
「AIリテラシーの普及はまだスタート地点」ーー。
一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施するG検定(ジェネラリスト検定)の累計合格者が10万人を突破しました。
2017年の創設以来、幅広い世代・業種に広がるAIリテラシー教育の成果が実を結び、今や日本社会のAI活用を支える基盤となっています。
20代から50代以上まで、IT業界だけでなく金融・保険業界など多様な分野で合格者が増加する中、この流れは学校教育にも新たな可能性をもたらしています。
【記事の要約】
一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施する「G検定(ジェネラリスト検定)」は、2025年3月開催の試験をもって累計合格者が10万人を突破した。
G検定は2017年に創設され、AIおよびディープラーニングの基礎知識を持ち、社会や事業でAIを適切に活用できる人材を育成することを目的としている。
初回は受験者1,448名、合格者823名からスタートし、2020年に合格者3万人を突破。
その後も新シラバス対応や開催回数の増加などで受験者が増え続け、2025年春に10万人の大台に到達した。
受験者の特徴としては、20代が最も多く全体の3〜4割を占めるが、30代・40代の中堅層や50代以上の合格者も増加している。
業種では情報処理・ソフトウェア業が多いが、近年は金融・保険・不動産業の受験者も増加傾向にあり、職種も情報システムや研究開発だけでなく、営業、販売、総務、経理、人事など多岐にわたる。
G検定は技術者だけでなく、幅広い職種・世代のAIリテラシー向上を支える社会基盤となっている。
また、G検定・E資格合格者のコミュニティ「CDLE」は日本最大級のAIコミュニティとして、知識と技術の共有や社会実装の促進、産学公連携イベント、出張授業、教育ツール開発、自治体や教育機関向けのAI研修など多彩な活動を展開している。
JDLA理事長の東大・松尾豊氏は「AIリテラシーの普及はまだスタート地点であり、今後はAIを単なる技術としてではなく、人間の知能を理解・拡張し、社会を変革する技術として深く理解し活用していくことが重要」と語っている。G検定はその第一歩であり、今後も多くの人がAIを学び、活用する社会を目指すというビジョンが示されている。
(出典元:2025年4月30日 PR TIMESより)
学校教育への将来の可能性は?
G検定の累計合格者が10万人を突破したことは、AIリテラシーの重要性が社会全体に浸透しつつある証拠ではないでしょうか。
今後の学校教育においても、G検定で求められるAIやディープラーニングの基礎知識を早期から学ぶ機会を設けることが重要になります。
すでにCDLEメンバーによる出張授業や教育ツールの開発が進んでおり、こうした取り組みを全国の小中高・大学に広げることで、子どもから大人まで幅広い世代がAIを身近に感じ、主体的に学べる環境が整います。
また、G検定合格者の多様な職種・年齢層の広がりは、AIが特定分野だけでなく、あらゆる分野で活用される時代の到来を示しています。
学校現場でも、理数系だけでなく文系科目や総合学習など、横断的なAI教育の導入が期待されます。
さらに、CDLEのようなコミュニティ活動や産学連携イベントを教育現場に取り入れることで、実社会と連動した学びやキャリア形成の機会が増えます。
将来的には、AIリテラシーが基礎教養となり、すべての生徒が自らの興味や進路に応じてAIを活用できる社会が実現するでしょう。