
海外の教育現場における生成AI活用の動きに得ることは多いものです。
オーストラリアのニューサウスウェールズ州では、公立学校の5年生から12年生までを対象に、生成AIを活用した学習支援アプリ「NSWEduChat」の導入が本格的に始まります。
AIが直接答えを示すのではなく、生徒の思考を深める役割を果たす点が特徴で、教育の質と公平性の両立が期待されています。
日本の学校教育でも示唆を与える取り組みとして注目されるのではないでしょうか。
【記事の要約】
オーストラリアのニューサウスウェールズ州(NSW)の公立学校では、2025年10月14日から5年生から12年生までの全生徒に向けて、生成AIアプリ「NSWEduChat」が導入される。
これは州政府が50校で実施した試験導入の成功を受けた取り組みであり、カリキュラムに対応した教育専用の生成AIだ。
同アプリは、単なる解答提示ではなく、生徒に批判的思考を促す設計となっており、ガイド質問を通じて問題解決力を培うことを目的としている。
試行期間における主な利用目的は、文章へのフィードバック、課題に向けた発想支援、仮想アシスタントとしての利用、学習内容の整理、文章構成の計画である。
教育相代行のコートニー・フーソス氏は「生成AIが日常的存在となる中、公教育が世界水準の革新を実現できる」と強調した。
また「すべての生徒に無償でAIを提供することは教育格差の解消にもつながる」と述べた。
教師向けにはすでに専用版が展開されており、シラバスに準拠した教材を集約するオンライン「Lesson Library」も導入されている。
(出典元:2025年9月23日 news.com.auより)
学校教育への応用と可能性は?
今回のNSW州の取り組みは、日本の学校教育にとってよい示唆を与えています。
注目すべきは、AIを「答えを与えるツール」としてではなく、生徒の批判的思考や主体的な学びを促す存在として設計している点です。
これにより、考える力や表現力を育む教育が実現しやすくなります。
また、AIを全生徒に無償で提供する仕組みは、学びの機会均等を保障し、地域や家庭環境による学力格差の是正にもつながります。
日本においても、教員の教材準備や採点業務の一部をAIが補助することで、教師はより創造的な指導や個別支援に時間を充てられるようになります。
さらに、生徒が安全な環境でAIを体験的に活用することは、将来のデジタル社会において不可欠なAIリテラシーを育成する基盤となるでしょう。
今後、日本の学校でも同様のAI教育プラットフォームが導入されれば、国際的な学習環境の水準を高める可能性があります。