注目AIニュース34選(6/2~6/8)~日本の教育現場で何を活用できるか

最新の生成AIニュース(2025年6月2日~6月8日)を、YouTubeチャンネル「いけともch_旧リモ研」の池田朋弘氏が注目した34のキーワードで紹介します。

1. ChatGPT新コネクタβで社内データアクセス拡大

ChatGPTに新しいコネクタ機能が追加され、Gmail、Googleドライブ、カレンダーなどの社内データに直接アクセスできるようになった。
最大の特徴は、これらのデータをディープリサーチ機能で活用できる点。過去の登壇資料や社内文書を自動検索し、根拠付きで情報を整理してくれるため、企業の膨大な蓄積データを効率的に活用することが可能となった。

2. 音声から知識を構造化する新機能ChatGPT Record

MacのデスクトップアプリにChatGPT Recordという音声録音機能が実装された。
ボタンを押すだけでその場の音声を保存し、終了後に自動的に議事録として構造化してくれる。NotionのAI機能に類似した機能であり、会議や打ち合わせの内容を効率的にテキスト化できる。ただし現在はMacOS限定の機能となっている。

3. Gemini 2.5 Proアップグレードのプレビュー版を発表

Googleが新しいGemini 2.5 Proのアップデート版(バージョン0605)を発表した。LMアリーナのランキングでも上位に位置し、従来版よりもさらに高性能になった。
IQテストなどの評価指標でも、ChatGPT-4oやClaude 3.5 Sonnetと肩を並べる性能を示している。実際の業務利用においても、より精度の高い回答を提供できるようになった。

4. GeminiのプレビューでGemini活用機能を簡単追加

Geminiのプレビュー機能が大幅に強化され、HTMLページ作成時にその場でプレビュー表示できるようになった。
さらに画期的なのは、作成したページに「Gemini機能を追加」ボタンが実装され、AIを活用した動的な機能を自動的に組み込める点である。例えばキャッチコピー生成やPythonコード生成などの機能が、ページ上で実際に動作する形で追加される。

5. GeminiアプリにScheduled Actions機能追加

Geminiアプリに時間指定でタスクを実行する「Scheduled Actions」機能が追加された。
毎朝カレンダーを確認して要約を作成したり、定期的にブログ記事を生成するなど、ルーティンワークを自動化できる。Google Workspaceとの連携により、メールやカレンダーなどの社内データにもアクセス可能で、ChatGPTの類似機能よりも幅広い活用が期待される。

6. NotebookLMのリンク共有でノートブック一般公開が可能に

NotebookLMに待望の共有機能が実装され、作成したノートブックを誰でもアクセス可能な形で公開できるようになった。
チャットのみ、またはノートブック全体の共有が選択でき、編集者として追加すれば相手も編集可能である。特定の情報に基づいたRAGチャットを簡単に作成・共有できるため、社内外を問わず強力なナレッジ共有ツールとして活用できる。

7. PerplexityがGmail・カレンダー検索に対応

PerplexityにGmailとGoogleカレンダーの検索機能が追加された。エンタープライズプランでは、これらのデータを検索対象としてディープリサーチが実行できる。
直近2週間のスケジュール分析など、個人の行動パターンや業務状況を自動的に分析・要約してくれる。ChatGPTと同様に、社内データ活用の範囲が大幅に拡張された形となっている。

8. MapifyがUI刷新とAI機能強化で大幅アップグレード

マインドマップ作成ツールMapifyが大幅なアップデートを実施し、UIが完全に刷新された。新機能として、作成したマインドマップから自動的にプレゼンテーション資料を生成する機能が追加。
さらにAI機能が強化され、テキストや画像から直接マインドマップを作成できるようになった。従来よりも直感的で使いやすいインターフェースとなり、思考整理からプレゼン作成まで一貫して行える。

9. ハイクオリティなスライド生成Manus Slide

新しいAIスライド生成ツールManus Slideが登場した。従来のスライド生成ツールと比較して、デザイン性とコンテンツの質が大幅に向上している。
テキストプロンプトから高品質なプレゼンテーション資料を自動生成し、ビジネス用途にも十分対応できるクオリティを実現。レイアウトやフォント選択も自動最適化され、プロフェッショナルな仕上がりのスライドを短時間で作成可能である。

10. Sunoが最大12パートのSTEM分離とBPM変更機能を搭載

AI音楽生成ツールSunoに高度な音楽編集機能が追加された。生成した楽曲を最大12の楽器パートに分離できるSTEM分離機能と、楽曲のテンポを自由に変更できるBPM調整機能が実装。
これにより、ボーカル、ドラム、ベース、ギターなどを個別に編集・調整することが可能となった。音楽制作の自由度が飛躍的に向上し、プロレベルの楽曲編集が実現できるようになった。

