ベトナム発!AI・起業家精神教育を地方私大の全学生に導入で未来の教育モデル例へ

テクノロジーの急速な発展により、AIが私たちの生活や仕事のあらゆる側面に浸透しつつある現代…教育機関はこの変化にどう対応すべきか。

ベトナムのドゥイタン大学(ダナン市)が打ち出した革新的な教育改革が、世界の教育関係者から注目を集めています。

同大学は全学生に対してAIと起業家精神を必修科目として導入し、専門分野を問わず次世代のデジタル社会を生き抜くスキルを育成するプログラムを開始しました。

この取り組みは、日本を含む世界各国の教育機関にとって貴重な参考事例となりそうです。

【記事の要約】
ドゥイタン大学は、全学生に対してAIと起業家精神を教育する新たな取り組みを開始した。
この計画では、既存のコースにAIや起業家精神に関するスキルと知識を段階的に統合し、学生が将来の労働市場で十分な準備を持って参加できるようにすることを目指している。

具体的には、必須のAI単位3単位を含め、専攻に応じて1単位から最大3単位までの専門AI単位を追加する制度を導入した。
必須の3単位は、「生活と学業における基本的なAIスキル(1単位)」「業界別のAIスキルと知識(1単位)」「専攻に必要なAI能力(1単位)」の内容で構成される。

大学1年目の最初の単位では、AIの中核概念、開発の歴史、潜在的な応用について学ぶ。
また、AIを活用した科学的研究の実施、学習教材の要約、レポートやプロジェクトの設計と発表などの実践的スキルも習得する。
ChatGPT、Grok、Notion AIなどの人気AIツールも講義に取り入れられる。

2つ目の単位では、各業界の特性に合わせたトレーニングが提供される。
例えば、テクノロジー系学生は自動プログラミングやインテリジェントデータシステムの設計を、経済・経営系学生は市場データ分析や消費者動向予測を、人文科学系学生は自然言語分析や創造的コンテンツ作成を学ぶ。

最終単位では、専攻分野へのAIの直接応用に重点を置く高度な内容が提供される。
この実践的アプローチにより、学生は将来のキャリアで創造的価値を生み出す方法を習得できる。
(出典元:2025年5月17日 Vietnam.vnより)

今後の学校教育への示唆と可能性は?

ドゥイタン大学の取り組みは、日本の学校教育にも多くの示唆を与えています。
AIと起業家精神を全学生の必須科目として位置づける包括的アプローチは、今後のデジタル社会を生き抜く人材育成において重要なモデルケースとなります。

特に注目すべきは、AIを単なる技術科目としてではなく、各専門分野と統合して教育している点です。
これにより学生は自分の専門知識とAIを組み合わせた創造的な問題解決能力を身につけることができます。
日本の教育機関でも、専門分野の垣根を越えたAI教育の導入が求められるでしょう。

また、サムスンやアリババなど国際企業との連携によるラボ設置や実践的なトレーニングプログラムの提供は、産学連携の新たな形を示しています。
日本においても、テクノロジー企業と教育機関の協力関係を強化し、最新のAI技術に触れる機会を学生に提供することが重要です。

将来的には、このようなAI教育モデルが初等・中等教育にも応用され、年齢に応じた段階的なAIリテラシー教育が実現する可能性があります。
AIと共存する社会において、技術を理解し活用できる人材を育成する教育システムの構築が、これからの教育改革の鍵となるでしょう。