注目AIニュース19選(6/23~6/29)~日本の教育現場で活用できるのは何か

最新の生成AIニュース(2025年6月23日~6月29日)を、YouTubeチャンネル「いけともch_旧リモ研」の池田朋弘氏が注目した19のキーワードで紹介します。

1. Claude Desktop Extensions登場でMCPサーバー導入が簡単に

AnthropicがClaude Desktop上で、ワンクリックでMCPサーバーをインストールできる「Desktop Extensions」を発表した。
これまで複雑だったMCPサーバーの導入が劇的に簡素化され、AIエージェントが様々なツールを使用する際のハードルが大幅に下がった。

2. ClaudeのArtifactsで誰でもAIアプリ開発者に

ClaudeのArtifacts機能が拡張され、AIを組み込んだインタラクティブなアプリケーションを直接作成・共有できるようになった。
ユーザーは自分のAPI使用量で動作するため、開発者は費用負担なしでAI搭載アプリを配布できる革新的な仕組みである。

3. ChatGPT検索コネクタがディープリサーチ以外でも利用可能に

OpenAIがChatGPTの検索コネクタ機能を拡張し、Google DriveやDropboxなどのクラウドストレージと連携できるようになった。
これまでディープリサーチ限定だった機能が通常のチャットでも使用可能となり、企業の内部データ活用が促進される。

4. Google開発者向けAIエージェント「Gemini CLI」を公開

GoogleがターミナルからGemini 2.5 Proの機能を直接利用できるオープンソースAIエージェント「Gemini CLI」を発表した。
開発者はコマンドライン上でAIの支援を受けながら、コーディングやデバッグを効率的に行えるようになる。

5. Google軽量マルチモーダルAI「Gemma 3n」を公開

Googleがモバイルデバイス向けの軽量AIモデル「Gemma 3n」を発表した。
スマートフォン上で直接動作し、テキスト・画像・音声・動画を処理できるマルチモーダル機能を備えながら、従来モデルより1.5倍高速な応答を実現している。

6. ElevenLabs感情豊かな音声生成「Voice Design v3」リリース

ElevenLabsが音声生成技術「Voice Design v3」をリリースし、プロンプトから多様な感情表現を含む自然な音声を生成できるようになった。
70ヶ国語以上に対応し、キャラクターに応じた声のデザインが簡単に作成可能である。

7. HeyGen製品写真を使ったUGC広告生成機能を公開

HeyGenが製品写真と人物写真を組み合わせて、商品紹介動画を自動生成する新機能を発表した。
企業は簡単に高品質なUGC(ユーザー生成コンテンツ)スタイルの広告動画を制作できるようになり、マーケティング効率が大幅に向上する。

8. Napkin.ai Custom Generationで図解パターン増加

Napkin.aiがCustom Generation機能を追加し、ユーザーが独自の図解スタイルやテンプレートを作成できるようになった。
従来の自動生成に加えて、企業ブランドに合わせたカスタマイズされた図解パターンの生成が可能となり、視覚的コンテンツ制作の幅が大幅に拡大した。

9. Google SheetsにGemini AIセル内生成機能を追加

GoogleがGoogle SheetsにGemini AIを統合し、セル内で直接AI生成機能を使用できるようになった。
数式やデータ分析、テキスト生成をスプレッドシート上で瞬時に実行でき、従来の表計算作業が革新的に効率化される画期的なアップデートである。

10. YouTube AI検索カルーセルの提供と会話型AI拡大

YouTubeがAI検索カルーセル機能を導入し、検索結果をより直感的に表示できるようになった。
さらに会話型AIによる動画検索機能も拡張され、ユーザーは自然言語で複雑な検索クエリを実行し、より精密な動画発見が可能となった。

11. スニフアウトRAG Ready Converter(β)でRAG精度向上

株式会社スニフアウトがRAGシステムの精度を劇的に向上させる「RAG Ready Converter(β)」を公開した。
文書の前処理段階でAIが最適化を行い、検索精度と回答品質を大幅に改善する技術で、企業のAI導入における重要な課題を解決する。

12. Gemini Robotics On-Device最先端VLAモデルを発表

Googleがロボットデバイス内で直接動作する視覚言語行動モデル「Gemini Robotics On-Device」を発表した。
クラウド接続なしでリアルタイムに環境を理解し行動を決定できるため、産業用ロボットや自律移動ロボットの実用性が飛躍的に向上する。

13. Claude日本語版の今秋リリース発表とAnthropic東京拠点設立へ

AnthropicがClaude日本語版を今秋にリリースすることを発表し、同時に東京に新拠点を設立する計画を明らかにした。
日本市場への本格参入により、日本語特有のニュアンスに対応した高品質なAIサービスの提供が期待される重要な展開である。

14. PwC生成AI活用調査で成果が出る企業の違いが判明

PwCが実施した生成AI活用調査により、成果を上げる企業と停滞する企業の明確な違いが明らかになった。
成功企業は戦略的な導入計画と組織全体での取り組みを重視しており、単発的な導入ではなく体系的なアプローチが重要であることが判明した。

15. AI導入に必要な「4つのE」フレームワークを提唱

AI導入を成功させるための「4つのE」フレームワークが提唱された。
Education(教育)、Execution(実行)、Ethics(倫理)、Evaluation(評価)の4要素を体系的に整備することで、企業のAI導入成功率が大幅に向上することが示された。

16. LinkedInのCEOがAIキャリア破壊リスクを警告

世界最大級のビジネス特化型SNSであるLinkedInのCEOが「AI技術の急速な発展により、従来のキャリアパスが破壊される可能性がある」と警告した。
特に定型業務に依存する職種では大きな変化が予想されるため、継続的なスキルアップデートと適応力が今後のキャリア形成において不可欠である。

17. コグニザントCEO「AIは新卒雇用をむしろ増やす」見解示す

世界有数の情報・通信システム業のコグニザントCEOが、AI導入により新卒採用が減少するという懸念に対し、「実際にはAI関連業務の増加により新卒雇用が拡大する」との見解を示した。
AI時代に適応した人材育成と新しい職種の創出により、雇用機会はむしろ増加すると予測している。

18. AI Agent Manager(AAM)が開発現場の重要な新役割に

開発現場でAI Agent Manager(AAM)という新しい職種の重要性が高まっている。
複数のAIエージェントを統括し、プロジェクト全体の効率化を図る専門職で、AIツールの選定から運用管理まで幅広い知識が求められる次世代の重要なポジションである。

19. 九段理江×AI共作の小説『影の雨』プロンプト全文公開

作家の九段理江氏がAIとの共作小説『影の雨』で使用したプロンプトの全文を公開した。
創作プロセスの透明化により、AI時代の文学創作における新しい手法と可能性が示され、クリエイティブ分野でのAI活用の具体的な指針が提供された。

日本の教育現場で特に注目したいAI技術は?

特に注目すべきは、Google SheetsのGemini AI機能軽量マルチモーダルAI「Gemma 3n」でしょう。

Google SheetsにAI機能が統合されることで、教師は成績管理や学習データの分析を効率化できます。
セル内で直接AI生成機能を使用し、学習進捗の可視化や個別指導計画の作成が簡単になります。

また、スマートフォンで動作するGemma 3nは、塾や家庭学習での活用可能性が高いでしょう1。オフライン環境でも動作するため、通信環境に左右されず、個人情報を外部に送信することなく学習支援が可能です。

他にも、ElevenLabsの音声生成技術は教育分野で革新をもたらします。
外国語学習において、ネイティブスピーカーの音声を簡単に生成でき、発音練習や聞き取り訓練の質を向上させることができます。

さらに、ClaudeのArtifacts機能により、教師でも簡単にインタラクティブな学習アプリを作成できるようになります。
プログラミング知識がなくても、生徒の理解度に応じたカスタマイズされた学習ツールの開発が可能となるため、個別最適化された教育の実現に大きく貢献するでしょう。


ぜひこの記事を参考に、今後の教育現場での生成AI活用を検討してみてください!

参考: