注目AIニュース23選(10/13~10/19)~日本の教育現場で活用できるのは何か

最新の生成AIニュース(2025年10月13日~10月19日)を、YouTubeチャンネル「いけともch」の池田朋弘氏が注目した23のキーワードで紹介します。

1. Claudeに「Skills」機能を追加

AnthropicがClaudeに新機能「Skills」を実装した。
これはGPTsやGemsを超える概念で、指示内容、プログラミングスクリプト、PowerPointやExcelなどのリソースファイルを1つのフォルダーにまとめてタスク化できる。テンプレートを読み込んで資料を自動生成でき、ChatUIだけでなくClaudeコードやAPIでも利用可能である。

2. 小型LLM「Claude Haiku 4.5」を提供開始

Anthropicが小型モデル「Claude Haiku 4.5」をリリースした。
価格はSonnet 4.5の3分の1で、100万トークンあたりインプット1ドル、アウトプット5ドル。過去のSonnet 4よりコーディング能力が向上しているが、Gemini 2.5 FlashやGPT-4o miniと比較すると価格競争力では劣る面もある。

3. Windows 11に「Hey Copilot」音声起動と画面認識AI機能が追加

MicrosoftがWindows 11に音声起動機能「Hey Copilot」とCopilot Visionを追加した。
音声で呼び出すとCopilotが起動し、画面共有機能により表示中の内容を認識しながら会話できる。Google AI Studioのリアルタイム機能が廃止された中、簡単な操作で画面認識AIを利用できる点が評価される。

4. ChatGPTがSlackで直接利用可能に

OpenAIがChatGPTをSlack上で直接利用できる機能を提供開始した。
Slack画面の右上にChatGPTチャットが表示され、シームレスに会話できる。ビジネスプランでの外部ツール連携が拡大しており、会話を中断せずにチャット切り替えやコピーの手間なく活用できる利便性が向上した。

5. GoogleがAI動画生成ツール「Flow」にVeo 3.1を導入

GoogleがAI動画生成ツール「Flow」に新モデル「Veo 3.1」を導入した。
開始と終了の画像をアップロードして自然な動画を生成でき、複数素材の統合や動画の後編集も可能。プロンプトのみで高品質な映像を制作でき、2枚の写真を統合して視点移動する動画も自然に生成できる。

6. ManusがManus1.5をリリース

AIツールManusがバージョン1.5と1.5 Liteをリリースした。
知能、速度、記憶容量が大幅に向上し、処理速度は従来の4分の1に短縮された。Notionからデータを取得してHeyGenでAIアバター動画を一発で生成するなど、外部ツール連携の精度が高く、少ないクレジットで高度な処理が可能である。

7. セブン-イレブンの生成AI基盤「AIライブラリー」

セブン-イレブンが生成AIプラットフォーム「AIライブラリー」を導入した。
従来BigQueryに蓄積していたデータを全員が活用できるよう、自然言語でデータ検索やSNS分析による商品開発支援などを実現した。データ基盤が整備されている企業とそうでない企業の差が今後大きく開くと指摘される。

8. WalmartとOpenAIが提携し「AIファースト購買体験」を構築へ

WalmartがOpenAIと提携し、AI中心の購買体験を構築する取り組みを発表した。
ChatGPT上のインスタントチェックアウト機能にボルマートが追加され、チャットで購入完了できる。検索中心のECは終わりを迎えつつあるとされ、会話型AIによる買い物が一般化する未来が近づいている。

9. プロンプトエンジニアリングが今でも重要スキルである理由

MITの研究により、画像生成AIの成功要因の半分がモデル性能、残り半分がプロンプト設計力であることが判明した。
AIによるプロンプト補助は逆効果となり、高成績者には文系も含まれた。モデルがどれほど強力でも、明確な指示ができなければ効率低下や無意味なアウトプット「slop」を生み出すため、言語化能力は依然として重要である。​

10. Googleが未発表の「Gemini 3.0」をA/Bテストで一部ユーザーに公開

Googleが正式発表前の「Gemini 3.0」を一部ユーザーに対してA/Bテストで公開している。
Google AI Studioにアクセスすると利用できるケースがあり、新モデルの性能評価が段階的に進められている。正式リリース前の先行テストにより、実際のユーザー環境でのフィードバックを収集していると見られる。​

11. Nano BananaがGoogle Lens・AI Modeに統合

GoogleがNano BananaをGoogle LensおよびAI Modeに統合した。
これにより画像認識機能とAI処理の連携が強化され、より高度な視覚情報の解析が可能になった。ユーザーはカメラで撮影した対象物についてAIが詳細な情報を提供し、より自然な形で視覚的な問い合わせができるようになった。​

12. Gmail上で会議設定をAIが支援する「Help me schedule」機能

GoogleがGmail上でAIが会議設定を支援する「Help me schedule」機能を追加した。
メール内容から会議の必要性を判断し、カレンダーと連携して適切な日時を提案する。参加者のスケジュールを自動調整し、会議設定の手間を大幅に削減できるため、ビジネスコミュニケーションの効率化が期待される。​

13. Gemini APIに「Maps Grounding」機能が追加

GoogleがGemini APIに位置情報を活用する「Maps Grounding」機能を追加した。
AIが地図データと連携し、場所に関する質問に対してより正確な回答を提供できるようになった。レストランや観光地などの位置情報を含む問い合わせに対し、実際の地図データに基づいた回答が可能となり、実用性が向上した。​

14. Microsoft初の自社開発画像生成モデル「MAI-Image-1」を発表

Microsoftが初めて自社開発した画像生成モデル「MAI-Image-1」を発表した。
これまで外部モデルに依存していた画像生成機能を自社技術で実現し、Lmarenaのベンチマークでトップ10入りを果たした。Copilotなど自社サービスへの統合により、画像生成品質の向上とコスト最適化が期待される。​

15. SalesforceがAIエージェントプラットフォーム「Agentforce 360」を発表

SalesforceがAIエージェントプラットフォーム「Agentforce 360」を発表した。
顧客対応、営業支援、マーケティングなど複数業務を自律的に処理するAIエージェントを統合管理できる。CRMデータと連携し、企業の業務プロセス全体をAIが支援する包括的なプラットフォームとして、ビジネス活用の幅が大きく広がる。​

16. Slackが「エージェンティックOS」へと再設計

Slackがプラットフォームを「エージェンティックOS」として再設計した。
単なるコミュニケーションツールから、AIエージェントが業務を自律的に実行するOS的な基盤へと進化した。複数のAIエージェントがSlack上で連携し、タスク管理、情報収集、意思決定支援などを統合的に処理できる環境が整備された。

17. NVIDIAがデスクトップ向けAIスーパーコンピューター「DGX Spark」を発表

NVIDIAが世界最小のAIスーパーコンピューター「DGX Spark」の出荷を開始した。
Grace Blackwell GB10 Superchipを搭載し、デスクトップサイズで1ペタフロップのAI性能と128GBの統合メモリを実現する。価格は約4,000ドル(約60万円)で、最大2,000億パラメータのAIモデルをローカルで実行可能である。

18. Figure AIが第3世代ヒューマノイド「Figure 03」を発表

Figure AIが第3世代ヒューマノイドロボット「Figure 03」を発表した。
フィジカルAIの進化により、より自然な動作と高度なタスク実行能力を獲得した。産業用途を中心に、人間との協働作業や複雑な作業環境での活用が期待される。AIエージェントが物理的な存在として現実世界で活動する時代が近づいている。​

19. カリフォルニア州が子どものオンライン保護強化法を成立

カリフォルニア州が子どものオンライン保護を強化する法律を成立させた。
AI生成コンテンツによる子どもへの悪影響を防ぐため、プラットフォーム事業者に対する規制が強化。年齢確認の厳格化やAI生成コンテンツの表示制限など、子どもを有害なコンテンツから守るための包括的な対策が盛り込まれている。​

20. OpenAIが成人向けの機能強化を発表

OpenAIがChatGPTにおいて、認証済み成人ユーザー向けの機能強化を発表した。
これまで制限されていた成人向けコンテンツの生成が一部可能になる。年齢確認を厳格化した上で、創作活動や表現の自由とのバランスを取りながら、責任あるAI利用を促進する方針である。​

21. 日本政府がSora 2の著作権リスクに対しOpenAIに対応を要請

日本政府がOpenAIの動画生成AI「Sora 2」における著作権侵害リスクについて、正式に対応を要請した。
学習データに日本のコンテンツが無断使用されている可能性を指摘し、透明性の確保と権利者保護の仕組み構築を求めた。AI生成コンテンツと著作権の国際的な課題が顕在化している。​

22. AI画像を使ったドッキリが米国SNSで拡大

AI生成画像を使った悪質なドッキリが米国のSNSで拡大し、警察への通報が相次いでいる。
リアルな偽画像により、実際には存在しない事件や事故の目撃情報が寄せられ、警察のリソースが無駄に消費されている。AI生成コンテンツの真偽判別の困難さと、社会的影響の深刻さが浮き彫りになった。​

23. 「Sora」の透かしを巡る新たな偽装問題

OpenAIの動画生成AI「Sora」で生成された動画に付与される透かし(ウォーターマーク)を除去・偽装する手法が拡散している。
AI生成動画と実写映像の区別が困難になり、フェイク動画の拡散リスクが高まっている。透かし技術の信頼性が問われ、より強固な真正性証明の仕組みが求められている。

日本の教育での活用が期待できる機能は?

特に注目すべきは、Claudeの「Skills」機能です。
指示内容、プログラミングスクリプト、PowerPointやExcelなどのファイルを1つにまとめてタスク化できるため、教材テンプレートや採点基準を組み込んだ「教育専用スキル」を作成できます。
塾では、生徒のレベルに応じた問題作成や解説資料の自動生成などに応用可能です。

また、Windows 11の「Hey Copilot」と画面認識AI機能は、画面を見ながらリアルタイムで質問に答えてくれるため、オンライン授業や自習中の疑問解決に役立ちます。
生徒が問題を画面に表示しながら「この問題の解き方を教えて」と音声で質問できる環境が整いました。

さらに、プロンプトエンジニアリングの重要性が改めて証明されたことは、教育現場にとって重要な示唆です。
AIを効果的に活用するには「要望を言葉で正確に表現する力」が必要であり、これはまさに国語力や論理的思考力の育成そのものです。
AI時代の教育では、技術スキルよりも言語化能力の育成が鍵となるでしょう。


ぜひこの記事を参考に、今後の教育現場での生成AI活用を検討してみてください!

参考: