注目AIニュース19選(8/11~8/17)~日本の教育現場で活用できるのは何か

最新の生成AIニュース(2025年8月11日~8月17日)を、YouTubeチャンネル「いけともch_旧リモ研」の池田朋弘氏が注目した19のキーワードで紹介します。

1. ChatGPTがGPT-5の選択肢拡大とGPT-4o再提供へ

ChatGPTがアップデートされ、GPT-5において「すぐに回答する」「しっかり考える」「よりしっかり考える」の3つの思考モードが選択可能となった。
また、ユーザーからの要望を受けてGPT-4oが再提供され、レガシーモデルとして利用できるようになった。

2. Geminiのパーソナライズ機能とプライバシーが強化

Geminiにパーソナルコンテクスト機能が追加され、過去の会話履歴を自動記憶して個人に最適化された回答を提供する。
同時にテンポラリーチャット機能も導入され、記憶させたくない会話は一時的なチャットとして利用可能で、プライバシー制御機能が大幅に強化された。

3. チャット履歴検索によるパーソナライズ機能がClaudeに新導入

Claudeに過去のチャット履歴を検索して参照する新機能が実装された。
ユーザーが過去の会話内容について質問すると、関連する履歴を検索して回答に活用する。データベースとして過去のチャットを活用する仕組みで、どの会話から情報を取得したかも明示される。

4. Claude Sonnet 4がAPIで100万トークン長文処理を実現

Claude Sonnet 4のAPIにおいて、処理可能なトークン数が従来の20万から100万に大幅拡張された。
これによりコーディングツールをはじめとする各種AIサービスの性能が向上し、大規模なコードベースや長文ドキュメントの処理が可能となった。

5. v0が「v0.app」に進化

Vercelが提供するUI制作ツールv0が正式版「v0.app」として進化した。
他のAIコーディングツールと比較して見た目のデザイン品質が圧倒的に高く、細かな編集機能も充実している。作成したデザインのエクスポート機能により、他のツールとの連携も可能である。

6. GensparkのAIスライド2.0で実務レベルが格段にアップ

GensparkのAIスライド機能がバージョン2.0にアップデートされ、テンプレートの豊富さ、ディープシンキングによる内容精度の向上、PowerPointエクスポート時の再現度大幅改善を実現した。
実務レベルで使用可能な高品質なプレゼンテーション資料の自動生成が可能となった。

7. Genspark AI developerでライブコーディングの新たな選択肢

GensparkにAI Developerという新機能が追加され、ウェブサイトやアプリケーションの開発が可能となった。
特徴として、複雑なフレームワークではなくシンプルなHTMLとCSSでの構築を行うため、初心者でも理解しやすく修正しやすい構成となっている点が挙げられる。

8. Kiroが新料金プランを導入し全ユーザーに特典を付与

Amazonが提供するスペック駆動開発ツールKiroが、無料お試し版から正式な有料プランへと移行した。
要件定義から設計書作成、タスク分解、実装、テストまでを体系的に行う本格的なライブコーディングツールとして、継続的な開発プロジェクトに適している。

9. Perplexityが動画生成機能を提供開始

AI検索サービスPerplexityに、Veo3モデルを使用した動画生成機能が追加された。
検索結果に基づいて高品質な動画コンテンツを自動生成可能で、情報収集から動画表現までをシームレスに実行できる。ただし利用回数は有料版でも月15回と制限がある。

10. アリババの無料動画生成AI「Kling1.2」の実力

アリババが開発したオープンソース動画生成AI「Kling1.2」が注目を集めている。
完全にローカル環境で動作し、商用利用も可能な高品質動画を生成できる。キャラクターの360度回転映像なども作成可能で、クラウドサービスに依存しない動画制作の選択肢となっている。

11. DeNAの人事業務におけるAI活用を公開

DeNAでは人事業務の多岐にわたってAIを活用している。
ストレッチ目標設定時の調整支援、360度評価のまとめ、組織サーベイの分析などに導入済みで、今後は評価プロセス全般や人材配置の最適化にも展開予定である。

12. NVIDIAが小規模AIモデルでAIエージェント効率化を提唱

NVIDIAが小規模言語モデル(SLM)を活用したAIエージェントの効率化手法を提案した。
大規模モデルではなく、特定タスクに特化した軽量モデルを使用することで、コスト削減と処理速度向上を両立できる。ファインチューニングによる性能最適化も容易である。

13. Googleが軽量モデル「Gemma 3 270M」を公開

Googleが2億7000万パラメータの軽量言語モデル「Gemma 3 270M」をリリースした。
小規模ながら高性能を実現し、エッジデバイスでの動作や特定用途向けのファインチューニングに適している。大規模モデルとの使い分けにより、効率的なAI活用が可能となる。

14. AIエージェント成功の鍵は「コンテキストエンジニアリング」

AIエージェントの性能向上において、プロンプトエンジニアリングを超えた「コンテキストエンジニアリング」が重要である。
使用可能ツール、会話履歴、長期記憶、社内データ、実行権限などの総合的な情報設計が、最適な回答生成の鍵となる上位概念として注目されている。

15. OS Agentsに関する最新研究を発表

WindowsやスマートフォンのOS全体を操作するAIエージェント「OSエージェント」に関する包括的研究論文が発表された。
コンポーネント、能力、基盤モデル、フレームワーク、評価課題などの体系的分類により、アイアンマンのジャービスのような汎用AIアシスタントの実現が近づいている。

16. サム・アルトマンがGPT-5リリース後のOpenAIを語る

OpenAIのサム・アルトマンCEOが技術記者との夕食会で今後の戦略を語った。
GPT-4廃止による反発を受け、今後は新モデル導入時に移行期間を設ける方針を表明。GPT-5のAPI利用が2日間で倍増し、GPU処理能力不足が課題となるほどの急成長を遂げている。

17. PerplexityがGoogle Chromeに345億ドルでの買収を提案

AI検索サービスのPerplexityが、GoogleのChromeブラウザ事業に対して345億ドルでの買収提案を行った。
独占禁止法違反でGoogleがChrome売却を迫られる可能性がある中で、AI検索分野での競争力強化を狙った戦略的な提案として注目されている。

18. Cohereが5億ドル調達で評価額は68億ドル

エンタープライズ向けAI企業Cohereが新たに5億ドルの資金調達を完了し、企業価値が68億ドルに達した。
企業向けAIソリューションへの需要拡大を背景に、OpenAIやAnthropic以外の有力AI企業として存在感を増している。

19. AI賠償責任保険の導入拡大~欧米企業で導入拡大の動き

AI技術の普及に伴い、欧米企業でAI賠償責任保険の導入が拡大している。
AIシステムの誤作動や判断ミスによる損害をカバーする専門保険商品が登場し、企業のAI導入におけるリスク管理体制の整備が進んでいる。AI活用の社会実装における重要なインフラとして注目される。

日本の教育分野への活用で注目する点は?

まず、ChatGPTとGemini、Claudeが相次いでパーソナライズ機能を強化した点は、個別最適化学習において革命的です。
過去の学習履歴を記憶し、一人ひとりの理解度や学習スタイルに合わせた指導が可能となるため、塾や家庭学習での効果的な復習システムが構築できるでしょう。

また、v0.appやGensparkのAIスライド2.0の進化は、プレゼンテーション教育や資料作成スキルの習得に大きな可能性を秘めています。
学生が自分の研究発表や課題発表用の高品質な資料を簡単に作成できるようになり、内容に集中した学習が実現できます。

さらに、注目すべきは「コンテキストエンジニアリング」の概念です。
これは学習指導において、単純な質問と回答ではなく、学習者の状況、目標、過去の学習内容を総合的に考慮した指導方法として応用できます。
AIを活用した個別指導塾や学習アプリの設計において、この考え方は必須となるでしょう。


ぜひこの記事を参考に、今後の教育現場での生成AI活用を検討してみてください!

参考: