
親の子ども時代も今も、夏休みの宿題は小学生と保護者にとって大きなテーマの1つです。
最新調査では、読書感想文や自由研究の取り組みで65%以上が保護者のサポートを受けている一方、AI活用には抵抗感が根強く、教育現場での適切なAI導入が課題となっています。
そこで今回は、現場が抱える現実とAIへの期待の両面を明らかにし、今後の学校教育に生かすヒントを探ってみましょう。
【記事の要約】
株式会社DeltaX(東京都千代田区)が運営する塾選びサービス「塾選」の調査によると、小学生の夏休み宿題におけるAI活用に関して保護者の意識が明らかになった。
読書感想文では65%の保護者が子どもを手伝うが、AI利用には約65%が抵抗感を示している。
自由研究でも63%がAI利用しない方針である。
最も多い手伝いは誤字脱字チェック(58.5%)と構成アドバイス(49.2%)であり、51%の保護者が課題図書も自分で読んでいる。一方でAI活用を検討する保護者は前年比約10%増加傾向にある。
保護者が抵抗を感じる主な理由は、子どもの主体的な学びや創造性への悪影響への懸念、AI利用方法の不明確さ、学校方針の不透明さである。
ただし、テーマ選定や情報収集の補助、文章構成のヒント程度であれば許容する声もあり、AIの「完全依存」ではなく「補助的活用」なら受け入れられる可能性を示している。
(出典元:2025年8月6日&13日 PR TIMESより)
今後の学校教育への活用と将来性は?
これらの調査結果は、学校教育におけるAI活用の方向性を示す指標となりそうです。
保護者の多くが「子どもの思考力や表現力を育む」という教育本来の目的を重視していることから、学校現場でもAIを完全代替ツールとしてではなく、学習の補助手段として位置づけることが重要です。
具体的には、テーマ探しやアイデア出し、文章構成のヒント提供など、創造的思考を促進する場面での限定的活用が有効でしょう。
また、約30%の保護者がAI利用を迷っていることは、適切なガイドラインや活用事例を示すことで、より効果的な教育ツールとしての可能性を秘めています。
将来的には、AI活用のリテラシー教育も不可欠になります。
子どもたちがAIの特性を理解し、批判的思考力を保ちながら活用できるよう指導することで、デジタル社会に対応した人材育成が可能になるでしょう。
学校教育では、AIを敵視するのではなく、人間の創造性や思考力を伸ばす協働パートナーとして位置づけ、バランスの取れた活用方法を模索することが今後の課題となります。