
最新の生成AIニュース(2025年6月9日~6月15日)を、YouTubeチャンネル「いけともch_旧リモ研」の池田朋弘氏が注目した29のキーワードで紹介します。
1. OpenAIが推論モデル「o3-pro」を公開
OpenAIが最新の推論モデル「o3-pro」をChatGPTのチームプランとプロプラン向けにリリースした。
このモデルは複雑な数学、物理、コーディングなどの高難度タスクで高精度を発揮するが、処理時間が23分程度かかる特徴がある。
2. GPTsでAIモデル自由選択機能が追加
ChatGPTのGPTs機能において、ついにAIモデルを自由に選択できる機能が追加された。
これまでGPTsでは最新モデルが使用できなかったが、今回のアップデートにより高性能なo3モデルなども設定可能となり、カスタムGPTsの実用性が大幅に向上した。
3. ChatGPT「Advanced Voice」音声がより自然に
ChatGPTのAdvanced Voiceモードが大幅にアップデートされ、より自然で滑らかな会話音声を実現した。
笑い声のバリエーションや感情表現が豊富になり、リアルタイムでの音声対話体験が格段に向上している。
4. DriveにPDF要約カードが追加
GoogleドライブにPDF要約機能が新たに追加され、PDFファイルを開くと右側にGeminiが自動で内容要約を表示する。
数秒で要約が完成し、さらにGeminiとの対話を通じて詳細な質問や分析も可能となっている。
5. Microsoft 365 Copilotに高機能エージェント追加
Microsoft 365 Copilotに「リサーチャー」と「アナリスト」という2つの高度なエージェント機能が正式に追加された。
アナリストはCSVデータの詳細分析を、リサーチャーは深度のあるリサーチ調査を自動実行し、業務効率化を大幅に向上させる。
6. 新たな汎用型AIエージェントSkywork登場
AIワークスペースエージェント「Skywork」が登場し、スライド、シート、ドキュメント、ウェブページ、ポッドキャストの5つのコンテンツタイプを作成可能である。
競合サービスの1/4のコストで高品質なリサーチと制作を実現し、情報源の確認も容易である。
7. Veo3に高速版「Fast」追加
GoogleのVeo3動画生成サービスに高速版「Fast」が追加され、従来版の100クレジットから20クレジットに大幅コスト削減を実現した。
品質は通常版とほぼ同等でありながら、月額プランでの動画制作本数が大幅に増加し、実用性が向上している。
8. ロレアルがAIマーケ戦略を強化
化粧品大手のロレアルがAIを活用したマーケティング戦略を本格展開している。
顧客の肌質や好みを分析し、パーソナライズされた商品推薦やカスタマイズ化粧品の提案を実現。AI技術により従来のマス広告から個別最適化されたマーケティングへと転換を図っている。
9. 東京シティ競馬が生成AIで幻想CM
東京シティ競馬が生成AIを駆使して制作した幻想的なCMが話題となっている。
従来の実写撮影では困難な映像表現をAIで実現し、競馬の魅力を新たな視覚体験として表現。制作コストの大幅削減と同時に、クリエイティブな表現の可能性を広げている。
10. 故人再現AIサービスが急拡大
亡くなった人の声や姿をAIで再現するサービスが急速に普及している。
遺族が故人との会話を疑似体験できるサービスや、故人の音声でメッセージを残すサービスなどが登場。技術の進歩により精度が向上し、グリーフケアの新たな選択肢として注目されている。
11. AI insideがDevin導入で開発力倍増
AI insideがAIエンジニア「Devin」を導入し、開発生産性が2倍に向上したと発表した。
Devinは自律的にコードを書き、テストを実行し、バグを修正する能力を持つ。人間エンジニアとの協働により、従来の開発プロセスを大幅に効率化している。
12. デジタル庁が生成AI実証で成果
デジタル庁が実施した生成AI活用実証実験で顕著な成果を上げている。
行政文書の作成時間短縮や市民からの問い合わせ対応の自動化などを実現。公共サービスの効率化とコスト削減を両立し、他の行政機関への横展開も検討されている。
13. 元MongoDB技術者が単独でAIアプリ制作
元MongoDB技術者が単独でAIアプリケーションを開発し、短期間で大きな成功を収めている。
クラウドサービスとAI技術を組み合わせることで、従来は大規模チームが必要だった開発を一人で実現。個人開発者の可能性を示す事例として注目されている。
14. AppleがOSにAI機能を統合発表
AppleがmacOSとiOSに包括的なAI機能を統合すると発表した。
Siriの大幅強化、システム全体での自動化機能、アプリ間連携の向上などを実現。プライバシーを重視したオンデバイス処理を中心とし、ユーザー体験の根本的な変革を目指している。
15. 検索で音声概要「Audio Overviews」試験開始
Googleが検索結果を音声で要約する「Audio Overviews」機能の試験運用を開始した。
検索クエリに対してAIが自動生成した音声概要を提供し、ユーザーは文字を読まずに情報を取得できる。移動中や作業中でも効率的な情報収集が可能となる新機能である。
16. Amazon AdsがAIで動画広告5分生成
Amazon AdsがAI技術を活用し、わずか5分で高品質な動画広告を自動生成するサービスを開始した。
商品画像とテキストを入力するだけで、ターゲット層に最適化された動画コンテンツを作成。中小企業でも本格的な動画マーケティングが手軽に実現可能となっている。
17. MetaがAI短編動画編集機能を公開
MetaがInstagramとFacebookにAI搭載の短編動画編集機能を公開した。
素材動画をアップロードするだけで、AIが自動的にカット編集、BGM選択、エフェクト追加を実行。クリエイターの制作時間を大幅短縮し、より多くのユーザーが高品質な動画投稿を可能にしている。
18. Browser Co.がAIブラウザ「Dia」β公開
Browser Co.が開発したAI統合ブラウザ「Dia」のベータ版が公開された。
ウェブ閲覧中にリアルタイムでAIアシスタントが情報補完や要約を提供し、タスク自動化機能も搭載。従来のブラウザ体験を根本的に変革する次世代インターフェースとして注目されている。
19. GensparkがAIブラウザ&秘書発表~業界アンバサダー開始
GensparkがAIブラウザと秘書機能を統合した新サービスを発表し、業界アンバサダープログラムを開始した。
ブラウジング、スケジュール管理、メール対応を一元化し、個人の生産性を大幅向上させる。早期アクセスユーザーからの高評価を受けて正式リリースが期待されている。
20. アクセンチュアがAIエージェントでDX拡大
アクセンチュアがAIエージェント技術を活用したデジタルトランスフォーメーション支援サービスを拡大している。
企業の業務プロセス自動化から戦略立案まで幅広く対応し、従来のコンサルティングにAIの力を融合。クライアント企業の競争力強化を加速させている。
21. ガーディアンエージェントがAIリスク対策の要
AIシステムの安全性を監視する「ガーディアンエージェント」が企業のAIリスク対策の中核として注目されている。
AIの判断プロセスを常時監視し、異常な動作や偏見を検出して自動修正。AI導入企業にとって必須のセキュリティインフラとして普及が進んでいる。
22. AIエージェントが機械向けWebを革新
AIエージェントが人間向けではなく機械向けのWebインターフェースを活用する新たなトレンドが加速している。
従来のHTML/CSSに代わり、APIベースの効率的なデータ交換が主流となり、AIエージェント同士の自動連携が可能となる。Web構造の根本的変革が進行中である。
23. OpenAIがChatGPTで年収100億ドル突破
OpenAIがChatGPTサービスにより年間収益100億ドルを突破したと発表した。
企業向けAPI利用とサブスクリプション収益が急成長し、AI業界における圧倒的な地位を確立。この収益規模は従来のソフトウェア企業の成長速度を大幅に上回る歴史的な成果である。
24. MetaがScaleAIへ巨額投資で超汎用AI加速
MetaがAIデータプラットフォームのScaleAIに対して巨額投資を実行し、超汎用AI開発を加速させている。
高品質な学習データの確保と処理能力向上により、次世代AIモデルの性能向上を目指す。AI開発競争における戦略的パートナーシップとして業界から注目されている。
25. Altmanが新エッセイ「Gentle Singularity」公開
OpenAIのサム・アルトマンCEOが新エッセイ「Gentle Singularity(穏やかな特異点)」を公開した。
AIの急速な発展が社会に与える影響を分析し、破壊的変化ではなく段階的な適応の重要性を論じている。AI業界のリーダーによる未来予測として広く議論されている。
26. AI人員削減によるCEOの本音と建前
企業におけるAI導入に伴う人員削減について、CEO層の本音と建前の乖離が明らかになっている。
公式には「人材の再配置」と発表しながら、実際は大幅なコスト削減を目的とするケースが多い。AI時代の雇用問題として社会的な議論が活発化している。
27. Disney&UniversalがMidjourneyを著作権提訴
ディズニーとユニバーサルスタジオがAI画像生成サービスMidjourneyに対して著作権侵害で提訴した。
両社のキャラクターや映像作品が無断で学習データに使用されたと主張している。AI生成コンテンツの著作権問題を巡る重要な法的判例となる可能性が高い。
28. WalmartがAI小売改革レポート2025を発表
ウォルマートがAI活用による小売業革新の成果をまとめた「AI小売改革レポート2025」を発表した。
在庫管理の自動化、需要予測の精度向上、顧客体験のパーソナライゼーションにより売上と効率性を大幅改善。小売業界のAI導入モデルケースとして注目されている。
29. スタンフォード教授「AI時代7習慣」を提案
スタンフォード大学の研究者がAI時代に必要な「7つの習慣」を提案した。
批判的思考力、継続学習、人間らしさの維持、AI協働スキルなどを重視し、技術変化に適応するための行動指針を示している。教育機関や企業研修での活用が期待されている。
日本の教育現場で特に注目したいAI技術は?
特に注目すべきは、GoogleドライブのPDF要約機能とMicrosoft 365 Copilotの高機能エージェントです。
PDF要約機能は、教材や参考書の内容を数秒で要約し、さらにAIとの対話を通じて詳細な質問や分析が可能です。
これにより、教師は膨大な教材研究時間を大幅に短縮でき、生徒は予習・復習の効率を飛躍的に向上させることができます。
また、Copilotの「リサーチャー」と「アナリスト」機能は、教育データの分析や深度のあるリサーチ調査を自動実行します。
塾では生徒の成績データ分析による個別指導計画の策定や、入試傾向の詳細分析などに活用できるでしょう。
さらに、ChatGPTのGPTsでAIモデル自由選択が可能になったことで、各教科に特化したカスタムGPTsの実用性が大幅に向上しました。
数学の高難度問題にはo3モデル、日常的な質問対応には軽量モデルといった使い分けが可能となり、教育現場でのAI活用がより柔軟かつ効果的になります。
これらの技術革新により、個別最適化された学習環境の構築と、教師の業務効率化が同時に実現できる時代が到来しているのです。
ぜひこの記事を参考に、今後の教育現場での生成AI活用を検討してみてください!
参考: