断する新しい開発スタイルを提唱している。無料プレビュー版が利用可能で、GCPとの垂直統合により開発からデプロイまで単一環境で完結する。
6. OpenAIが新コーディングモデル「GPT-5.1-Codex-Max」を発表
OpenAIがソフトウェア開発特化AI「GPT-5.1-Codex-Max」をリリースした。
コンテキストウィンドウ制限時に自動圧縮する「コンパクション」機能により、24時間に及ぶ長時間タスクに対応可能である。推論能力向上でトークン効率が30%改善し、Windows環境に最適化された初のモデルとして、ChatGPTの有料プラン加入者向けに提供されている。
7. GensparkがAIワークスペースへの進化とユニコーン企業化
Genspark社が2億7500万ドルを調達しユニコーン企業となった。
検索エンジンからAIワークスペースへと進化し、複数のAIエージェントが協調して動作するプラットフォームを提供。メール自動化、データ分析、スライド作成など、意図を伝えるだけで業務を自動化できる統合環境として注目されている。
8. ManusがChrome拡張「Browser Operator」をリリース
ManusがChromeブラウザ拡張機能「Browser Operator」を公開した。
この拡張機能により、AIエージェントがブラウザ操作を自動化し、ウェブ上での情報収集やタスク実行を支援する。Google Workspaceとの連携も想定されており、ブラウザベースの業務効率化に新たな可能性をもたらすツールとして期待されている。
9. ElevenLabsがImage & Videoのベータ版をリリース
音声AI企業ElevenLabsが画像および動画生成機能のベータ版を公開した。
これまでの音声合成技術に加え、ビジュアルコンテンツの生成機能を統合することで、マルチモーダルなコンテンツ制作を可能にしている。音声とビジュアルを組み合わせた総合的なメディア制作プラットフォームへの進化を目指す。
10. GoogleがAI搭載「フライトディール」機能を世界展開
GoogleがAI技術を活用した航空券価格最適化機能「フライトディール」を世界規模で展開開始した。
過去の価格データと需要予測を分析し、お得な航空券を自動検出して提示。旅行計画の際に最適なタイミングでの購入を支援することで、ユーザーの旅費削減に貢献する機能として注目されている。
11. DeNAがAI推進に向けデータガバナンス体制を強化
DeNAが生成AI活用推進のため、全社的なデータガバナンス体制を強化した。
AI開発におけるデータ品質管理、セキュリティ、コンプライアンスを統合的に管理する仕組みを構築。ゲーム事業やヘルスケア事業でのAI活用を加速させるため、データの適切な管理と活用基盤の整備を重視している。
12. MicrosoftがOffice主要アプリに無料AI機能拡充~エージェント機能も本格導入
MicrosoftがWord、Excel、Outlook、PowerPointに無料のAI機能を拡充すると発表した。
さらにエージェントモードを導入し、AIがアプリ内で自律的にコンテンツを作成・編集・フォーマットできるようになった。ユーザーの業務を理解する「Work IQ」機能と連携し、適切なエージェントを提案する包括的なAI支援環境を実現している。
13. Microsoftが企業向けAI管理基盤「Agent 365」を発表
MicrosoftがMicrosoft Ignite 2025で「Microsoft Agent 365」を発表した。
Microsoft製、サードパーティ製、オープンソースを問わず、あらゆるAIエージェントを包括的に観測・保護・管理できる統合管理基盤である。Microsoft DefenderやEntra、Purviewなどのセキュリティツールと連携し、企業環境での安全なAIエージェント活用を実現する。
14. OpenAIがGPT-4oのAPI提供を2026年2月に終了へ
OpenAIがGPT-4oモデルのAPI提供を2026年2月で終了すると発表した。
ユーザーには新モデルへの移行が推奨されており、GPT-5.1シリーズやCodex-Maxなどの後継モデルへの切り替えを促している。既存システムでGPT-4oを利用している開発者は、移行期間内に対応を完了する必要がある。
15. X.aiがGrok 4.1をリリース
イーロン・マスク氏率いるX.aiが最新AI モデル「Grok 4.1」をリリースした。
推論能力や応答品質が向上し、各種ベンチマークで前バージョンを上回る性能を示している。X(旧Twitter)プラットフォームとの統合を深め、リアルタイム情報を活用した対話能力を強化することで、他社モデルとの差別化を図っている。
16. Googleが新手法「SRL」で小型LLMの推論能力を大幅向上
GoogleとUCLAの研究チームが「Supervised Reinforcement Learning(SRL)」という新しい訓練手法を開発した。
問題解決の各ステップを「アクション」として分解し途中経過にも学習信号を提供することで、小規模モデルでも大規模モデルに匹敵する複雑な推論タスクを実行可能にした。訓練コストの大幅削減とエッジAIの性能向上が期待される。
17. Phi-4が小規模ながら大規模モデルを超えたデータファーストSFT手法
Microsoftの小規模言語モデル「Phi-4」が、データファーストのSupervised Fine-Tuning(SFT)手法により、パラメータ数が少ないにもかかわらず大規模モデルを上回る性能を実現した。
高品質な訓練データの選定と効率的なファインチューニング戦略により、数学的推論やコーディングタスクで優れた結果を示している。
18. OpenAIがサム・アルトマンが社内にGoogleへの危機感を共有
OpenAIのCEOサム・アルトマンが、Gemini 3の登場を受けて社内でGoogleへの強い危機感を共有した。
Googleの急速な技術革新とAntigravityなどの開発環境整備により、AI業界の競争構図が変化しつつある。OpenAIは対抗策として新モデル開発とエコシステム強化を加速させる方針を示している。
19. ジェフ・ベゾスが「Project Prometheus」の共同CEOに就任
Amazon創業者ジェフ・ベゾス氏が、大規模AI開発プロジェクト「Project Prometheus」の共同CEOに就任した。
このプロジェクトは次世代の汎用人工知能(AGI)開発を目指すもので、ベゾス氏の豊富な資金力と経営経験を活用し、OpenAIやGoogleに対抗する第三極を形成する狙いがある。
20. Sakana AIが200億円を調達~日本独自の「ソブリンAI」開発を強化
日本のAIスタートアップSakana AIが約200億円の資金調達を完了し、日本独自の「ソブリンAI」開発を加速させる。
ソブリンAIとは、データ主権やセキュリティを重視し国内で完結する独自AIシステムを指す。日本語に特化した高性能モデルの開発により、国内企業のAI活用を促進し、海外依存からの脱却を目指している。
21. 「AIに奪われない職」就活生も意識~4割が志望変更
就職活動中の学生の約4割が、AI技術の進展を踏まえて志望職種や業界を変更したことが調査で明らかになった。
定型業務中心の職種を避け、創造性や対人スキルが求められる職種への関心が高まっている。教育機関でもAI時代に必要なスキル教育の見直しが進み、キャリア形成における意識変化が顕著になっている。
22. AIの「最高責任者」を国内大手の6割が設置
国内大手企業の約6割がAI戦略を統括する最高責任者(Chief AI Officer等)を設置したことが判明した。
生成AI導入の加速に伴い、全社的なAI戦略の策定、ガバナンス体制の構築、人材育成を統括する専門ポジションの必要性が認識されている。経営層レベルでのAI推進体制が日本企業でも本格化している。
日本の教育現場において活用価値が高いのは?
Gemini 3とNano Banana Proの組み合わせ、そしてNotebookLMの進化でしょう。
まず、Gemini 3のSVG画像生成機能により、理科や数学の複雑な図解を教員が簡単に作成できるようになり、授業準備時間を大幅に短縮できます。
さらにGoogleスライドへの直接エクスポート機能は、50ページ規模のプレゼン資料を数分で生成可能にし、授業の質向上と働き方改革を同時実現します。
Nano Banana Proは、日本語表現が完璧な画像生成により、塾のチラシやサムネイル、授業用のインフォグラフィックを瞬時に作成できます。
従来は外注やデザイナーが必要だった作業が、教員自身で完結できる点が革新的です。
NotebookLMのインフォグラフィック・スライド自動生成機能は、難解な教材をワンクリックで視覚化し、生徒の理解を促進します。
探究学習や受験対策において、膨大な資料を効率的に整理・要約できるため、個別最適化された学習支援が可能になります。
これらのツールを組み合わせることで、日本の教育現場は質と効率の両面で飛躍的な向上が期待できるでしょう。
ぜひこの記事を参考に、今後の教育現場での生成AI活用を検討してみてください!
参考:
