
AI時代の到来により、従来の教育システムが根本的な変革を迫られている中、中央アジアに位置する内陸国のカザフスタンが実践する教育アプローチが世界の注目を集めているようです。
なんと「教師が存在しない学校」で生徒同士が教え合い、12歳から本格的なプログラミングやAI技術を習得する教育システム。
無償で提供される包括的なプログラムは88%という驚異的な就職率を実現し、公務員から学生まで1万6千人以上がAI教育を受けています。
この斬新な取り組みは、主体的な学びや協働学習を重視する日本の教育現場にとって、まさに未来への道筋を示すモデルケースと言えるかもしれません。
【記事の要約】
カザフスタンは国を挙げてAI人材育成を推進している。
政府はデジタル開発・イノベーション・航空宇宙産業省とアスタナ・ハブ・テクノロジーパークが連携し、全年齢対象の無償QazCodersプログラムを展開している。
主要な取り組みとして、12歳から18歳を対象としたTUMOクリエイティブテクノロジーセンターが今年10月に開設され、生成AI、ゲーム開発、3Dモデリングなど11分野で年間5,000人の育成を目指している。
特筆すべきは、教師不在のピアツーピア学習モデルを採用するTomorrow Schoolの存在だ。
学生同士が教え合い、50以上のプロジェクトを通じて20のプログラミング言語を習得する2年間のプログラムを無償で提供している。
公務員向けのQyzmet AIプログラムでは1万6,000人以上が既に訓練を受け、Tech Ordaプログラムでは約1万人が無料ITトレーニングを完了し、88%の就職率を達成。
5月には全国AI オリンピックも開催され、総合的なAI教育エコシステムが構築されている。
(出典元:2025年7月26日 VIETNAM.VNより)
学校教育への示唆と将来の可能性は?
カザフスタンの取り組みは、日本の学校教育に重要な示唆を与えるでしょう。
まず、ピアツーピア学習モデルは従来の教師中心型教育からの大きな転換です。
生徒同士が協働し教え合う環境は、主体的な学習態度と問題解決能力の育成に効果的であり、日本の「主体的・対話的で深い学び」の実現につながります。
次に、年齢に応じた段階的なAI教育プログラムも参考になります。
中学生から始まる体系的なカリキュラムにより、早期からデジタルリテラシーを身につけることができます。
また、入学資格を設けない包括的なアプローチは教育格差の解消にも貢献するでしょう。
将来的には、AI技術の進歩により個別最適化された学習が可能になります。
生徒一人ひとりの学習進度や興味に応じてAIが教材や課題を提案し、効率的な学習を支援します。
また、プロジェクトベースの学習により実践的なスキルが身につき、社会で求められる創造性と批判的思考力を養成できます。
これらの要素を日本の教育システムに上手に取り入れることで、AI時代に対応した人材育成が実現できるでしょう。