塾の評判を守る!不当な口コミへの法的対処

塾経営者にとって最悪の事態は、生徒や保護者から、根拠のない不当な口コミ評価を付けられ、塾の評判が地に落ちてしまうことです。こうした事態になれば、新規生徒の獲得が滞り経営が傾くおそれもあります。そこで注目なのが、不当な口コミに対して法的措置を取った最近の裁判例です。眼科医院が院長に恨みを持った患者から書かれた虚偽の一方的な投稿に対し、裁判所が削除と賠償金の支払いを命じたのです。この判例から、不当口コミへの有効な対処法が明らかになりました。今回は法的請求のみならず、良い評価を集める具体的方法も合わせてご紹介します。塾の経営リスクから身を守る、実践的なテクニックを身に付けましょう。

参考記事:「NHK NEWSWEB」, 2024年5月31日
URL:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240531/k10014467581000.html

不当な口コミに立ち向かう!塾の評判を守る法的根拠

眼科医院の裁判例から見えた評判保護の軌跡

2024年5月、兵庫県の眼科医院が不当な口コミに対して賠償を求めた裁判で、院長側の主張が全面的に認められる判決が下りました。院長は、グーグルマップの「口コミ」に「勝手に一重まぶたにされた」など事実と異なる内容が投稿されたため、プロバイダへの情報開示を求め、投稿者を特定。その上で損害賠償を求めた訴えを起こしたのです。

この裁判において、大阪地裁は「書き込みの内容は、医師が患者の承諾なく勝手な医療行為をしたという誤解を与え、医院の社会的評価を低下させた」として、投稿者に対し記事の削除と200万円の支払いを命じました。医院側代理人は「不当投稿への司法判断が遅れている」と指摘していますが、評判への配慮が伺えるまさに画期的な判決と言えるでしょう。

塾経営者が参考にできる判例のポイント

判例の中で、不当な口コミ投稿に対する損害賠償の根拠が明らかになっています。事実無根の内容で、企業の社会的評価を低下させれば、それは口コミの自由を逸脱した違法行為となり、投稿者に法的責任が発生するというのがポイントです。つまり事実に基づかない中傷や誹謗は、損害賠償の対象となり得ると確認されたわけです。塾経営においても、生徒や保護者から事実無根の誹謗中傷を受けた場合、この判例を根拠に法的請求を行うことができそうです。

ただし、有力な証拠の確保が鍵となります。まずはプロバイダーへの情報開示を求め、投稿者の特定に努める必要があります。そして投稿内容が事実と異なることを明確に示せるエビデンスを準備し、被害の実態や金額的損失を算出しておく必要があります。事前の備えが大切なのです。

加えて、判例では不当投稿の発覚からの対応に時間がかかり過ぎたと指摘されています。迅速な法的手続きを行うことで、損害を最小限に食い止められると考えられます。こうした点を押さえて、万が一の際に適切に対処できるよう備えておくことが重要です。

経営に直結する評判問題に、塾経営者こそ真剣に取り組む必要があります。今回の判例は、不当な口コミへの有力な武器となり得るでしょう。生徒や保護者との信頼関係を損なわぬよう、迅速かつ慎重な対応が求められます。

良い評価を増やす!口コミ対策の極意

生徒・保護者の満足度を高める秘訣

不当な口コミに法的に対処するのは最終手段です。本来あるべき姿は、生徒や保護者から良い評価をたくさん得ることです。満足度を高めることが口コミ対策の要といえるでしょう。 そのためには第一に、質の高い教育サービスを提供し続けることが不可欠です。豊富な指導実績と高い識見を持つ講師陣の確保、分かりやすい授業づくり、細かな生徒フォローなど、常に誠実な姿勢で取り組むことが大切です。

加えて、経営者自らが保護者の立場に立って考え、行き届いたサポート体制を整備することも重要です。定期的な個別面談や、学習相談/家庭学習サポートなど、幅広いフォローで保護者の不安を解消し、信頼関係を深めましょう。

良い評価を適切に収集・活用する術

口コミサイトなどで積極的に良い評価を募ると共に、頂いた評価をSNSなどで情報発信し続けることで、新規生徒獲得に大きく役立ちます。ただし営業活動の一環と受け取られないよう、偏りのない中立的な発信を心がける必要があります。

また、面談などで塾に来てくれた保護者に対し、アンケートやレビューの依頼をするのも有効な手段です。お礼を伝えると共に、満足度向上につながる貴重な意見も収集できます。頂いたレビューは、公式サイトなどで開示することで、信頼性と透明性を実現できます。

このように、良い評価を増やす施策と、不当な口コミ対策を二本立てで実践することが、塾の評判を守る最善の方法といえるでしょう。

まとめ

塾の評判が落ちれば、生徒確保が難しくなり経営に直結する深刻な問題となります。そこで今回は、不当な口コミへの法的対処と、良い評価を増やす具体策を解説しました。

今回の裁判では、事実無根の誹謗中傷により企業の評判が傷つけられた場合、執筆者に法的責任が発生すると明確に判示されました。気まぐれな口コミによって不当に評判を落とされないよう、この判例を塾業界に広く周知する必要があるでしょう。

一方で、お客様満足度を高め、良い評価を増やすことが何より重要です。教育の質、保護者サポートなどサービス向上に尽力し、SNSやHPでの情報発信、アンケート収集なども積極的に行いましょう。

評判は塾経営者にとって命綱です。不当な口コミへの法的対処と、良い評価を意識した日々の営業活動の両輪で、塾の評判を守り抜きましょう。