11. Sunoに最大8分の音源からカバー生成の新機能追加

Sunoに既存楽曲のカバーバージョンを生成する新機能が追加された。最大8分間の音源をアップロードすることで、異なるジャンルやスタイルでのカバー楽曲を自動生成できる。
オリジナル楽曲の雰囲気を保ちながら、ジャズ、ロック、クラシックなど様々なアレンジバージョンを作成可能。音楽制作の幅が大きく広がり、リミックスやアレンジ作業の効率化が図れる革新的な機能である。

12. Heygenの新機能に画像→動画のAvator Ⅳ

AI動画生成プラットフォームHeygenが新機能「Avatar Ⅳ」をリリースした。静止画像から自然な動きのある動画を生成する機能が大幅に強化され、より高品質なアバター動画の作成が可能となった。
表情の変化や口の動きがより自然になり、実際の人物に近いリアルな動画生成を実現している。マーケティング動画や教育コンテンツ制作において、コスト効率の良いソリューションとして注目されている。

13. Eleven LabsがEleven v3を発表

音声合成技術のリーディングカンパニーEleven Labsが最新版「Eleven v3」を発表した。従来版と比較して音声品質が大幅に向上し、より自然で人間らしい音声合成が可能となった。
感情表現の幅も拡張され、喜怒哀楽を含む多様な感情を音声に反映できる。多言語対応も強化され、日本語を含む各国語での高品質な音声生成が実現。ポッドキャストやオーディオブック制作での活用が期待される。

14. OpenAI Sora搭載の無料AI動画生成ツール

MicrosoftがOpenAIのSora技術を搭載した無料動画生成ツール「Bing Video Creator」を発表した。テキストプロンプトから高品質な動画を無料で生成できる画期的なサービスである。
Soraの高度な動画生成能力を一般ユーザーが手軽に利用できるようになった。従来の有料動画生成ツールと同等以上の品質を無料で提供することで、動画制作の民主化が大きく進展すると予想される。

15. Cursor 1.0がAIエージェントによる開発支援を強化

AI統合開発環境Cursorがバージョン1.0にアップデートされ、AIエージェント機能が大幅に強化された。従来のコード補完機能に加えて、プロジェクト全体の設計から実装まで一貫してサポートする機能が追加。
複雑な要件定義書からの自動コード生成や、既存コードのリファクタリング提案など、開発者の生産性を飛躍的に向上させる機能が実装されている。プログラミング初心者でも高品質なアプリケーション開発が可能となった。

16. 天秤AI by GMOが最新AIモデル7種を追加しUIを刷新

GMOが提供する天秤AIプラットフォームに最新のAIモデル7種類が追加され、ユーザーインターフェースも完全に刷新された。
Claude 3.5 Sonnet、GPT-4o、Gemini 2.5 Proなど主要なAIモデルを統一プラットフォームで比較・利用できる。新UIでは各モデルの特性や得意分野が分かりやすく表示され、用途に応じた最適なモデル選択が可能である。企業のAI活用における選択肢が大幅に拡大した。

17. SalesforceのAIエージェント利用効果が明らかに

SalesforceのAIエージェント「Agentforce for Sales」の導入効果が明らかになった。営業プロセスの自動化により、リード管理から商談進行まで一貫したサポートを提供している。
顧客データの分析から最適な提案内容の生成、フォローアップのタイミング提案まで、営業活動全般をAIが支援する。導入企業では営業効率が大幅に向上し、成約率の改善も報告されている。営業DXの新たなスタンダードとして注目されている。

18. 米金融大手がAIエージェントを1人の社員として導入加速

アメリカの大手金融機関において、AIエージェントを正式な社員として位置づける動きが加速。顧客対応、リスク分析、投資判断支援など、従来人間が担っていた業務をAIエージェントが代替している。
24時間365日稼働可能な特性を活かし、グローバルな金融取引に対応。人事制度上もAIエージェントに社員番号を付与し、業績評価の対象とする企業も現れている。金融業界のAI活用が新たな段階に入った。

19. 博報堂DYHDが細田AIで半年4000時間を削減

博報堂DYホールディングスが独自開発した「細田AI」により、半年間で約4000時間の業務時間削減を達成。広告制作プロセスの自動化、クリエイティブ案の生成、媒体選定の最適化など、広告業界特有の業務をAIが支援している。
特にデータ分析や企画書作成の効率化効果が顕著で、クリエイターがより創造的な業務に集中できる環境を実現した。広告業界におけるAI活用の成功事例として注目されている。

20. エクサウィザーズが新サービスを発表

AI企業エクサウィザーズが「バディエージェント」をはじめとする新サービス群を発表した。個人の業務スタイルに合わせてカスタマイズされるAIアシスタント機能を提供し、日常業務の効率化を支援する。
スケジュール管理、メール対応、資料作成など、オフィスワーク全般をサポートする。学習機能により使用者の癖や好みを理解し、より精度の高い支援を提供。個人向けAIアシスタント市場の新たな選択肢として期待されている。

21. Cursorで議事録を要件定義書に高速変換するワークフロー実践

開発現場においてCursorを活用した効率的なワークフローが実証された。会議の議事録を入力するだけで、システム開発に必要な要件定義書を自動生成する手法が確立された。
従来は数日を要していた要件定義書作成が数時間に短縮され、開発プロジェクトの初期段階を大幅に効率化できる。技術仕様の抜け漏れチェックや整合性確認もAIが自動実行し、品質向上も同時に実現。開発現場のDX推進事例として注目されている。

22. 生成AI活用で年間7.5万時間の業務削減

マーケットエンタープライズが生成AI導入により年間7万5千時間の業務時間削減を達成した。主に顧客対応、データ入力、レポート作成業務の自動化が効果を発揮している。
特にカスタマーサポートでは定型的な問い合わせ対応をAIが担当し、人間のオペレーターはより複雑な案件に集中できるようになった。業務効率化により従業員の働き方改革も実現し、企業全体の生産性向上に大きく貢献している。

23. Perplexity AIをGalaxy S26にプリインストール

Samsungが次期フラッグシップモデル「Galaxy S26」にPerplexity AIをプリインストールすることを発表した。スマートフォンの標準機能として高度なAI検索機能が利用できるようになる。
音声での質問から複雑な調査まで、デバイス上で直接実行可能である。GoogleアシスタントやBixbyと並ぶ第三のAIアシスタントとして位置づけられ、ユーザーの情報検索体験が大幅に向上する。スマートフォンのAI機能競争が新たな段階に入った。

24. AnysphereがCursorの急成長で評価額99億ドル到達

AI開発ツールCursorを開発するAnyspherの企業評価額が99億ドル(約1兆5千億円)に達した。開発者向けAIツール市場の急成長を背景に、短期間で驚異的な評価額上昇を記録している。
Cursorの月間アクティブユーザー数は100万人を突破し、プログラミング効率化のデファクトスタンダードとしての地位を確立。AI開発支援ツール分野における最有力企業として、今後の成長がさらに期待されている。

25. AI進化で注目集まるヒト型ロボットの25年調達額23億ドル

2025年のヒューマノイドロボット分野への投資額が23億ドルに達する見込みとなった。AI技術の進歩により、より自然な動作と高度な判断能力を持つロボットの実用化が加速。
製造業、物流、介護分野での活用が本格化し、人手不足解決の切り札として期待されている。Tesla、Boston Dynamics、Hondaなど主要企業が競って開発を進めており、ロボット産業の転換点を迎えている。

26. Amazonがヒューマノイドロボットによる配送実証実験を開始

Amazonがヒューマノイドロボットを活用した配送サービスの実証実験を開始した。倉庫内での商品ピッキングから最終配送まで、人型ロボットが一貫して担当する新しい物流システムを構築している。
階段昇降や狭い通路での作業など、従来の配送ロボットでは困難だった環境での作業が可能となった。将来的には人間の配送員と協働する形での本格運用を目指している。物流業界の自動化が新たな段階に進展している。

27. OpenAIがプライバシー保護への懸念を表明

OpenAIが規制当局からChatGPTの会話ログを無期限保存するよう命じられ、プライバシー保護への懸念を表明した。
ユーザーの会話データが永続的に保存されることで、個人情報の取り扱いに関する新たな課題が浮上。OpenAIは透明性レポートの公開やデータ削除オプションの拡充を検討している。AI企業のデータ管理責任と利用者のプライバシー権のバランスが重要な議論となっている。

28. Anthropic CEOがAIによるホワイトカラー職の大量失業を警告

Anthropic社のCEOがAI技術の進歩により、ホワイトカラー職種で大規模な雇用喪失が発生する可能性を警告した。特に事務処理、データ分析、コンテンツ作成などの知識労働分野で、AIによる代替が急速に進むと予測している。
一方で新たな職種の創出や人間とAIの協働による生産性向上の可能性も指摘している。社会全体でのリスキリングや教育制度の見直しが急務であると強調している。

