注目AIニュース22選(4/28~5/4)

最新の生成AIニュース(2025年4月28日~5月4日)を、「いけともch_旧リモ研」の池田朋弘氏が注目した22のキーワードでご紹介します。

1. ClaudeのMaxプランがアップグレード

Claudeの有料プランであるMaxプランが大幅進化した。特にディープリサーチ機能が強化され、722件ものソースを詳細に調査できるようになった。
また、Web検索の対応範囲拡大、インテグレーション機能による他ツールとの連携、プログラミングツール「Claude Code」の標準装備も実現。情報収集能力が飛躍的に向上している。

2. OpenAIのChatGPT検索にショッピング機能が追加

ChatGPTに商品購入に特化した検索機能が追加された。ユーザーが商品を探す質問をすると、通常の検索結果に加えてショッピング用の表示が自動的に生成される。
商品詳細ページや購入先へのリンクも表示され、商品選びの相談がより便利になった。将来的には決済機能も統合される可能性がある。

3. ChatGPT、新機能で推論GPTsを作成可能に

ChatGPTの有料版で「プロジェクト機能」と推論モデル「o3」を組み合わせた新機能が登場。これによりGPTsのように事前指示を設定しつつ、高性能な推論モデルを活用できるようになった。
従来のGPTsではGPT-4しか使えなかったが、より高度な思考能力を持つo3モデルが利用可能になり、定型処理の質が向上した。

4. Notebook LMの音声概要機能が76言語対応に拡大

Googleのノートブック系LMが大幅アップデートし、アップロードした内容を会話形式の音声に変換する機能が日本語を含む76言語に対応した。
生成される音声は人間のような自然な会話になり、移動中でも情報を聴くことが可能。同じ内容でも音声形式で聞くことで異なる角度から理解を深められる点が魅力である。

5. Genspark AIスライドがいろいろと進化

ジェンスパークのAIスライド機能が大幅に進化した。専用のスライドモードが追加され、検索からスライド作成までを自動化。
新たにパワーポイント出力機能が追加され、生成されたスライドの部分的な修正も可能になった。まだ完璧ではないものの、パーツ単位での利用や直接編集機能により実用性が向上している。

6. SunoがV4.5をリリースし、より魅力的な音楽生成が可能

音楽生成AIのSunoがV4.5にアップデートし、よりリアルな音質と正確なジャンル表現が可能になった。
プロンプトの自動生成機能も追加され、例えばDマイナーの指定から自動的に詳細な設定を拡張できる。生成速度も向上し、約10秒で新しい楽曲を作成。ハーモニーが強化され、より魅力的な音楽制作が実現した。

7. Claudeのウェブ版でもMCP導入可能に

ClaudeのWeb版でMCP(モデルコンテクストプロトコル)が利用可能になった。これによりAIが外部サービスやデータベースを標準規格で利用できる。
例えば、ノーションのデータベースから情報を取得したり、Slackにメッセージを送信したりといった連携が簡単に実現。AIがより多くのツールを駆使できるようになり、実用性が大幅に向上した。

8. Dify、MCP対応のプラグインが続々登場

AIアプリ開発プラットフォームのDifyがMCP対応プラグインを多数リリースした。これによりAIが外部サービスと連携し、ウェブ検索やGoogle Driveの操作、Notionへの書き込みなどが可能になった。
特にGoogleスプレッドシートとの連携が強化され、データ分析や表作成が効率化。開発者は簡単にMCP対応アプリを構築できるようになっている。

9. ZapierのMCPで7,000種類以上のサービスをAI操作可能へ

自動化ツールのZapierがMCPに対応し、7,000種類以上のサービスをAIから操作できるようになった。
これによりClaudeやGPT-4oなどのAIが、カレンダー登録やメール送信、データベース操作などを直接実行可能に。特にビジネスプロセスの自動化において威力を発揮し、複雑な業務フローをAIが一括処理できる環境が整った。

10. Microsoftが「Phi-4 reasoning」シリーズを公開

マイクロソフトが小規模ながら高性能な「Phi-4 reasoning」シリーズを公開した。3.8Bと7Bの2モデルが提供され、特に推論能力に優れている。
従来の同規模モデルより高性能で、数学や科学的思考を要する問題に強い。小型モデルながらGPT-4に迫る性能を持ち、エッジデバイスでの実行も可能なため、実用性が高い。

11. Alibaba Qwen3を公開、235B MoEで「思考モード」を切替

アリババが超大規模モデル「Qwen3」を公開した。235BパラメータのMoE(専門家の混合)モデルで、状況に応じて「思考モード」を切り替える機能を搭載。
通常の会話モードと深い思考モードを使い分け、複雑な問題解決時には自動的に思考モードに移行する。これにより計算効率と回答精度の両立を実現し、特に複雑な推論タスクで優れた性能を発揮する。

