注目AIニュース21選(9/8~9/14)~日本の教育現場で活用できるのは何か

最新の生成AIニュース(2025年9月8日~9月14日)を、YouTubeチャンネル「いけともch」の池田朋弘氏が注目した21のキーワードで紹介します。

1. Claudeがファイル作成・編集機能をプレビュー導入

Claudeが既存のPowerPoint、Excel、Word、PDFファイルを直接編集する機能をプレビュー版で導入した。
デザインを保持しながら内容のみを書き換える高度な編集が可能になり、テンプレートから完全新規作成も対応している。

2. 日本のGoogle検索に「AIモード」が追加

Google検索に会話型AI機能「AIモード」が日本でも実装された。
従来の検索結果表示に加え、ChatGPTのような対話形式で情報を取得でき、GoogleMapとの連携や根拠となるリンク表示も可能である。

3. Google NotebookLMが大幅アップデート

NotebookLMに複数の新機能が追加予定となった。
登録データからフラッシュカードやクイズの作成、ブログ形式レポート生成、質問による理解促進を行うラーニングガイド機能などが含まれる。

4. GoogleがGeminiの利用制限を明示

Geminiの利用制限が正式に公開された。
無料版は1日5回、3.2万トークンまでの制限があり、有料版では100万トークンまで対応可能。企業向けもスターターとスタンダードで大きな機能差が設定されている。

5. 企業向けCopilot無料版の利用機能が大幅拡大

Microsoft 365のCopilot無料版で利用可能な機能が大幅に拡張された。
Outlook、Word、PowerPointでの基本機能に加え、画像・インフォグラフィック作成機能やGPT-4.5の利用が可能になった。

6. Replit Agent v3は最大200分の自律稼働が可能に

プログラミングAIエージェントReplit AgentがV3にアップデートされ、従来20分だった自律稼働時間が最大200分まで延長された。
Slackワークフローやテスト機能の精度向上も実現している。

7. Nano Bananaプロンプトのコツ・テクニック公開

Geminiの高性能画像生成機能「Nano Banana」の活用例が紹介された。
イラストのフィギュア化、写真の色付け、服装合成、地図の立体化など、Photoshop不要の高度な画像編集が可能である。

8. パナソニックコネクト、カスハラ相談AI「With」導入

パナソニックコネクトがカスタマーハラスメント対策として従業員向け相談AI「With」を導入した。
従来のRAG方式ではなくCAG(キャッシュオグメンテッドジェネレーション)を採用し、マニュアル全文を一時保存して高精度回答を実現している。

9. NEC「cotomi Act」が暗黙知を形式知に変えてWeb操作を自動化

NECが開発した「cotomi Act」は、ベテラン社員のブラウザ操作履歴から暗黙知を抽出し形式知化するAIエージェント技術である。
国際ベンチマーク「WebArena」で人間の78.2%を超える80.4%の成功率を世界初で達成した。

10. ウィルグループが生成AIで派遣スタッフの離職リスクを検知

ウィルグループが派遣スタッフ向けにAI相談システムを導入し、相談内容から離職リスクを検知して人間サポートにつなげる仕組みを構築した。
2025年8月時点で7,500人に導入、利用率10%から20%への向上を目指している。

11. Googleが「Veo 3」と「Veo 3 Fast」をアップデート

Googleの動画生成AI「Veo 3」シリーズがアップデートされ、コストが大幅に削減された。
従来1秒0.75ドルから0.4ドルへ、Veo 3 Fastは0.4ドルから0.15ドルに値下げし、9:16縦型フォーマットと高解像度オプションも追加された。

12. ByteDanceの新画像生成モデル「Seedream 4.0」

TikTok運営のByteDanceが画像生成AI「Seedream 4.0」を発表した。
写真からの多角度生成、ロゴからの商品画像展開、人物除去や文字変更など高度な画像編集機能を搭載し、Gemini 2.5に匹敵する性能を謳っている。

13. MicrosoftがOffice 365でClaude導入

MicrosoftがOffice 365アプリケーションにAnthropic社のClaudeを採用することを発表した。
ExcelやPowerPointでの処理においてClaudeの方が優れた性能を示したことが背景にあり、Copilotの機能向上が期待される。

14. LLMのハルシネーションに関するOpenAIの論文

OpenAIがLLMのハルシネーション発生原因に関する論文を発表した。
根本原因はトレーニング過程にあり、「分からない」と回答するより間違った回答をする方が高得点になる評価システムが、AIに推測回答を促すインセンティブを与えていると分析している。

15. LLM推論での非決定性を解消する試み

LLMの推論処理における非決定性(同じ入力でも異なる出力が生成される現象)を解消する技術開発が進んでいる。
一貫した推論結果を得ることで、AIシステムの信頼性向上と予測可能な動作を実現することを目指す。

16. OpenAIがOracleと3000億ドル規模の契約

OpenAIがOracleと約5年間で3000億ドル(約44兆円)規模のクラウドコンピューティング契約を締結した。
AI業界史上最大級の取引で、Project Stargateの一環として大規模なデータセンター建設に投資される。

17. Cognitionが102億ドル評価額で資金調達

AIエージェント開発企業Cognitionが102億ドルの企業評価額で資金調達を実施した。
同社はプログラミング支援AIエージェント「Devin」などを開発しており、AIエージェント分野での競争激化を示す象徴的な調達となった。

18. アルバニアがAI大臣「Diella」を任命

アルバニア政府が世界初となるAI大臣「Diella」を任命した。
公共調達プロセスの効率化や政府業務のデジタル化を担当し、AI技術を活用した行政改革の推進役として期待されている。

19. Comscore調査~AIチャットボット利用動向(2025年3〜6月)

Comscore社が実施した調査により、2025年3月から6月期のAIチャットボット利用動向が明らかになった。
利用者数の増加傾向と共に、ビジネス用途での活用が拡大していることが判明し、AI導入の本格化を裏付ける結果となった。

20. 生成AI時代に問われる私たちの判断力

生成AI普及により「思考の空洞化」現象が指摘され、人間の判断力向上の重要性が議論されている。
AI依存による批判的思考力の低下を防ぎ、適切にAIを活用しながら人間独自の判断能力を維持することが課題となっている。

21. コロンビア大学がAIディベートツール「Sway」を試験導入

コロンビア大学がAIを活用したディベート支援ツール「Sway」の試験導入を開始した。
学生間の対立する議論を整理し、建設的な対話を促進することを目的とし、教育現場でのAI活用の新たな可能性を示している。

日本の教育において注目すべき技術は?

最も変化をもたらすのは、Claudeのファイル編集機能でしょう。
これによって教師が既存の教材テンプレートを保持しながら、内容のみを効率的に更新できるようになります。
例えば、定期テストの問題用紙を前年度のデザインを維持しながら新しい問題に差し替えたり、授業用スライドを単元ごとに瞬時に書き換えることが可能になります。

Google NotebookLMの教育活用も極めて有望です。
膨大な学習指導要領や教材研究資料をアップロードすることで、授業準備の効率が劇的に向上します。
音声要約機能により、通勤中に教材内容を復習したり、生徒向けの補習用音声コンテンツとしても活用できるでしょう。

Google検索のAIモードは、生徒の調べ学習において画期的な変化をもたらしそうです。
従来の断片的な検索結果ではなく、対話形式で深く探求できるため、主体的な学習姿勢の育成に寄与します。

さらにコロンビア大学のAIディベートツール「Sway」は、日本の道徳や総合的な探究の時間における議論活動の質向上に大きな可能性を秘めています。

これらの技術により、教師の業務負担軽減と個別最適化学習の両立が実現し、日本の教育現場における生産性向上と学習効果の最大化が期待されるでしょう。


ぜひこの記事を参考に、今後の教育現場での生成AI活用を検討してみてください!

参考: