
最新の生成AIニュース(2025年10月27日~11月9日)を、YouTubeチャンネル「いけともch」の池田朋弘氏が注目した37のキーワードで紹介します。
1. NotebookLMスマホ版が大型アップデート~学習支援機能を強化
NotebookLMのスマホアプリ版にテストとフラッシュカード機能が追加された。
登録した資料から自動的に4択クイズや暗記カードを生成し、スマホで手軽に学習内容を確認できる。難解な論文や専門的な内容の理解度チェックに最適な機能である。
2. NotebookLMが最新モデルを採用~100万トークン対応へ
NotebookLMの基盤AIモデルがGemini 2.5にアップグレードされ、処理可能なトークン数が100万に拡大した。
情報の参照精度が向上し、チャット履歴の自動保存機能も追加される予定だ。これにより会話内容や議論を後から確認できるようになる。
3. Gemini機能で資料作成からGoogleスライドへのエクスポートが可能に
Geminiのキャンバス機能で作成した資料を、ワンクリックでGoogleスライドにエクスポートできるようになった。
生成されたスライドはGoogleスライド上で編集可能で、PowerPointへの変換も容易である。簡易的なプレゼン資料作成の効率が大幅に向上した。
4. Gemini Deep ResearchがGmail・Google Drive連携に対応
Gemini Deep Research機能がGmail、Googleドライブ、Chatのデータを直接検索対象にできるようになった。
Web検索だけでなく社内の過去メールや保存ファイルから情報を抽出し、初期仮説の構築や調査の見立てに活用できる。ただし全ファイルを網羅するわけではなく対象は限定的。
5. Google AI StudioがGemini活用の新「vibe coding」体験を提供
Google AI Studioに「vibe coding」機能が登場し、自然言語の指示だけでAIアプリを自動生成できるようになった。
Nano BananaやVeoなど最新モデルを組み合わせ、画像編集や動画生成アプリを簡単に構築可能。Annotation Modeで画面に直接コメントして修正依頼もできる。
6. ChatGPTに「中断機能」が追加
ChatGPTのProモデルやThinkingモードで長時間処理中に、途中で依頼を追加できる中断機能が実装された。
処理の途中で更新ボタンを押すと、それまでの文脈を保持したまま新たな指示を追加でき、思考の方向性を柔軟に調整できるようになった。
7. OpenAIがChatGPTの「センシティブな会話」への対応を強化
ChatGPTで自殺願望や精神疾患に関する相談が週60万件以上あることから、OpenAIは170人の専門家と連携してモデルを改善した。
不適切な回答率を6〜8割削減し、過度に寄り添わず適切な距離を保つコミュニケーションスタイルに変更された。
8. Adobe Fireflyが「マルチモーダル創作AI」へ進化
Adobe Fireflyが単体ツールからAIクリエイティブスタジオへと進化し、アイデア発想から制作完成までを統合的にサポートする。
画像をレイヤー単位で自動分割して部分編集が可能になり、複数のAIモデルを組み合わせて使用できる。エージェント機能も搭載予定。
9. Canvaが新プラットフォーム「Creative Operating System」発表
Canvaはデザイン、AI、マーケティングを統合する「Creative Operating System」を発表した。
デザインを理解した新AIモデル「Canva AI」が相談相手となり、フォーム作成やメール配信デザインなど多様なツール群を提供する。競合Adobeに対抗する統合プラットフォーム戦略である。
10. リアルタイムに会話できるアバターが簡単に作成可能に
HeyGenがライブアバター機能をリリースし、リアルタイム音声会話が可能なAIアバターを提供開始した。
日本語にも対応し、ビジネスコーチや語学学習など複数のモードを選択できる。99ドルで自分のアバターを作成でき、APIで自社サービスにも組み込める。
11. 新AIモデル「Composer」を搭載したCursor2.0を発表
コーディング支援ツールCursorがバージョン2.0にアップグレードし、AIエージェント前提のインターフェースに刷新された。
新AIモデル「Composer」により複数のエージェントを並列実行でき、同時に複数の開発タスクを進行できる。従来のエディター中心から完全なエージェント駆動型開発へと進化した。
12. MicrosoftがGitHubの新機能「Agent HQ」を発表
GitHubがGitHub Universe 2025で「Agent HQ」構想を発表し、複数のAIエージェントを統合管理する基盤を提供する。
Anthropic、OpenAI、Google、Cognition、xAIなどのコーディングエージェントをGitHub上で一元管理できる。中核機能「Mission Control」でタスク割り当てと進捗追跡が可能になる。
13. HubSpot CTOが生んだ「Agent.ai」の利用者が200万人を突破
HubSpotのCTOが開発したAIエージェントプラットフォーム「Agent.ai」の利用者数が200万人を突破した。
複数のAIツールを統合的に活用できるプラットフォームとして急速に成長している。紹介制度による50クレジット相互プレゼントなど利用促進施策も展開中である。
