教員の長時間労働が社会問題化する中、授業用スライド作成や板書計画、教材イラスト制作といった日常業務を劇的に効率化する生成AIツールが、2026年度から完全無償で利用できるようになります。
スタディポケット社が発表した「スタディポケット for TEACHER」の永年無償化は、予算制約で導入を躊躇していた学校にとって大きな転機となるでしょう。
文科省の生成AIガイドラインに準拠し、ISO認証を取得したセキュアな環境で、人数無制限・利用回数無制限という画期的な条件で提供されるこのサービスは、先生方が「子どもに向き合う時間」を取り戻すための現実的な選択肢として注目されています。
記事の要約
スタディポケット株式会社（東京都千代田区）は、教員向け生成AIプラットフォーム「スタディポケット for TEACHER」のライセンス利用料を、2026年度以降全国の学校教育機関に対して恒久的に無償化すると発表した。
授業用スライド自動生成「AIスライド」や板書計画・教材イラストを作れる「画像生成Pro」などの高機能は維持され、ソフトウェア使用権のみが無償対象である。
無償化の背景には、文科省の生成AIガイドラインや政府のAI戦略に基づくAIリテラシー向上目標への共感、教員の長時間労働の是正、予算制約による導入困難の解消などがある。
同社は基盤モデルの効率化やアーキテクチャ改善によりコストを削減し、ISO/IEC 27001認証と国内サーバー運用のもとで安全な環境を整備している。
機能面では、スライド自動生成、教育用画像生成、プロンプトジェネレーターとオリジナルAI共有、校内AI利用状況ダッシュボードなどを搭載し、教務・校務のDXと校内のAI活用の底上げを狙う。
児童生徒向けサービスや研修・個別カスタマイズなどは有償だが、教員向けライセンスは人数無制限・チャット利用回数も基本無制限で提供される。
（出典元：2025年12月11日 PR TIMES・スタディポケット株式会社より）
今後の学校教育に与える影響は？
今後はこの無償化をテコに「教員業務の標準装備としての生成AI」を前提にした働き方設計が重要になるでしょう。
まず、授業スライドや板書計画、教材イラストをAIに任せることで、教員は児童生徒との対話・評価・協働的学びの設計に時間を振り向けやすくなり、授業の質向上と働き方改革を同時に進めやすくなります。
また、プロンプトジェネレーターやオリジナルAI共有機能を活用すれば、「校内ベストプラクティス」をAIテンプレートとして蓄積・共有し、組織的なカリキュラム・マネジメントとAIリテラシー育成を両立できる可能性があります。
校内利用状況の可視化ダッシュボードは、教育委員会や管理職が「AI活用を評価指標に組み込む」「研修テーマをデータから設計する」など、エビデンスに基づくEdTech推進を行う基盤にもなり得ます。
将来的には、児童生徒向けサービスや高度なAIエージェントと連携し、教員・児童生徒・AIが協働する学習環境を段階的に構築していくことが、日本のAIリテラシー底上げと国際的な学力・イノベーション力強化につながると考えられるでしょう。
情報元はこちらからご覧ください。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000074.000049664.html
