これからの学校教育と道徳教育はどうなる?どうする?:次期学習指導要領改訂を見据えて――『道徳科「内容項目」を問い直す! 道徳授業づくりハンドブック』刊行記念 イベント

本書の意図は,2018年に小学校で,2019年に中学校で始まった「特別の教科道徳(道徳科)」で扱う指導内容(内容項目)の学術的基盤を明確にすること,つまり,道徳で扱う「自律」や「思いやり」などの内容にはどういった学術的背景があるのかを明らかにすることです。また,そのことを通じて,「答えが一つではない道徳的な課題」に子どもたちが向き合えるような授業をつくるための羅針盤を学校の先生方に提供することです。「答えが一つではない道徳的な課題」といっても,「何でもあり」というわけではありません。たとえば「親切」であれば,カント倫理学や儒教などの知見を踏まえると,「相手を助ける親切と見守る親切はなぜ対立するのか?」を理解することが可能になるのです。