14. x.AIの百科事典サービス「Grokipedia」公開
x.AI社がGrokを活用した百科事典サービス「Grokipedia」を公開した。
従来のウィキペディアとは異なり、AIによる情報生成と検索を組み合わせた新しい形の知識プラットフォームを目指している。情報の信頼性や更新頻度において今後の展開が注目される。
15. 三井不動産グループのAIエージェント活用事例
三井不動産グループが業務におけるAIエージェント活用を本格化している。
不動産業界における物件管理、顧客対応、契約業務などでAIエージェントを導入し、業務効率化を実現している。大手企業におけるエージェント活用の先進事例として注目を集めている。
16. 現場から生まれた「スマホでバイブコーディング」の開発スタイル
開発現場からスマートフォンを活用したバイブコーディングという新しい開発スタイルが生まれている。
従来のPC中心の開発環境から、モバイル端末でもAI支援を受けながらコーディングできる環境が整備され、場所を選ばない柔軟な開発が可能になった。
17. OpenAIの極秘プロジェクト「Mercury」で投資銀行業務をAI化へ
OpenAIが秘密裏に進める「Project Mercury」では、ゴールドマン・サックスやJPモルガンなど大手投資銀行出身者100名以上を時給150ドルで雇用している。
若手アナリストが担う財務モデル作成などの反復的業務をAI化し、投資銀行業界の労働構造を根本的に変革することを目指している。
18. Anthropicが金融業界向け「Claude for Financial Services」を強化
Anthropicが金融業界に特化した「Claude for Financial Services」の機能を強化した。
金融機関における契約書レビュー、リスク分析、顧客対応などの業務でClaudeの活用が進んでいる。高度なセキュリティ要件と規制対応を満たす専門的なAIソリューションとして展開されている。
19. Microsoft 365 Copilotに「App Builder」「Workflows」エージェント追加
Microsoft 365 Copilotに新機能「App Builder」と「Workflows」が追加され、ノーコードでカスタムアプリやワークフロー自動化が可能になった。
ユーザーは自然言語で指示するだけで業務アプリを構築でき、複雑な業務プロセスを自動化できる。エージェント機能の実用化が加速している。
20. Google MapsがGeminiと連携しナビゲーションを強化
Google MapsがGemini AIと連携し、より自然な会話形式でのナビゲーション機能を実装した。
目的地の検索や経路案内において、単なるキーワード検索ではなく文脈を理解した提案が可能になった。位置情報サービスとAIの統合により利用体験が向上している。
21. GoogleがGemini APIに統合された「File Search Tool」を公開
Googleがデベロッパー向けにGemini APIの新機能「File Search Tool」を公開した。
アップロードしたファイル内を効率的に検索し、関連情報を抽出できる。開発者はこの機能をアプリケーションに組み込み、高度な文書検索機能を実装できるようになった。
22. OpenAIが次世代音楽生成AIツールを開発中
OpenAIが次世代の音楽生成AIツールの開発を進めていることが明らかになった。
テキストプロンプトから楽曲を生成する機能に加え、より高品質で商用利用可能な音楽制作支援ツールとして展開される見込みである。クリエイティブAI市場での競争が激化している。
23. ソフトバンクが国産LLM「Sarashina mini」のAPI提供を開始
ソフトバンクが独自開発した国産大規模言語モデル「Sarashina mini」のAPI提供を開始した。
日本語に最適化されたモデルとして、国内企業がデータ主権を保ちながらAI活用できる選択肢を提供。国産LLMの実用化と産業応用が本格化している。
24. Moonshot AIが「Kimi K2 Thinking」を公開
中国のMoonshot AIが新しいAI推論モデル「Kimi K2 Thinking」を公開した。
複雑な思考プロセスを必要とするタスクに対応し、段階的な推論能力を強化したモデルである。OpenAIのo1シリーズに対抗する形で、アジア圏における高度なAI推論技術の競争が激化している。
25. OpenAIが営利目的の再資本化を完了~最大1兆ドルIPOに向け準備も開始
OpenAIが非営利組織から営利企業への再資本化を完了し、史上最大規模となる1兆ドル規模のIPOに向けた準備を開始した。
企業価値の大幅な向上とともに、投資家からの資金調達を加速させる。AI業界における巨額資金調達とビジネスモデルの転換が象徴的な出来事となっている。
26. OpenAIとAWSがAIインフラで戦略的提携
OpenAIとAmazon Web Services(AWS)がAIインフラストラクチャにおける戦略的提携を発表した。
大規模な計算リソースとクラウドサービスを統合し、AIモデルのトレーニングと展開を効率化する。両社の技術とリソースを組み合わせることで、AI開発基盤の強化を図っている。
27. ソフトバンクグループとOpenAIが合弁会社を設立
ソフトバンクグループとOpenAIが日本市場向けのAI事業を展開する合弁会社を設立した。
