
SNSや生成AIの普及により、いじめはいま教室の外でも24時間起き続けています。
そんな中で、欧州連合(EU)の欧州委員会は今年2月、ネットいじめ対策の行動計画を発表。
被害証拠を安全に保存できる通報アプリの導入や、教師向けデジタルリテラシー研修の強化など、学校現場を支える具体的な施策が並びます。
「子どもを守る仕組み」を社会全体で整えるEUの取り組みは、日本の教育現場にも重要な示唆を与えてくれます。
記事の要約
欧州連合(EU)の欧州委員会は2026年2月10日の「セーファーインターネットデー」に合わせ、子どもをネットいじめから守る行動計画を発表した。
11〜15歳の子どものうち6人に1人がネットいじめの被害を経験しており、8人に1人は加害側に回ったことがあると報告されている。
計画の中核は、EU全域で導入するスマートフォンアプリだ。
このアプリを通じて、被害を受けた子どもは国の支援窓口への通報、心理的サポートの受け取り、いじめの証拠の安全な保存が可能となる。
欧州委員会がアプリの設計図を作成し、各加盟国が自国語に翻訳・カスタマイズして提供する形をとる。
また、加盟国に対して国家計画の策定と「ネットいじめ」の共通定義に基づくデータ収集・比較を求めている。
さらに予防面では、教師へのデジタルリテラシー研修の強化や、学校への支援リソースの整備も推進する方針だ。
(出典元:2026年2月10日 European Commissionホームページ・Newsより)
学校教育への活用と将来の可能性は?
この行動計画は、日本の学校教育においても多くの示唆を与えてくれます。
まず注目すべきは、「証拠保存機能付きの通報アプリ」という発想です。
日本でも文部科学省がいじめ相談窓口を整備していますが、被害の証拠が散逸しやすいという課題があります。
EU型のアプリを参考に、証拠保全・相談・支援を一元化したプラットフォームを学校や自治体が提供することで、子どもが一人で問題を抱え込まない環境づくりが期待できます。
次に、「ネットいじめの共通定義」を持つことの重要性です。
日本では学校・自治体・警察が独自の基準で対応しており、統計の比較が困難です。
共通定義を設けることで、いじめ実態の可視化と政策立案の精度向上につながるでしょう。
さらに、教師向けデジタルリテラシー研修の制度化も急務です。
生成AIやSNSの急速な普及により、いじめの形態は複雑化しています。
EUのように既存のルール(日本であれば「GIGAスクール構想」や「情報活用能力育成」の枠組み)を活用しながら、現場教員が最新の知識でこどもたちを守れる体制を整えることが、今後の日本の教育現場における重要な課題といえます。
情報元はこちらからご覧ください。
https://commission.europa.eu/news-and-media/news/commission-launches-action-plan-protect-young-people-cyberbullying-2026-02-10_en
