
スマートフォンを手にする学生から社会人まで、日常的なコミュニケーションツールとして定着したLINE。
このたびLINEヤフー株式会社が、生成AIを活用した新サービス「LINE AI」と「LINE AIトークサジェスト」の提供を開始しました。
友だちと会話するように質問や情報収集ができる機能や、AIによる返信文の提案など、コミュニケーションの可能性を広げる新機能は、教育現場での活用も期待されています。
生徒同士のグループワークや外国語学習、表現力の向上など、2030年に向けた未来の教育において重要な役割を果たす可能性を秘めた、この新サービスに着目してみましょう。
【記事の要約】
LINEヤフー株式会社は、コミュニケーションアプリ「LINE」において、生成AIを活用した新サービス「LINE AI」と「LINE AIトークサジェスト」の提供を開始した。
「LINE AI」は、LINEのホーム画面から専用ページにアクセスし、友だちと話すように質問や情報収集、画像生成が無料でできるサービスだ。
具体的には「AIテキスト」機能で質問への回答や画像分析による情報提供を行い、「AIキャンバス」機能で指定条件に基づいた画像生成が可能となっている。
「LINE AIトークサジェスト」は、メッセージ提案やスタンプ提案、口調変換が無料でできるサービス。
「LINEラボ」から機能をONにすることで利用でき、ユーザーに代わって生成AIが返信を考えたり、適切なLINEスタンプを推奨したりする。
また、入力した下書きメッセージを5つの口調オプション(フォーマル、ため口、誤字修正、ねこ語、侍言葉)から選択した口調に自動変換できる機能も備えている。
これらのサービスはOpenAIなどのAPIを使用しており、13歳以上のユーザーが利用可能。
ただし、利用回数には制限があり、「LINE AIトークサジェスト」は1人あたり1日300回まで、かつ毎月2,000回までの利用となっている。
LINEヤフーは、ユーザーと生成AIをつなぐことで、より豊かなコミュニケーションを実現し、さらに便利なコミュニケーションアプリへと進化させることを目指している。
(出典元:2025年4月15日 同社プレスリリース、同日 こどもとITより)
今後の学校教育への活用と可能性は?
LINEの生成AI機能は、2030年に向けた未来の学校教育において重要な役割を果たす可能性があります。
特にAIを活用したコミュニケーション支援ツールは、子どもたちが将来必要とする資質・能力の育成に寄与できます。
教育現場では、生徒同士のグループワークやプロジェクト学習において、AIによる情報収集や整理、表現方法の提案が学びを深める助けとなるでしょう。
また、「LINE AIトークサジェスト」のような機能は、外国語学習や文章表現の学習において、様々な表現パターンを学ぶ教材としても活用できます。
2050年の学校教育では、VRやロボットと並んで、AIによるコミュニケーション支援が当たり前になると予測されています。
生徒一人ひとりの特性に合わせた学習支援や、多様な表現力を育む教育において、こうしたAI技術は重要な役割を担うでしょう。
教師の働き方改革の観点からも、AIによる事務作業の効率化や教材作成支援は、教育の質を高めながら教員の負担を軽減する可能性を秘めています。
今後は、AIリテラシー教育と併せて、こうした技術を適切に活用できる力を育む教育が一層重要になっていくと考えられます。