【サービスの選び方】映像教材について

視覚効果が高い映像教材は、紙教材に比べて、学習者の興味関心を惹きつけ、記憶に残りやすくなると言われています。文字にすると説明が長くなることも、動画であれば短い時間で直感的に伝えられます。 変化のない単調な教材ではどうしても受講意欲が低下しがちですが、動画教材なら受講者の理解促進を助け、高い学習効果を期待できます。

このような効果のある映像教材ですが、たくさんの種類の映像が出回っています。そこで、この記事では、各社の映像教材へのレビューを参考に、映像教材を導入する際のポイントをまとめていきます。

今回取り上げるサービスと一番の強み

今回は7種類のサービスを取り上げます。ここにピックアップしたサービスは、既にレビューが集まっており、特徴が分かりやすいサービスです。

切り口は以下のとおりです。

  • 映像スタイル
  • 対象学年
  • 1コマの授業時間
  • ラインナップとレベル感
  • 市販の有無
  • サポートの体制
  • 価格

映像スタイル(リアルな映像か、アニメか、リアルな場合、顔は出るか出ないか)

授業がどのようなスタイルで作られているか、それによりどのような生徒に向いているかも変わってきます。映像スタイルは、大きく分けて①リアルな映像かアニメーションか、②リアルな映像の場合、先生の顔が出るか出ないかという軸で分けるとその特徴が明確になります。まず最初に一般論として、それぞれの特徴を記述します。

アニメーション・・・天神、すらら

特徴としては、子供の興味をひきやすいことが特徴で、ゲーム感覚でできるので、勉強が苦手な生徒も入り込みやすいということが挙げられます。その反面、制作コストがかかるので、説明をパターン用意するのが難しく、レベルの幅は絞られる傾向があります。

例えば、すららの実際のレビューには、

アニメーションで分かりやすい授業形態なので、中から低学力層ならおススメできる教材です。

という声があります。

リアル映像(先生顔出し有)・・・スタディサプリ、ウィングネット

先生の顔が映っているので、先生のジェスチャーや表情からも先生の意図が伝わりやすく、臨場感をキープしながらの授業を受けることができます。また、顔出しできるほど、トップクラスの講師が授業を担当することが多く、分かりやすい授業になりことが多いと言えます。その反面、相性の良くない先生がいた時に、その先生の顔を常に見ながら授業をすることになるので、それを嫌がる生徒がいるも事実です。

例えば、スタディサプリの実際のレビューには、

とにかく講座の授業は分かりやすいので、授業のクオリティを求めるならコレで間違いありません!

という声があり、分かりやすさを求めるのであれば、顔出しの映像授業は相性が良さそうです。

リアル映像(先生顔出し無)・・・eboard、エデュプラス、ワンスタディ

先生の顔が映っていないので、生徒の好き嫌いが出にくく、クオリティが安定するのが特徴です。また、レベル/科目ごとに先生を変えても違和感が少ないので、大量の映像授業を制作しやすいので、レベルに幅を持たせることが可能になりやすいと言えます。その反面、先生の表情などが伝わらないため、うまい先生でないと単調になりやすいという傾向はあります。

例えば、eboardの実際のレビューには、

講師の顔出しは無く、ホワイトボードに説明を書き込んで説明します。関連した写真やデータもわかりやすく説明してくれます。

という声があり、資料が充実している場合は、クオリティが安定した授業を提供することができそうです。

対象学年

現在、対象学年を小学生から高校生まで守備範囲を広げているサービスも増えてきていますが、得意学齢は明確に存在しているケースが多いようです。例えば、エデュプラスは、

ワンオペ指導の小学生・中学生で活用している。価格が安く、説明がシンプルでくどくないので、生徒の反応もよいです。

という声があるように小学生・中学生に強い教材と言えそうです。このようにレビューから、本当に得意とする学齢を読み解いていくことも、失敗せずに導入するポイントかもしれません。

