
1人1台端末の整備が9割を超え、生成AIの活用意識がわずか1年で劇的に変化した高校現場…。
旺文社が全国547校を対象に実施した最新調査から、日本の高等学校におけるICT環境の成熟と、教員たちがAIと向き合う姿勢の大転換が明らかになりました。
10年間の推移データが物語るのは、「使えない」から「使いこなす」へのシフトだけではありません。
端末費用の負担構造、ネットワーク品質、教員のスキル格差など、現場が抱える不変の課題と新たな挑戦が浮き彫りになっています。
記事の要約
教育出版の株式会社旺文社(東京都新宿区)が実施した全国547校の高等学校を対象とするICT・AI活用実態調査(2026年度版)では、10年間の推移とともに激変した教育環境が明らかになった。
生徒用ICT端末の1人1台配備率は95.1%に達し、無線ネットワーク環境を整備する学校は85.4%を超えた。
端末費用負担は学校から家庭へ、機種選択は指定から自由へと構造変化が進んでいる。
生成AIの活用においては、昨年度調査と比較して「まあまあ活用できている」が大幅増となり、わずか1年で意識が激変した。
教員は生成AIの誤りを前提に利用範囲を明確化し、利便性を享受する方向へシフトしている。
一方で、教員の活用スキル向上や生徒の情報モラル教育、ネットワークの通信品質確保など、10年間不変の課題も残されている。
(出典元:2026年2月13日 PR TIMES・株式会社旺文社より)
学校教育への示唆と将来の可能性は?
この調査結果から、日本の高等学校におけるICT環境は量的整備から質的活用の段階へ移行していることが読み取れます。
10年前には約半数の学校が「活用できていない」と感じていましたが、現在では8割以上が「活用できている」と回答しており、ICTは特別な道具から不可欠なインフラへと位置づけが変化しました。
今後の学校教育では、この基盤を活用して「情報」や「探究」などの授業、さらには課外活動にまでICTを浸透させることで、生徒の主体的・対話的で深い学びを実現できる可能性があります。
生成AIとの共存スキルの育成
特筆すべきは生成AIの活用意識が1年間で劇的に変化した点です。
授業や生徒指導、学校運営、保護者対応など、あらゆる場面で「まあまあ活用できている」層が増加し、教員は生成AIの限界を理解しながら適切に活用する方法を模索しています。
これは生徒にとっても重要な学習機会となります。
AIが生成する情報の真偽を見極め、適切に利用する能力は、将来の社会で必須のリテラシーとなるでしょう。
学校現場で教員がAIと共存する姿を見せることで、生徒は批判的思考力や情報モラルを実践的に学ぶことができます。
持続可能な教育ICT環境の構築に向けて
一方で、教員の活用スキル向上という10年間不変の課題は、単なる技術研修だけでは解決しません。
生成AIの活用においても「プロンプト作成スキルが高くない教員の補助でかえって時間がかかる」という声があり、校内での相互支援体制の構築が求められます。
また、端末の機種が多様化することで管理が煩雑になり、充電切れや故障への対応が課題となっている現状は、経済的合理性と教育現場の実効性のバランスを考える必要性を示しています。
今後は、ICT支援員の配置拡充や教員同士のナレッジ共有プラットフォームの整備、さらには持続可能な端末更新計画の策定など、長期的視点での環境整備が学校教育の未来を左右するでしょう。
情報元はこちらからご覧ください。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000341.000055026.html
