
「やっぱりやめたいです」というメッセージを送った後に返ってきたのは、個人情報を握られた恐怖を突きつける脅し文でした。
愛知県岡崎市の高校生たちが授業で取り組んでいたのは、闇バイトの手口を追体験できるゲーム型教材『レイの失踪』。
SNSを通じた犯罪被害が若者を中心に急増する中、従来の「聞くだけ」の情報リテラシー教育から脱却し、最新テクノロジーを駆使した「体験型」の学びが教育現場に広がりつつあります。
大学生が立ち上げたスタートアップから、AIで性被害を検知するアプリまで、デジタル社会を生き抜くための新たな教育の形を追ったニュースを紹介します。
【記事の要約】
警察庁の調査によると、闇バイトに応募して保護された事例の7割が若者で、多くがSNSをきっかけとしていることが明らかになった。
この問題に対処するため、スタートアップ企業が新たな教育手法を開発している。
その一例が、『レイの失踪』というゲーム型教材だ。
このゲームでは、闇バイトに巻き込まれた女子高校生の視点から、犯罪グループとのやり取りを追体験し、その心理状態を学ぶことができる。
また、別のスタートアップ企業は、AIを活用して「デジタル性被害」に対処するアプリ「beME」を開発した。
このアプリは、悪質なサイト上に自分の画像がアップロードされた際に通知し、削除支援まで行う。
これらの取り組みは、従来の座学型のリテラシー教育では効果が薄いという認識から生まれたものだ。
開発者たちは、楽しみながら知識を身につけられる新しい教育方法の重要性を強調している。
(出典元:2025年2月26日 東海テレビ「ニュースONE」より)
学校教育におけるAI活用の可能性は?
日本の学校教育においても、AIを活用した新しい教育方法の導入が期待されます。
『レイの失踪』のようなゲーム型教材やAIを活用したアプリは、生徒たちが楽しみながら実践的な知識を身につけられる効果的な手段となる可能性があるでしょう。
AIを活用することで、個々の生徒の理解度や進捗に合わせた学習内容の提供が可能になります。
また、リアルタイムでの危険検知や、最新の犯罪手法に関する情報更新など、従来の教育方法では難しかった柔軟な対応が可能になると考えられます。
将来的には、AIがSNS上の不適切なコンテンツを自動的に検出し、生徒たちに警告を出すシステムや、AIチャットボットを活用した相談窓口の設置など、より包括的な情報リテラシー教育の実現が期待されます。
これらの技術を活用することで、生徒たちがSNSを安全かつ効果的に利用できるスキルを身につけることができるでしょう。