高専初のAI専門教室を石川高専が設置!産学連携で未来の人材育成に挑む

デジタル技術が社会のあらゆる領域に浸透する現代、教育現場でもAI人材育成が急務となっています。

そんな中、石川工業高等専門学校(石川県河北郡津幡町)が画期的な一歩を踏み出しました。

高等専門学校では国内初となるAI学習専門教室「AI Career Tech Center」の設置です。

内田洋行とインテルとの連携により実現したこの施設は、アジア太平洋・日本地域においても初のAI教育センターとなり、次世代の技術者育成と地域課題解決の拠点として注目を集めています。

それでは、柔軟な教室設計と最新鋭の機材を備え、理論と実践を融合させた新しい学びの形を提供する同センターの取り組みを詳しく見ていきましょう。

【記事の要約】
石川工業高等専門学校は、AI教育を通じた高等教育の先進化と地域課題解決への貢献を目指し、「AI Career Tech Center」を設置した。
このセンターは高等専門学校における国内初のAI学習専門教室であり、インテルにとってはアジア太平洋・日本地域における初のAI教育センターとなる。

内田洋行は高性能PCの選定・導入からネットワーク・教室環境の整備までを総合的にサポートし、既存教室を最大限に活用した学びの空間を創出した。
インテルは「AI for Future Workforceプログラム」やAI教育に適した機材・ツールの提案を通じて理論と実践を融合させた学びを支援している。

センターの特徴として、アイディアを引き出す柔軟な教室空間設計がある。
連結した教室でチームでのプログラム構築や進捗共有が可能であり、個人作業時には2画面併用も可能だ。
また、高負荷なAI解析や3Dモデリングに対応可能な高性能ノートPC50台を導入し、高専ならではの先端的かつ実践的な授業に対応している。

教育内容としては、AIリテラシーからプログラミング演習、ノーコード開発やPythonによる実装まで多彩な授業を実践できる環境を整備した。
また、学科の枠を越えて学生同士が協働し、地域企業や自治体と連携しながら地域課題にAIを活用するPBL(課題解決型学習)を展開している。
これにより学生は技術力だけでなく、課題設定力・発想力・プレゼンテーション力など、社会実装につながる実践的なスキルを総合的に身につけていく。
(出典元:2025年4月18日 PR TIMES、こどもとITより)

今後の学校教育への可能性は?

石川高専の「AI Career Tech Center」の取り組みは、今後の学校教育に多くの示唆を与えています。
まず、AIリテラシーを全学年の基礎科目として位置づけ、体系的に学習する仕組みは、これからのデジタル社会を生きる学生にとって不可欠な教育モデルといえます。

特に注目すべきは、理論と実践の融合アプローチです。
教室空間の柔軟な設計により、個人作業とチーム協働の両方に対応できる環境を整え、学生の自発的な学びを促進しています。
このような学習環境デザインは、他の教育機関でも応用可能でしょう。

また、地域企業や自治体と連携したPBLの展開は、学校教育と社会をつなぐ重要な架け橋となっています。
学生が実際の地域課題に取り組むことで、技術力だけでなく社会実装に必要な総合的スキルを身につけられる点は、将来の教育モデルとして大きな可能性を秘めています。

今後は、このような先進的な取り組みが他の教育機関にも広がり、産学官連携による実践的AI人材育成の好循環が生まれることが期待されます。
教育のDX化が進む中、石川高専の事例は技術革新と教育改革を両立させる優れたモデルケースといえるでしょう。