
学校教育現場でのAI活用が新たなステージに入っているようです。
岡山県教育委員会は今年6月から県内3校の公立中学校で、学校向け生成AIクラウド「スタディポケット」の正式運用を開始しました。
生徒697人と教職員87人が対象となるこの取り組みは、単なるデジタル化ではありません。
生徒には答えを直接教えずに思考を促す「探究チャット」機能を提供し、教職員には校務効率化のためのテンプレートを数十種類搭載。
学校と家庭の学びを連動させることで、生徒の情報活用能力と自己調整力の向上を目指す実証事業として、全国の教育現場が注目する先進的な取り組みとなっています。
【記事の要約】
スタディポケット株式会社(東京都千代田区)は、岡山県教育委員会の実証事業として、県内3校の公立中学校(真庭市立勝山中学校、早島町立早島中学校、奈義町立奈義中学校)で生徒697人と教職員87人を対象に、学校向け生成AIクラウド「スタディポケット」を導入し、2025年6月から運用を開始している。
このサービスは教職員向けと生徒向けの2種類を展開し、生徒版では直接答えを教えない「探究チャット」機能を搭載している。
教職員版には校務支援のテンプレートを数十種類プリセットし、カスタマイズも可能である。
実証の目的は、生成AIを活用して生徒の対話的学習を促進し、学校と家庭の学びを連動させることで、情報活用能力と自己調整力の向上を図ることである。
(出典元:2025年7月28日 PR TIMES、同29日 こどもとITより)
今後の学校教育への活用と将来性は?
この県教委が主導する事例は、学校教育におけるAI導入の先進的モデルとして注目されます。
特に「探究チャット」機能は、単純な答えの提供ではなく思考プロセスを重視する設計となっており、生徒の主体的学習を促進する効果が期待されます。
将来的には、個別最適化された学習支援が実現する可能性があります。
生徒一人ひとりの学習進度や理解度に応じてAIが適切な支援を提供し、教師はより創造的で人間的な教育活動に集中できるようになるでしょう。
また、校務支援テンプレートの活用により、教職員の業務効率化が進み、結果として生徒との向き合う時間を増やすことができます。
この取り組みは、デジタル格差の解消や教育の質的向上にも寄与し、今後の全国の学校教育現場でのAI活用のスタンダードモデルとなる可能性を秘めています。