記事情報:「リセマム」, 2023年10月30日
URL: https://resemom.jp/article/2023/10/30/74408.html
都内の児童・生徒を対象とした最新の調査結果から、少人数や習熟度別の指導方法が絶大な支持を受けていることが明らかとなりました。特に数学や英語の授業においては、全学年の9割以上がこの教育スタイルを肯定的に評価しています。しかし、各学年、各教科における理解度や学習意識の違いも報じられており、今後の教育施策や塾業界への影響が大いに期待されます。
ニュース概要
2023年10月30日、東京都教育委員会は「児童・生徒の学力向上を図るための調査」の結果を公表。対象は都内の公立小学校1,274校、公立中学校621校で、調査期間は2023年5月15日~6月23日にかけて実施されました。この調査から、数学や英語の少人数・習熟度別指導に対し、全学年の9割以上が肯定的評価を示す結果となりました。小学生においては学びの理解度が高い教科として「理科」、低い教科として「社会」や「算数」が挙げられ、中学生では「英語」の理解度が低く評価されました。また、学習動機に関して、小学生は「学ぶ楽しさ」、中学生は「将来の仕事や生活の役立ち」を重視していることが判明。学習の進め方や学習時間、習熟度別指導の評価など、都教委の調査は今後の教育改革の参考となるでしょう。
東京都の教育調査から見える塾業界の今後の方向性
この「児童・生徒の学力向上を図るための調査」の結果が、塾業界にとっても大きな示唆を与えています。
まず、数学や英語の少人数・習熟度別指導に対して9割以上の児童・生徒が肯定的であることは、塾が採用する指導スタイルの重要なヒントとなるでしょう。これは、一律の指導よりも、それぞれの生徒のレベルや理解度に応じたカスタマイズされた指導が求められていることを示しています。今後の塾のカリキュラム作成や授業スタイルの見直しに、この点を踏まえる必要があるかもしれません。
次に、小学生が学びの理解度が高いと感じている「理科」に対して、塾のサービスや教材においては十分に対応しているでしょうか? 逆に、理解度が低いと感じられている「社会」や「算数」、中学生での「英語」に対しては、塾としてどのようなサポートや教材改善ができるのか、再検討の余地がありそうです。
また、学習動機に関する部分も注目すべきです。特に、中学生は「将来の仕事や生活の役立ち」を学びの動機として挙げています。この点から、実生活や将来のキャリアに直結するような学習内容や進路相談など、より実践的なサービスの提供を検討する価値があるでしょう。
この調査結果を踏まえ、塾業界は今後の教育サービスの方向性や教材開発において、都市部の教育ニーズをより深く理解し、柔軟に対応していく必要がありそうです。