Copilot Chatが13歳以上の学生に今夏提供へ!次なる教育AIの未来に向かう兆し

教育現場に更なるAIの波が押し寄せています。

Microsoftが2025年夏から、13歳以上の学生向けにMicrosoft 365 Copilot Chatの提供を開始することを発表しました。

このAIアシスタントは情報収集から課題解決まで幅広くサポートし、次世代の学習体験を創出。

プライバシーとセキュリティに配慮しながらも、デジタル時代に必要なAIリテラシーを育む環境が整いつつあります。

教育機関は果たして今後、どのようにこの新技術を活用できるのでしょうか。

【記事の要約】
Microsoftは2025年夏から、13歳以上の学生向けにMicrosoft 365 Copilot Chatを提供する。
このAIアシスタントは、ウェブコンテンツや公開情報、限定的なユーザーファイルのアップロードから情報を引き出し、回答生成、洞察提供、タスク完了をサポートする。
なお、Microsoft 365 Copilotとは異なり、組織データ(メール、文書、会議など)にはMicrosoft Graphを通じてアクセスしない。

管理者は次の4つの準備が必要になる。
1つめは、テナント識別子の設定。PowerShellスクリプト「ConfigureTenantEduType.ps1」を使用し、高等教育機関、初等/中等教育機関(K-12)、その他の機関のいずれかを指定する。

2つめは、年齢グループ属性の設定。Entra ID(旧Azure AD)で「ageGroup」属性を正しく設定する。13歳以上の学生には「NotAdult」値を設定することでCopilot Chatへのアクセスが可能となる。

3つめは、Microsoft 365管理センターでのエージェント管理。特定ユーザーグループに対するCopilot機能の有効/無効化、カスタムCopilotエージェントへのアクセス管理、Copilot制御システムによる使用状況監視とセキュリティポリシーの適用が可能になる。

4つめは、セキュリティとデータ保護。Copilotは既存のアクセス許可モデルを変更せず、ユーザーが既に持つアクセス権を尊重する。ただし、広く共有されている文書の内容が表示される可能性があるため、管理者は過剰に許可されたコンテンツを確認・修正する必要がある。
(出典元:2025年5月13日 Microsoft Education Blog、同14日 こどもとITより)

    教育現場での活用可能性と今後は?

    Microsoft 365 Copilot Chatは、教育現場におけるAI活用の新時代を切り開く可能性を秘めています。
    このツールを活用することで、学生たちは情報収集や課題解決において、AIの支援を受けながら学習を進めることができます。

    特に注目すべき点は、プライバシーとセキュリティに配慮しながらも、AIの恩恵を13歳以上の学生に提供する点です。
    COPPAやFERPAなどの児童プライバシー規制に準拠しつつ、デジタル時代に必要なAIリテラシーを育む環境が整います。

    教師にとっては、生徒の学習をパーソナライズする新たな手段となり、個々の学習ペースや興味に合わせた指導が可能になります。
    また、AIとの対話を通じて、批判的思考力やデジタルリテラシーを実践的に養う機会も生まれます。

    将来的には、AIアシスタントと教育カリキュラムの統合がさらに進み、教室内外での学習体験が一層豊かになることが期待できます。
    ただし、AIに過度に依存せず、人間の教師の役割とAIの補助的機能のバランスを保つことが重要です。

    教育機関の管理者は、このツールの導入に際して、セキュリティ設定の最適化と教職員へのトレーニングを通じて、安全かつ効果的なAI支援型学習環境を構築することが求められるでしょう。