29. 生成AI利用で多くのタスク生産性が3倍(90分→30分)に

最新の調査により、生成AI活用によって多くの業務タスクで生産性が3倍に向上することが明らかになった。従来90分を要していた作業が30分で完了するケースが多数報告されている。
特に文書作成、データ分析、コンテンツ制作分野での効果が顕著。ただし効果的な活用にはプロンプト設計スキルや適切なツール選択が重要であり、単純な導入だけでは十分な効果が得られない場合もある。組織的な教育体制の構築が成功の鍵となっている。

30. AI活用で怠け者?職場評価への懸念が生産性向上の障壁に

AI活用による生産性向上が期待される一方で、職場での評価に対する懸念が新たな課題として浮上している。AI支援を受けた成果物が個人の能力として正当に評価されるか不安視する声が多い。
特に年配の管理職層では「AIに頼る=怠惰」という認識が根強く、積極的なAI活用を躊躇する要因となっている。企業側には評価制度の見直しや、AI活用スキル自体を評価対象とする新たな人事制度の構築が求められている。

31. 日本の大手企業で生成AI自社開発の高ROI達成は2割未満

日本の大手企業における生成AI自社開発プロジェクトで、高いROI(投資収益率)を達成できているのは2割未満であることが判明した。
多くの企業が技術的な実装に注力する一方で、明確な業務課題の特定や効果測定が不十分。成功企業の共通点は、小規模なパイロットプロジェクトから始めて段階的に拡大していること。技術導入よりも組織変革や業務プロセス見直しが重要であることが明らかになっている。

32. 生成AIで商品・サービスを検索&比較する新たな行動拡大

消費者の購買行動において、生成AIを活用した商品・サービス検索が急速に普及している。従来の検索エンジンやECサイトでの比較に加えて、AIチャットボットに相談しながら最適な選択肢を見つける行動パターンが定着している。
特に複雑な条件での絞り込みや、専門知識が必要な商品選択において威力を発揮している。企業側もAI検索に最適化したマーケティング戦略の構築が急務となっており、SEOに代わる新たな集客手法として注目されている。

33. 小中学生のAI利用実態でChatGPT経験者は小学生50.7%

小中学生のAI利用実態調査により、小学生の50.7%がChatGPTを使用した経験があることが明らかになった。主な利用目的は宿題の手伝い、質問への回答、創作活動の支援である。
一方で適切な使用方法や情報リテラシー教育が不十分な現状も浮き彫りになった。教育現場では禁止よりも正しい活用方法を教える方向性が主流となっている。デジタルネイティブ世代のAI活用能力向上が、将来の競争力に直結する重要な要素となっている。

34. AI技術進歩による社会変革の加速と課題の顕在化

2025年上半期のAI業界動向を総括すると、技術進歩のスピードが予想を上回るペースで加速している。企業の生産性向上、新サービスの創出、個人の働き方改革など、様々な分野でAIの恩恵が実感されている。
一方でプライバシー保護、雇用への影響、教育制度の見直しなど、社会制度の適応が追いつかない課題も顕在化。技術革新と社会受容のバランスを取りながら、持続可能なAI社会の構築が重要な局面を迎えている。

日本の教育現場で特に注目したいAI技術は?

まず、ChatGPT Record機能は教育現場の議事録作成を革命的に効率化します。
職員会議や研修内容を音声で記録し、自動的に構造化された議事録として生成できるため、教師の事務作業負担を大幅に軽減できます。

NotebookLMの共有機能は、塾や学校での教材共有に画期的な変化をもたらします。
特定の教科書や参考資料に基づいたAIチャットボットを作成し、生徒や保護者と簡単に共有できるようになりました。
これにより、24時間いつでも質問対応が可能な学習支援システムを構築できます。

Mapifyの進化も教育分野で大きな可能性を秘めています。
授業内容や学習計画をマインドマップ化し、そこから自動的にプレゼンテーション資料を生成する機能は、教師の授業準備時間を大幅に短縮します。

さらに注目すべきは、小学生の50.7%がChatGPTを使用している現実です。
これは教育現場でのAI活用指導が急務であることを示しており、適切な使用方法や情報リテラシー教育の重要性が高まっています。
禁止ではなく正しい活用方法を教える方向性が、将来の競争力向上に直結する重要な要素となるでしょう。


ぜひこの記事を参考に、今後の教育現場での生成AI活用を検討してみてください!

参考: