
現役高校生の間で、AIはすでに”日常の学習ツール”として定着しています。
女子高生の約9割が日常的にAIを活用する一方、男子高生の3割は「自分の言葉で考えたい」とAIを使わない選択をしており、この意識の差は教育現場に大事な問いを投げかけています。
AIを「禁止するもの」と捉えるのか、「共に学ぶパートナー」として導入するのか…今こそ学校教育の在り方を見直す好機なのかもしれません。
記事の要約
株式会社ワカモノリサーチ(東京都杉並区)が2025年10〜11月に全国の現役高校生318名を対象に実施したインターネット調査によれば、女子高生の89.9%が日常的にAIを活用していることが明らかになった。
主な用途は「勉強の疑問解消」「英作文の添削」「文章・画像生成」など学習支援が中心だが、「人には言えない悩みの相談」や「服のコーディネート相談」など、生活全般の”デジタル相棒”としての使われ方も顕著である。
一方、男子高生の30.2%はAIを使わないと回答しており、その理由は「必要性を感じない」「信用が低い」「自分の言葉で考えたい」など、主体的・批判的な姿勢によるものが多い。
AIを活用する男子高生(69.8%)は即時検索や課題作成、悩み相談など女子と近い用途で使いながらも、ゲームやカラオケの攻略といった娯楽目的も見られた。
男女ともにAIを”第二の教科書”、あるいは”心のよりどころ”として捉える傾向が読み取れる調査結果だ。
(出典元:2026年2月21日 PR TIMES・株式会社ワカモノリサーチより)
今後の学校教育への活用と将来の可能性は?
今回の調査は、生成AIがすでに高校生の日常に深く浸透していることを示しています。
9割近い女子高生がAIを使っている一方で、「AIが真実かどうかわからない」「怪しい」と感じる生徒も存在します。
この現状は、情報の真偽を見極めるAIリテラシー教育が学校現場においていかに重要かを浮き彫りにしています。
AIの回答を鵜呑みにせず批判的に検証する力…いわゆる「クリティカルシンキング」の育成を、授業の中に組み込んでいくことが求められます。
個別最適化学習のパートナーとしての活用
「勉強のわからないをなくすため」「英作文の添削」といった使い方は、AIが個別最適な学習支援ツールとして機能していることを示しています。
一人ひとりの理解度や進度に合わせた学びが可能なAIは、教員一人では対応しきれないきめ細かな指導を補完できます。
学校教育においても、AIを「禁止するもの」として排除するのではなく、授業設計の中に意図的に組み込み、生徒が自律的に活用できる環境を整えることが、今後の教育実践における重要な方向性となるでしょう。
生徒の心のケアへの新たなアプローチ
注目すべきは、AIを「人には言えない悩みの相談相手」として使っている生徒が男女ともに一定数いるという点です。
スクールカウンセラーへの相談ハードルが高い生徒にとって、AIは心理的安全性の高い”最初の一歩”になり得ます。
学校現場では、AIによるメンタルサポートの可能性を認識した上で、AIと専門家が連携する相談体制の構築を検討することが、生徒の心の健康維持に貢献できるでしょう。
男女差が示す「使わない選択」の尊重
また、男子高生の3割がAIを使わないと答え、その理由として「自分の言葉で考えたい」という主体的な意志を示した点も重要です。
教育現場では、AI活用を一律に推進するのではなく、AIを使う力と使わない判断力の両方を育む教育観が求められます。
AIに依存せず自分の思考を鍛えようとする姿勢は、むしろ高い自律性の表れであり、それを尊重・評価できる評価軸の再設計も今後の学校教育の課題と言えます。
「AIネイティブ世代」と共に進化する教育へ
令和の高校生はすでに”AIネイティブ世代”として、学習・生活・感情面においてAIと共存しています。
教員・学校・教育行政が一体となって、AIを活かした授業設計・校則の見直し・デジタル倫理教育の整備を進めることが、この世代の可能性を最大限に引き出すカギとなります。
高校生がAIをどう使っているかを”問題視”するのではなく、その実態を丁寧に読み解き、学びの場に還元していく姿勢が、これからの学校教育を大きく前進させるはずです。
情報元はこちらからご覧ください。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000140.000162122.html
