青山学院大がAI図書探索サービス導入!学校現場の調べ学習の情報検索が変わる?

学校現場で「調べ学習」に取り組む生徒たちが直面する大きな課題をご存知でしょうか。

適切なキーワードが分からず、必要な資料にたどり着けない…そんな悩みを解決する画期的なシステムが誕生しました。

青山学院大学が今年7月1日から運用を開始した「Fujitsu AI探索サービス」は、日常的な言葉や文章を入力するだけで、AIが関連性の高い図書を瞬時に提示します。

従来のキーワード検索とは全く異なるこの技術は、特に初学者の学びを支援し、探究学習の質を大きく向上させる可能性を秘めています。

大学図書館での導入は全国初となるこの取り組みが、今後の学校教育現場にどのような変革をもたらすのでしょうか。

【記事の要約】
青山学院大学と富士通Japan株式会社は、AIを活用した図書探索サービス「Fujitsu AI探索サービス」を2025年7月1日より運用開始した。
大学図書館における本サービスの導入は全国初だという。

両者は2019年より「近未来の図書館と新しい学び」研究プロジェクトとして共同研究を行い、2023年にAIを活用した蔵書探索技術を共同開発した。
このサービスは従来のキーワード一致型検索システムとは異なり、学習や研究のテーマ、シラバスなどを日常的な言葉や文章で入力するだけで、AIが内容を解釈し、関連性の高い図書を提示する。

本システムの特徴は、明確なキーワードが分からない場合でも、探したい図書に近い言葉を入力することで、AIが関連する図書を瞬時に提示すること。
さらに、結果から関心のある図書を選択すると、AIがさらに関連する図書を提示するため、容易に読みたい図書にたどり着くことができる。
これにより学びの入り口を広げ、特に初学者の学びを支援する効果が期待される。

従来の蔵書検索システム(AURORA-OPAC)で適切な図書が見つからない場合に、AI探索サービスへ誘導することで、学生の学びや探究心を途切れさせることなく、多様な図書との出会いを提供する仕組みとなっている。
青山学院大学は本サービスの導入により学生の主体的な学びを支援し、図書館の利用促進を図る方針だ。
(出典元:2025年7月1日 PR TIMES、同7日 こどもとITより)

今後の学校教育への活用と可能性は?

このAI図書探索サービスは、学校教育の情報リテラシー教育に変化をもたらす可能性があります。

従来の図書館利用指導では、適切なキーワードの選定や検索技術の習得が課題でしたが、本システムにより初学者でも直感的に関連資料を発見できるようになります。

特に探究学習や課題研究において、生徒が漠然とした興味関心から具体的な研究テーマへと発展させる過程で、AIが関連図書を段階的に提示することで、学習の深化を支援できます。
これは主体的・対話的で深い学びの実現に直結する技術です。

将来的には、学校図書館や公共図書館への展開により、地域全体の学習環境が向上することが期待されるでしょう。
また、デジタルネイティブ世代の学習スタイルに適応した新しい情報探索手法として、生涯学習社会の基盤技術となる可能性があります。
さらに、AIが学習者の興味関心を分析し、個別最適化された学習リソースを提供することで、一人ひとりの学びの質を向上させる教育DXの実現が期待されます。