1コマの授業時間

映像教材を活用した塾運営をしていくにあたり、1コマの授業時間の長さというのは、実は重要な要素になっていくケースもあります。長すぎると飽きてしまい、寝てしまうという声も聞かれます。逆に短すぎても、網羅性が薄くなってしまうという声もあります。それぞれのレビューを読んでいくと、大切なのは、ベストフィットする長さは、レベル層や学齢によりそうだという傾向が見えてきます。例えば、意欲もあり、集中力が続く大学受験生であれば、60分以上の長時間動画の方が一気視聴できるので、利用しやすいという声や、逆に学習意欲の低い中学生に対しては、とにかく短く要点がまとまっているものが選ばれる傾向にあります。

実際のレビューを見ても、中学生向けの教材であるワンスタディには、

動画が1分~2分と、革命的に短いので、使いやすい。中学生には、これくらいの長さがちょうどよい。

という声があったり、高校生向けの教材も扱うウィングネットでは、

大学受験向けのものは1コマ90分を超えるが、カリキュラム的にもちょうど必要な要素が体系的にほどよくまとめられている。

という声があります。

ラインナップとレベル感

どれだけのバリエーションがあるか、この点も運営に向けて重要なポイントとなってきます。具体的にいうと、バリエーションが豊富な方が、レベル感が合わなかった時に別のレベルの映像を見せることができるので、運営しやすいという声は多くあります。しかし、単一レベルで作っている方にもメリットがあり、全てのリソースを投じて制作しているので、そのクオリティが高くなる傾向があるようです。

単一レベルのeboardは、勉強が苦手な生徒でも学習できるようにするというコンセプトで作りこんでいるので、

低学力層向けの映像教材を探していて、(中略)問題の難易度は易しく、動画もコンパクトで大切なところはしっかり抑えられている。低学力層にもとっつきやすい」

という声が聞かれました。

同じようなレベルの生徒が集まりやすい塾なのか、学力層がバラけやすい塾なのかによっても、相性の良い教材は変わってきそうです。

市販の有無

映像教材を選ぶうえで、案外盲点になるのが、市販されているものかどうかという点です。市販されている教材だと、授業だけを考えると学校と差別化できないので、学習管理をサービスしてつけた方がよいという声もあったりします。市販されているものだと、本来、教材を使って指導というサービスを提供しているので、当然その分を市販価格に上乗せして、価格表示すべきなのですが、保護者からすると、単純に「市販では○○円なのに、塾では○○円なのか」という思考になりがちです。そこは、指導まで含めたパッケージとしての価格表示であるということを論理的に説明する準備はしておいた方がよいでしょう。

サポートの体制

導入後にどこまでサポートしてくれるかも、重要な判断基準となります。特に、映像授業にまだ慣れていない先生とっては、サポートに手厚いサービスを利用することをお勧めします。最近だと、天神のように

リモート保守などサポートが手厚いので、心配は無用。

という声があるなと、リモートでの遠隔サポートがあるサービスもあります。また、スタディサプリ

電話でサポートがちょくちょく来るので、相談しやすい。

という声がありますが、ユーザーの声を集め、システム改善するスピードが速いサービスかどうかもレビューを使って確認するとよいでしょう。

価格

最後に価格です。やはり、長く継続利用していくことを考えると、価格帯も重要な要素になってきます。塾の先生方は、価格そのものというよりは、学習効果に対する支払った金額(費用対学習効果)に注目しているようです。しっかりと、映像授業に投資した分の生徒の学習効果があったのかどうか、その点をレビューから読み取ると良さそうです。

また料金体系も様々であったり、問い合わせないと教えてくれないところもあるので、積極的にサービス提供会社に確認をすることをお勧めします。
例えば、eboardのように、

50アカウントまで、一律7500円(1アカウント150円)と利用料金も非常に安価で助かっています。

と、非常に安価に使えるサービスも出てきています。長く使うことを意識して、しっかりと検討することが大切ですね。

この記事から言えること
  • 比較の切り口が多様化している
  • 自塾が大切にしたい価値観は何かを明確すると、重要視すべき切り口が見えてくる
  • 気になったサービスはとにかくサービス事業者に問い合わせをしてみるとよい

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