幼い子たちのAI利用が急増中!教育の影響と学校現場での可能性

スマートフォンやタブレットを使いこなす子どもたちの姿は珍しくなくなりましたが、今や幼い子どもたちの間でもAI(人工知能)の利用が広がっているといいます。

Common Sense Mediaの最新調査によると、0〜8歳の子どもを持つ親の約30%が「子どもがAIを学習目的で使用している」と回答。

デジタルネイティブ世代の次は、「AI世代」の到来かもしれません。

この急速に普及するテクノロジーが子どもたちの学びや思考力にどのような影響を与えるのか、そして日本の教育現場ではどのように活用できるのかを探ります。

【記事の要約】
新たな調査によると、0〜8歳の子どもを持つ親の約30%が、子どもがAIを学習目的で使用していると回答した。
この調査は急速に変化するAI技術が、最年少の子どもたちの学習や批判的思考能力に未知の影響を与える可能性を示している。

数字で見ると、0〜8歳の子どもを持つ親の4分の1が、子どもたちがAI使用から批判的思考スキルを学んでいると述べている。
39%の親は子どもが「学校関連の教材について学ぶ」ためにAIを使用していると回答し、わずか8%が「AIについて学ぶ」ために使用していると答えた。

特に5〜8歳の年長児では、約40%の親が子どもがAIを搭載したアプリやデバイスを学習に使用していると報告している。
また、24%の子どもが物語作成やアート制作などの「創造的コンテンツ」のためにAIを使用しているという。

しかし多くの親はこうしたAI使用に問題を感じていない。
0〜8歳の子どもを持つ親の61%が、AIの使用が子どもの批判的思考能力に影響を与えていないと回答し、60%が子どもの幸福感に影響がないと述べている。
さらに20%は子どもの創造性への影響が「概ねポジティブ」だと評価している。

当メディアの研究ディレクターは「AIに関する大きな発見は5〜8歳の年長児において最も顕著だった」と述べており、5歳未満の子どもでAIを使用している割合は比較的小さいという。

現実には、ChatGPT、Google Gemini、Meta AIの利用は13歳以上、Anthropicのクラウドは18歳以上が対象とされている。
(出典元:2025年3月1日 Common Sense Mediaより)

日本の学校教育への示唆と将来の可能性

この調査結果は、日本の教育現場にも重要な示唆を与えています。
日本では2020年にプログラミング教育が義務化され、2024年には文部科学省が「生成AIの利活用に関する検討会議」を実施するなど、AI教育への取り組みが始まっていますが、まだ発展途上の段階です。

海外の事例から学べる点として、AIを活用した個別最適な学習の実現があります。
AIチューターが生徒の学習進捗をリアルタイムで分析し、個別にアドバイスを提供することで、自己学習の効率向上が期待できます。また、AIを活用したテストの自動採点システムは、教師の負担軽減と迅速なフィードバック提供を可能にします。

日本の教育現場では、長野県坂城高校のように「すらら」などのAI教材を活用し、学習時間の40%短縮や教師の授業準備時間約30%削減といった成果も報告されています。

今後の課題としては、教育格差の解消、教師のAIリテラシー向上、生成AI特化型教材の開発などが挙げられます7。文部科学省のガイドラインにあるように「正しく怖れ、前向きに活用」する姿勢で、AIを教育に取り入れていくことが重要です。