日本国内でのAIサービス提供体制を強化し、企業向けソリューションや地域特化型サービスを展開する。日本におけるAI産業の発展と、グローバル企業の国内市場への本格参入を示している。
28. Anthropicが2028年に700億ドルの収益を見込む
AnthropicがClaudeの急速な普及により、2028年までに年間収益700億ドルを達成する見通しを発表した。
企業向けAIソリューションの需要拡大と、金融・医療など専門分野での採用増加が成長を牽引している。AI市場における競争激化の中で、収益性の高いビジネスモデル構築に成功している。
29. Anthropicが日本法人設立と国内データ処理体制強化
Anthropicが日本法人を正式に設立し、国内でのデータ処理体制を強化した。
日本企業が求めるデータローカライゼーションとセキュリティ要件に対応し、国内サーバーでのデータ処理を可能にする。グローバルAI企業の日本市場への本格的なコミットメントを示している。
30. AmazonがPerplexity社のCometアプリに対して声明を発表
AmazonがPerplexity社の開発したAIブラウザ「Comet」に関して公式声明を発表した。
Cometアプリの技術仕様やセキュリティ実装について懸念を表明し、競合関係やプライバシー保護の観点から議論が生じている。AI検索サービス市場における競争と規制の複雑化を示す事例となった。
31. Metaが直面するAI製品への課題
MetaはAI製品の開発と展開において様々な課題に直面している。
AI関連の人員削減を実施する一方で、今後3年間で6000億ドル規模のAIインフラ投資を発表するなど、戦略の転換期を迎えている。競合他社との技術競争やユーザー獲得において苦戦が続いており、AI市場での立ち位置の再構築が求められている。
32. AI搭載ヒューマノイド家事ロボット「NEO」登場
AI搭載の家事支援ヒューマノイドロボット「NEO」が発表された。
洗濯、掃除、調理などの日常的な家事を自律的に遂行できる能力を持ち、一般家庭での実用化を目指している。AIエージェント技術とロボット工学の融合により、家庭内労働の自動化が現実味を帯びてきた。
33. AIによる「肖像・声」の無断利用~法整備と社会規範の混乱続く
生成AIによる肖像権や音声の無断利用が社会問題化し、法整備と社会規範の確立が追いついていない状況が続いている。
有名人の顔や声を無断でAI生成コンテンツに使用する事例が増加し、プライバシー保護と表現の自由のバランスをどう取るかが議論されており、国際的な規制の枠組み構築が急務となっている。
34. AIブラウザ「Comet」で深刻なセキュリティ問題が発覚
Perplexity社が開発したAIブラウザ「Comet」において深刻なセキュリティ脆弱性が発見された。
ユーザーデータの取り扱いやプライバシー保護に関する重大な欠陥が指摘され、Amazonが公式声明を発表する事態に発展した。AI搭載ブラウザのセキュリティ基準の確立が急務である。
35. AI企業が注目する「フォワード・デプロイド・エンジニア(FDE)」
AI企業が新たな職種「Forward Deployed Engineer(FDE)」の採用を強化している。
顧客の現場に常駐してAI技術の実装と最適化を支援する専門職で、技術とビジネスの橋渡し役を担う。AnthropicやOpenAIなどが積極的に募集しており、AI導入の実践的支援を行う人材の需要が急増している。
36. 米国「ブルーカラービリオネア」現象が示すAI時代の労働価値の逆転
米国で「ブルーカラービリオネア」と呼ばれる現象が注目されている。
AIが知的労働を代替する一方で、配管工や電気技師など物理的な作業を伴う職種の価値が高騰している。時給が大幅に上昇し、高収入を得る職人が増加しており、AI時代における労働市場の価値観の逆転を象徴している。
37. 技術の進歩で「モノ」は安く「人の手」は高くなる時代へ
AIと自動化技術の進歩により、デジタル製品やサービスのコストが劇的に低下する一方で、人間の手による作業やサービスの価値が相対的に上昇している。
大量生産可能な「モノ」は安価になり、職人技や対面サービスなど代替困難な「人の手」が高価値化する経済構造への転換が進んでいる。労働市場と価値観の根本的な再編成が始まっている。
日本の教育現場において特に注目すべき点は?
まずは、NotebookLMのスマホ版アップデートでしょう。
クイズやフラッシュカードを自動生成する機能により、生徒は難解な教科書や資料をアップロードするだけで、4択問題や暗記カードを手軽にスマホで確認できるようになりました。
これは授業の復習や定期テスト対策、受験勉強において大きな効果を発揮します。
また、Gemini Deep Researchの進化も見逃せません。
GoogleドライブやGmailと連携し、過去の配布資料や授業ノートから必要な情報を自動抽出できるため、教員の教材研究や生徒のレポート作成支援に活用できます。
さらに、Google AI Studioの「vibe coding」機能を使えば、プログラミング教育において生徒が自然言語で指示を出すだけで簡単なアプリを作成でき、創造的な学習体験を提供できます。
これらのツールは無料または低コストで利用可能なため、学校や塾での導入ハードルが低く、教育の質向上と業務効率化を同時に実現する強力な支援ツールとなるでしょう。
ぜひこの記事を参考に、今後の教育現場での生成AI活用を検討してみてください!
参考:
