
学校現場で「勉強が苦手な生徒」と向き合う教員の皆さんへ…その生徒たちは本当に能力が不足しているのでしょうか。
コクヨが実施した最新調査で、中高生の76%が「自分に合った勉強法を見つけられていない」という衝撃的な実態が明らかになりました。
さらに親世代との学習観のギャップや、文具が持つモチベーション効果への認識差など、従来の画一的な指導方法では対応しきれない課題が浮き彫りになっています。
この調査結果は、個別最適化された学習指導の必要性を強く示唆しており、学校教育の在り方を見直す重要な契機となりそうです。
【記事の要約】
コクヨ株式会社(大阪府大阪市)が実施した中高生500名とその親500名を対象とした『まなびかた』に関する調査で、深刻な学習課題が明らかになった。
中高生の76.0%が「自分に合った勉強法を模索中・見つけられていない」と回答し、親の47.2%も「わが子に合った学習方法が分からない」と答えた。
さらに約半数の親子が勉強法について十分な話し合いができておらず、中高生の62.0%が「親にすすめられた勉強法は合わない」と感じている。
親世代の暗記中心・個人学習型の方法と現代の学生のニーズとの間にギャップが存在することが浮き彫りになった。
また、文具のモチベーション効果について、親は30.6%しか認識していないのに対し、中高生の54.0%が効果を実感している。
一方で、親子ともに約8割が適切な学習法があれば勉強に前向きになれると回答しており、「やり方を知らないだけ」という可能性を示唆している。
■調査概要(コクヨ調べ)
・調査対象:
①中学・高校生(500名)
②中学・高校生の子どもを持つ親(500名)
・調査エリア:全国
・調査期間:2025年8月18日(月)〜8月22日(金)
・調査方法:インターネット調査
(出典元:2025年9月11日 PR TIMES・コクヨ株式会社、同12日 こどもとITより)
今後の学校教育への活用と可能性は?
この調査結果は、現代の学校教育が直面する重要な課題と今後の方向性を示しています。
まず、個別最適化された学習指導の必要性が明確になりました。
従来の一律的な指導から脱却し、生徒一人ひとりの学習スタイルや特性に合わせたアプローチが求められます。
コクヨが提案する「まなびレシピ」のように、多様な学習方法を試行錯誤できる環境を学校現場でも整備することで、生徒が自分に最適な学習法を見つける支援ができるでしょう。
次に、家庭と学校の連携強化が重要です。
親の78.2%が子どもの学習支援を望んでいる一方で、適切な方法がわからない現状があります。
学校が親に対して現代的な学習法や子どもとの対話方法を提供することで、家庭での学習環境を改善できます。
特に世代間の学習観の違いを理解し、親子が建設的に学習について話し合える仕組みづくりが必要です。
また、学習ツールの効果的活用も見直すべき点です。
生徒の半数以上が文具によってモチベーションが向上すると感じているにも関わらず、大人はその効果を過小評価しています。
学校現場でも、デジタルツールや文具を含めた学習環境の整備が学習意欲向上に寄与することを認識し、積極的に活用していく必要があります。
将来的には、例えばAI技術を活用したパーソナライズド学習システムの導入により、各生徒の学習履歴や特性を分析し、最適な学習法を提案できるようになるでしょう。
また、メタ認知能力の育成に注力し、生徒が自分の学習過程を振り返り、改善できる力を身につけることで、生涯にわたって自律的に学び続ける人材を育成できると期待されます。
情報元はこちらからご覧ください。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001148.000048998.html
https://edu.watch.impress.co.jp/docs/news/2046969.html