日本国内初となる「AI大学講師」サービスの提供が千葉工業大学(伊藤穰一・学長)で開始されました。AI大学講師は、単なるAIチャットボットではありません。学生との対話を通じて思考プロセスの言語化を促し、自らの考えを整理・表現する力の育成を目指しています。「なぜそのように考えたのか」「別の視点からはどう捉えられるか」という問いかけにより、学生は自分の思考を体系的に整理し、表現する機会を得ることができます。
この実装には、生成AIの大規模言語モデルChatGPTと受講生ひとりひとりの学習履歴データベースを掛け合わせています。これによって、従来の教育現場では実現困難だった「思考プロセスの可視化」と「個別最適化された対話型指導」を可能にするものです。さらに、本サービスの最大の特徴は、学生の全学習プロセスを「Verifiable Credential(検証可能なデジタル証明書、以下VC)」として記録・蓄積する点にあります。このVCと連携したAIが、一人ひとりの学習履歴を深く理解した上で、個別最適化された指導を提供します。
この試みは、機能する大学教育を生成AIによって実現しようとするもので、さらには機能する大学を目指すものと捉えることができるでしょう。今回のJMOOCワークショップでは、千葉工業大学と共同開発した株式会社DOUの石部達也・代表取締役にご登壇いただき、AI大学講師の全貌と大学へのインパクトについてお話をお伺いします。