10月25日にYahooニュースに掲載された「建築「学科」→「学部」まだまだ続く格上げ 女子4割増の大学も…理由は?」という記事を基に、学習塾での潜在的な課題や対策を考察します。大学受験生を指導する先生や、教育に関わる先生方への参考情報としてお役立てください。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6217ad18bde8dbadd0f0abd14a4ef8530c052bb0?page=1
建築「学科」→「学部」まだまだ続く格上げ 女子4割増の大学も…理由は?
出典: Yahooニュース, 2023年10月25日
ニュースの概要
過去、大学における建築の学びは工学系の学部内の建築学科が主流でしたが、最近10年間で建築学部として独立する大学が増えてきました。日本で最初に建築学部を設置したのは、2011年の工学院大学と近畿大学で、この動きは全国の大学に広がっています。建築学は、単に工学だけでなく、都市設計、デザイン、建築史、不動産のマネジメントなど、多岐にわたる学問としての性格を持っています。近畿大学の建築学部では、学生は専攻を選ばずに入学し、学びながら自分の興味や将来の道を段階的に選択していきます。3年次からは4つの専攻から選ぶことができ、それぞれの専攻は特定の分野の深化を目指しています。特に注目すべきは、住宅建築と企画マネジメントの専攻で、これらは従来の建築学科とは異なるアプローチを取っています。近畿大学では、資格取得の勉強も在学中から始めることができ、特に一級建築士の資格は卒業後の試験受験のサポートも行っています。建築学部の学びは多様で、それゆえに卒業後の就職先も多岐にわたります。近畿大学では、学部の変更に伴い女子学生の数が増加しており、キャンパスが活性化していると言われています。阿波野学部長は、建築に興味を持つ全ての学生に、この学部での学びを通じて将来を築いてほしいと期待しています。
建築学の深遠な広がり
建築学と言えば、まず多くの人が建物の設計を思い浮かべるでしょう。しかし、この学問は単に建築物をデザインするだけではなく、都市設計、デザイン、建築史、さらには不動産のマネジメントまで、多岐にわたる内容を内包しています。ここで、生徒や保護者の皆様に、この建築学の多様性に目を向けていただくことで、生徒の興味や適性に合った進路の提案が可能となることを考えてみます。
建築学の広がりは、それぞれの生徒の潜在的な興味や能力を引き出す大きな鍵となります。例えば、歴史や文化に関心を持つ生徒には、建築史を学ぶことで、過去の名作や都市の変遷を理解する楽しみが広がります。また、社会の動きや経済に敏感な生徒は、不動産のマネジメントや都市設計を深めることで、より実践的な学びへと繋がるでしょう。
大学選びの新しい流れ
進学する大学によっては、入学後に専攻を選択する制度を採用しているところが増加の一途を辿っています。近畿大学は、その制度を実践的に採り入れている代表的な例です。この制度の真骨頂は、入学時に未だ明確な夢や目標が描けていない生徒にも、大学生活の中での経験や学びを通じて、自らの方向性を見つける余地を提供することにあります。
こうした柔軟性は、学びの場における「自由」とも言えます。現代の生徒たちは、情報化社会の中で多様な価値観や興味を持つようになっています。彼らにとって、専攻選択の自由は、自らの興味や才能を最大限に伸ばす機会として非常に魅力的に映るでしょう。また、この制度は、生徒自身がアクティブに学びを追求することの重要性を強く意識させ、将来の自分を設計する力を養う可能性が高まります。その結果、大学生活は単なる「過ごす場」ではなく、「自らを磨く場」としての役割を果たすようになるでしょう。
女子学生の台頭
近年、建築学界で学生の多様性が増してきています。かつてこの分野では男性が多くを占めていましたが、近年では女子学生が増加しており、その結果として設計や都市計画にも多様性が生まれてきました。建築や都市設計は、今や単に機能的な側面だけでなく、地域の文化や住民のライフスタイル、さらには環境への配慮など多岐にわたる要素が組み込まれています。その中で、様々な背景を持つ学生たちの視点が重要となってきており、これが新しいイノベーションを生む要因ともなっています。
このような多様性の増加を塾のカリキュラムや進学指導に適切に取り入れるためには、まず学生たちが持つ多様な視点や経験を認識し、それを授業の中心とする新しい指導法の導入を検討することが求められます。具体的には、学生たちが日常生活や趣味、家族の背景などから持ち込む独自の視点や経験を、授業のディスカッションやプロジェクトのテーマとして取り上げ、他の学生と共有させることで、多様性を学問の中で具現化する方法を模索する必要があります。また、その結果として生まれる新しいアイディアや視点をどのようにして社会に還元し、実際の問題解決や新しい価値の創出に繋げるかという実践的なアプローチも併せて考慮することが重要です。