小学生向けAI教育が現実へ~「Yahoo!きっず」がAIでゲーム制作を学べる新サービス開始

プログラミング教育の次のステップとして注目される生成AI教育が、ついに小学校現場でも実現可能になってきました。

LINEヤフー社が運営する「Yahoo!きっず」が、小学3年生から6年生を対象とした「AIでゲームつくりエイター」の提供を開始

従来のコーディングとは異なり、自然言語でのプロンプト設計を通じて、子どもたちが直感的にゲーム制作を体験できる画期的なサービスです

保護者の約6割が子どもの生成AI活用に期待を寄せる中、学校教育現場での新たなデジタル・リテラシー教育の可能性が見えてくるのでしょうか。

【記事の要約】
LINEヤフー株式会社(東京都千代田区)が運営する子ども向けポータルサイト「Yahoo!きっず」は、生成AIを活用してオリジナルゲームを作成できる「AIでゲームつくりエイター」の提供を開始した
本サービスは小学校3年生から6年生を対象とし、5種類のサンプルゲーム(もぐらたたきゲーム、しんけいすいじゃく、マルバツゲームなど)を通じて、生成AIの基礎となるプロンプトの書き方や設計方法を学習できる内容となっている

サービス開発の背景には、LINEヤフーが実施した保護者1,000人を対象とした意識調査がある
調査結果によると、約6割の保護者が子どもの生成AI活用に肯定的である一方、「子どもが誤情報を信じてしまうことへの不安」「子どもの思考力や創造力の低下」「親自身が正しい使い方や教え方がわからない」といった課題も浮き彫りになった

本サービスの特徴として、まずサンプルゲームでプロンプトの仕組みを学び、その後プロンプトを自由に改良してゲームをカスタマイズできる点が挙げられる
さらに「はてなのたまご」機能では、一からプロンプトを設計して完全オリジナルのゲーム作成も可能。
安全性への配慮として、1日あたりのゲームプレイを最大10回に制限し、深夜帯の利用をブロックする機能も搭載している
(出典元:2025年7月11日 PR TIMES、同14日 こどもとITより)

学校教育への活用と可能性は?

このサービスは、学校教育におけるプログラミング教育情報リテラシー教育の新たな可能性を示しているでしょう。

従来のプログラミング教育では、コードの記述が大きな障壁となっていましたが、自然言語によるプロンプト設計を通じて、より直感的にプログラミング的思考を育成できます

特に注目すべきは、創造性と論理的思考の融合です
子どもたちは自分のアイデアを言語化し、それをAIに適切に伝える過程で、問題解決能力と表現力を同時に向上させることができます
これは従来の教科の枠を超えた横断的な学習効果をもたらします。

将来的には、このようなAI活用教育が個別最適化学習の基盤となる可能性があります。生成AIを活用することで、各児童の興味や理解度に応じたカスタマイズされた学習コンテンツの作成が可能になり、より効果的な教育環境の構築が期待されます

また、デジタル・シティズンシップ教育の観点からも重要です
適切な利用制限機能や安全性への配慮を通じて、子どもたちが責任を持ってAI技術と向き合う姿勢を育成できます
これは、AI時代を生きる次世代にとって不可欠なスキルとなるでしょう。