高知発!今年から県内23校でAI活用~県教委の主導で公立中の生徒・教職員のべ3,000人が始めたAI学習支援サービスの可能性とは

学校現場で生成AIの活用が急速に進んできております

先日の記事で紹介した岡山県の事例に続き、高知県では今年6月から、県内23校の公立中学校で生徒2,623人と教職員364人を対象に「スタディポケット」を本格導入しました

注目すべきは、このシステムが単なる答え提供ツールではなく、生徒に直接答えを教えない「探究チャット」機能を搭載していることです

教師向けには校務支援テンプレートを数十種類用意し、働き方改革も同時に進めています

個別最適化された学習環境の実現により、生徒の「主体的に学習に取り組む態度」や「思考力・判断力・表現力」の育成を目指すこの取り組みは、全国の教育現場が注目する先進事例となっていくでしょう。

【記事の要約】
スタディポケット株式会社(東京都千代田区)は、高知県教育委員会が主導する「AI学習支援アプリ導入促進事業委託業務」により、県内23校の公立中学校で2025年6月から学校向け生成AIクラウド「スタディポケット」を導入した、と発表した
対象は生徒2,623人と教職員364人で、2025年6月より全校でサービス運用を開始している

本実証は、個に応じた学習支援を実現し、生徒の学習に関する不安や悩みの解消を図ることを目的としている
また、授業と授業外学習を切れ目なくつなぐシームレス化の促進や、「主体的に学習に取り組む態度」「思考力・判断力・表現力」の育成を狙いとしている

スタディポケットは教師向けの「for TEACHER」と生徒向けの「for STUDENT」の2種類を展開。
生徒向けには直接答えを教えない「探究チャット」や学習テンプレート、教師向けには校務支援テンプレートを数十種類プリセットしており、カスタマイズや校内共有も可能である
(2025年7月29日 PR TIMESより)

今後の学校教育への活用と可能性は?

この取り組みは、先日の岡山県の事例と同様に、日本の学校教育にとって重要な先進事例となるでしょう。

最も注目すべき点は、生成AIが単純な問題解決ツールではなく、生徒の思考力を育成する探究型学習支援として設計されていることです
「探究チャット」機能により、直接的な答えを提示せず、生徒自身が考え抜く過程を重視している点は、従来の暗記中心教育からの脱却を示しています

教職員の働き方改革の観点からも可能性を秘めています。
校務支援テンプレートの活用により、教師の事務負担が軽減され、本来の教育活動により多くの時間を割くことができるようになります
これは深刻化する教職員の多忙化問題への解決策として期待されます。

将来的には、このモデルが全国の学校に展開されることで、個別最適化された学習環境の実現が可能になるでしょう。

生成AIによる24時間対応の学習支援により、学習格差の解消や、一人ひとりの学習ペースに応じた教育の提供が実現できます。
また、校内でのテンプレート共有機能により、教育ノウハウの蓄積と継承も効率化されると考えられます