
最新の生成AIニュース(2025年7月14日~7月20日)を、YouTubeチャンネル「いけともch_旧リモ研」の池田朋弘氏が注目した18のキーワードで紹介します。
1. OpenAIが新AIエージェント「ChatGPT agent」を発表
OpenAIが7月17日に発表した「ChatGPT agent」は、ウェブブラウジング、ディープリサーチ、プログラム実行、画像生成、外部サービス連携を組み合わせた自立型AIエージェント。
ユーザーは旅行予約、資料作成、メール管理など複雑なタスクを自然言語で依頼でき、途中で介入して方向性を変更することも可能だ。
2. OpenAIがAPIを利用した画像生成機能を改善
OpenAIは、DALL-E 3とGPT-4oの画像生成機能を大幅に改善し、入力画像の忠実性を向上させる「インプットフィデリティ」機能を追加した。
この機能により、元画像の特徴を保持しながら部分的な変更が可能になり、不動産や商品画像の編集、人物の服装変更など実用的な応用が広がっている。
3. Claudeが外部サービスと連携~AIが業務アプリを横断的に操作可能に
AnthropicがClaudeの新機能「Integrations」を発表し、Jira、Zapier、Cloudflare、Asanaなど10以上のサービスとの連携を実現した。
Model Context Protocol(MCP)を活用したこの機能により、Claudeは複数のアプリを横断して業務を自動化し、ユーザーの作業コンテキストを深く理解して行動できるようになった。
4. NotebookLM に「Featured Notebooks」搭載
GoogleのNotebookLMに「Featured Notebooks」機能が追加され、The AtlanticやThe Economistなどの信頼できる出版社、研究者、非営利団体と連携した高品質なノートブック集が提供されるようになった。
育児アドバイス、シェイクスピア全集、科学的研究など多様なトピックで、既存の優れたコンテンツを活用した学習や研究が可能になっている。
5. Grokが音声AIキャラと会話できる「コンパニオンモード」追加
xAIのGrokに「コンパニオンモード」が追加され、アニメキャラクター「Ani」や二重人格のキャラ「Rudy」など3Dアニメーション付きAIアバターとの音声・テキスト会話が可能になった。
iOS限定でSuperGrok購読者が利用でき、キャラクターは感情表現やアニメーション、背景変化を通じてインタラクティブな体験を提供する。
6. SlackがAI機能強化で「業務中枢プラットフォーム」へ
SlackがAI機能を大幅強化し、チャンネル横断検索、ハドル(音声・ビデオ通話)の自動転写・要約、メッセージ要約機能をBusiness・Enterprise プランに導入した。
Google Drive、Salesforce、Teamsなど連携アプリも含めた横断検索により、重要な情報へのアクセスが劇的に向上し、業務の中枢プラットフォームとしての地位を確立している。
7. AWS発「Kiro」がAIエージェント開発IDEを公開
AWSは生成AIワークフロー特化IDE「Kiro」を公開した。
コード補完、自動テスト、クラウド連携に加え、リソース最適化AIも搭載し、開発者は業務エージェントを短期間で設計・運用できる。
8. スウェーデンAIスタートアップ「Lovable」が8ヶ月でユニコーン到達
ストックホルム発の生成AI企業Lovableが、シリーズBで評価額10億ドルを突破しユニコーンとなった。
AIUX基盤でブランド体験を自動生成し、欧州大手と提携拡大…世界最速級の成長記録を更新した。
9. LINEヤフーが全社員に生成AI活用を義務化
LINEヤフーは社内規定を改訂し、4万人の全従業員に週1回以上の生成AI利用と成果共有を義務付けた。
教育プログラムと監査体制、安全ガイドライン、サンドボックス環境を併設し、全社的な業務効率化を狙う。
10. Netflixが初のオリジナル作品で生成AI映像を採用
Netflixオリジナルドラマ『Eidolon』の一部シーンに、生成AIで作成した背景と群衆映像を投入。
制作期間を30%短縮し、コストは20%削減、インタラクティブ視聴体験の可能性も示した。
11. 日立が「AI×Omniverse」活用の現場安全ソリューション開始
日立は NVIDIA Omniverse と自社AIを統合し、工場やプラントをデジタルツイン化。
作業者の動線と設備状態をリアルタイム推定し危険を事前警告、現場事故を40%削減可能な安全ソリューションを提供開始した。
12. Google SearchがGemini 2.5 ProとDeep Searchを全面導入
GoogleはSearchにGemini 2.5 Proを統合し、意味検索を強化した。
Deep Search機能で、要約・視覚カード・引用を提示し複雑クエリの回答精度を向上。米国から順次展開し広告モデルも刷新する。
13. Anthropicが金融業界特化モデルを発表
Anthropicは金融機関向けに特化した「Claude for Financial Services」を発表した。
規制遵守、リスク管理、顧客対応に最適化され、SOX法やバーゼル規制への対応機能を内蔵し、大手銀行での導入実証実験で従来比60%の業務効率化を実現している。
14. OpenAI・DeepMind・Anthropicらが思考監視技術に警鐘
OpenAI、DeepMind、Anthropicの研究者らが共同で、AIシステムの内部思考プロセスを監視する技術の危険性について警告を発した。
プライバシー侵害や思考統制につながる可能性を指摘し、透明性と安全性のバランスを取る国際的なガイドライン策定の必要性を訴えている。
15. CognitionがWindsurf買収でAI開発環境を統合
AIソフトウェア企業Cognitionが、コード生成プラットフォーム「Windsurf」を買収した。
Devinエージェントとの統合により、設計からデプロイまでの全工程を自動化する開発環境を構築し、エンタープライズ向けソフトウェア開発の完全自動化を目指している。
16. シリコンバレーで激化するAI人材争奪戦
シリコンバレーでAI研究者の年収が2,000万円を突破し、人材争奪戦が激化している。
Meta、Google、OpenAIが博士号取得者に破格の条件を提示し、大学からの引き抜きも加速。スタートアップも独自の株式報酬制度で対抗している。
17. 孫正義氏が年内に「10億AIエージェント」構想を披露
起業家の孫正義氏(ソフトバンクグループ会長兼社長)が、年内に10億体のAIエージェントを展開する壮大な構想を発表した。
個人・企業・行政向けに特化した専門エージェントを大量生産し、社会インフラとして機能させる計画で、既に複数の投資家から関心を集めている。
18. NEDOが競争力ある生成AI基盤モデル開発プロジェクト採択の結果発表
NEDOが「競争力ある生成AI基盤モデル開発(GENIAC)」の採択結果を発表し、国内AI企業8社のプロジェクトを選定した。
総額300億円の予算で日本独自の大規模言語モデル開発を支援し、海外依存からの脱却と国際競争力強化を目指している。
教育現場でのAI活用の可能性は?
今回のニュースから、日本の教育・学習分野で特に注目したいのは3つの技術でしょう。
1つ目、NotebookLMの「Featured Notebooks」機能は、教育現場にとって革命的なツールです。Google、The Atlantic、The Economistなど信頼できる出版社と連携し、高品質な学習コンテンツを提供。
育児アドバイスやシェイクスピア全集、科学的研究など多様なトピックで、既存の優れたコンテンツを活用した学習が可能になります。
2つ目、ChatGPTエージェントは、個別学習支援において大きな可能性を秘めています。
ウェブブラウジング、資料作成、外部サービス連携を組み合わせ、学生の研究活動や課題作成をサポートできます。
特に情報収集から分析、プレゼンテーション作成まで一貫して支援する機能は、探究学習の質を向上させるでしょう。
3つ目、LINEヤフーの全社員AI義務化事例は、教育機関にとって重要な示唆を与えます。
週1回以上の生成AI利用と成果共有を義務付けたこの取り組みは、教員研修や学生指導における組織的なAI活用のモデルケースとして参考になります。
これらの技術により、個別最適化された学習環境の構築と、教育者の負担軽減が同時に実現できる時代が到来しているように感じます。
ぜひこの記事を参考に、今後の教育現場での生成AI活用を検討してみてください!
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