言語の壁を越える教育へ!32言語対応AI通訳サービスが全国の学校現場で今年度から本格始動

日本語指導の必要な児童生徒数が約6.9万人、10年間で1.9倍に急増…教育現場では深刻な言語コミュニケーションの課題が浮上しています。

外国人児童生徒の孤立感や教職員の通訳調整負担が増大する一方で、大手企業より画期的な解決策が登場しています。

コニカミノルタジャパン社が今年4月から教育現場で本格展開を開始している多言語通訳サービス「KOTOBAL」は、32言語に対応したAI機械通訳と24時間365日のビデオ通訳を組み合わせたハイブリッド型サービスです。

GIGAスクール端末で利用可能なこの革新的技術により、授業中のリアルタイム翻訳から保護者面談まで、学校生活のあらゆる場面で双方向コミュニケーションが実現し、すべての子どもたちが安心して学べる環境づくりが始まっています。

【記事の要約】
コニカミノルタジャパン株式会社(東京都港区)は、多言語通訳サービス「KOTOBAL」の教育現場での本格展開を2025年4月より開始している。
このサービスは、外国人や障がい者などの多様な人々を受け入れ、共生する社会の実現を目指すものである。

現在、日本語指導が必要な児童生徒数は約6.9万人に達し、約10年間で1.9倍に増加している。
この増加に伴い、国籍の多様化と集住化・散在化の傾向がみられ、多くの地域で通訳者・日本語指導員の調整負担やコミュニケーション不全による教職員の負担、外国人児童生徒の学校生活での不安や孤立が課題となっている。

「KOTOBAL」は、32言語に対応したAIによる機械通訳と、オペレーターを介したビデオ通訳を利用できるハイブリッド型通訳サービス。
教育現場への展開に合わせ、従来のアプリ版に加え、GIGAスクール端末などで利用可能なブラウザ版の提供を開始した。

このサービスの特長は双方向コミュニケーションの実現である。
一斉授業での翻訳はもちろん、グループワークや児童生徒同士のやり取りにおいて、AIが自動で言語を判別し瞬時に翻訳することで、会話の流れを途切れさせることなく対話的な学びを支援する。
また、24時間365日の専門通訳オペレーターによるビデオ通訳により、事前のスケジュール調整が不要となり、教職員の時間的負担を大幅に軽減できる。
(出典元:2025年7月3日 PR TIMES、同4日 こどもとITより)

今後の学校教育への活用と可能性は?

このような多言語通訳技術の導入は、今後の学校教育に革新的な変化をもたらす可能性があります。

まず、インクルーシブ教育の推進において、言語の壁を越えた真の多様性受容が実現できるでしょう。
外国人児童生徒が授業内容を理解しやすくなるだけでなく、日本人児童生徒との自然な交流が促進され、国際理解教育の質的向上が期待されます。

教職員の働き方改革の観点では、通訳者の手配や保護者面談の調整業務から解放されることで、本来の教育活動により多くの時間を割けるようになります。
これにより、個別指導や授業準備の充実が図られ、教育の質向上につながります。

将来的には、AIの精度向上により、より自然で文脈を理解した翻訳が可能となり、グローバル人材育成の新たな手法として活用されることが予想されます。
また、音声筆談や手話通訳機能の拡充により、聴覚障がいのある児童生徒への支援も充実し、真のユニバーサルデザイン教育の実現が期待されます。

このような技術革新は、日本の教育現場を世界に開かれた学習環境へと変革する重要な基盤となることでしょう。