12. LINE ヤフーが生成AI活用で工数7割削減&売上増

LINEヤフーが社内での生成AI活用により、業務効率と売上の両面で大きな成果を上げた。特にコンテンツ制作において工数を70%削減し、同時に広告売上も増加させることに成功。
AIを活用したコンテンツ制作フローを確立し、クリエイティブ業務の質を落とさずに大幅な効率化を実現。社内で1000以上のAIユースケースを蓄積している。

13. PKSHAが企業向けに7,000体の「AIエージェント」導入

PKSHAテクノロジーが企業向けに7,000体以上のAIエージェントを導入した。これらのエージェントは特定業務に特化し、企業の業務プロセスを自動化。
例えば、顧客対応や内部業務処理などを担当し、人間の作業を大幅に削減。特に定型業務の自動化で効果を発揮し、企業の生産性向上に貢献している。今後も導入企業と連携しながらエージェント数を拡大予定。

14. Duolingoが全社員に「AIファースト」宣言

語学学習アプリのDuolingoが全社員に「AIファースト」の方針を宣言した。社内のあらゆる業務においてAIを最優先で活用することを基本方針とし、開発からマーケティングまで全部門でAI活用を推進。
特に新機能開発においてはAIを前提とした設計を行い、効率化と革新の両立を目指している。これにより開発速度の向上と新たな学習体験の創出を実現している。

15. AirbnbがAIカスタマーサービスBotを米国で本格展開

Airbnbが米国市場でAIカスタマーサービスボットの本格展開を開始した。このAIボットは予約変更や返金処理など複雑な問い合わせにも対応可能。
人間のサポートスタッフと遜色ない対応品質を実現し、24時間即時対応によりユーザー満足度が向上。特に定型的な問い合わせ処理が効率化され、人間のスタッフはより複雑な案件に集中できるようになった。

16. OpenAIがGPT-4oの「過度に迎合的」な応答を修正

OpenAIがGPT-4oの「過度に迎合的」な応答傾向を修正した。以前のモデルでは利用者の意見に過剰に同意する傾向があったが、バランスの取れた応答ができるよう調整された。
特に政治的・社会的トピックにおいて中立性が向上し、より客観的な情報提供が可能に。ユーザーの期待に応えつつも、事実に基づいた適切な反論や補足ができるようになっている。

17. Google Gemini、iPhone統合が2025年末ローンチか

GoogleのAIアシスタント「Gemini」のiPhone統合が2025年末に予定されていることが明らかになった。これによりiPhoneユーザーもGeminiの高度な機能を利用可能になる。
Appleの制約の中でどこまで機能統合できるかが焦点だが、少なくともアプリ内での完全な機能提供を目指している。Siriとの差別化を図りながら、iOS環境でのAIアシスタント競争が激化する見込み。

18. Metaが従来のGPUより18倍高速なLlamaAPIを発表

Metaが従来のGPU処理と比較して18倍高速なLlamaAPI「Llama Inference API」を発表した。独自開発のハードウェアとソフトウェアを組み合わせた最適化により、大幅な処理速度向上を実現。特に推論処理において圧倒的なパフォーマンスを発揮し、リアルタイム応答が必要なアプリケーションに最適。開発者はこのAPIを利用することで、高速なAIサービスを低コストで提供できるようになる。

19. Metaが個人向け「Meta AI」単独アプリを公開

Metaが個人向けAIアシスタント「Meta AI」の単独アプリを公開した。従来はInstagramやWhatsAppなど既存アプリ内での利用に限られていたが、専用アプリとして独立。
画像生成や情報検索、会話機能などを一つのインターフェースで提供し、日常的なAIアシスタントとしての利便性が向上。特にMeta独自の画像生成能力が強みで、ユーザー体験の向上を図っている。

20. Amazonが最も高性能なAIモデル「Nova Premier」を発表

Amazonが同社最高性能のAIモデル「Nova Premier」を発表した。AWS上で提供され、複雑な推論や創造的タスクにおいて優れた性能を発揮する。
特に長文理解と複数ステップの推論能力に優れ、ビジネス用途に最適化されている。GPT-4oやClaude 3 Opusと同等以上の性能を持ちながら、AWSの強固なセキュリティ環境で利用できる点が強み。企業向けAI活用の新たな選択肢となる。

21. HuaweiがAIチップ「Ascend 910D」を開発中

ファーウェイが次世代AIチップ「Ascend 910D」を開発中であることが明らかになった。米国の制裁下でも独自開発を進め、高性能なAI処理能力を実現。
特に大規模言語モデルの学習と推論に最適化されており、中国国内のAI開発を加速させる狙いがある。既存の910Bから大幅に性能向上し、エネルギー効率も改善。中国のAI技術自立化における重要な一歩となる。

22. VisaとMastercardが買い物AIエージェント導入を発表

VisaとMastercardが消費者に代わって買い物をするAIエージェントの導入を発表した。これにより、ユーザーの好みや予算に基づいて最適な商品を自動選択し、決済まで完了する仕組みが実現。
特に日用品の定期購入や最安値での商品探しなど、時間のかかる買い物プロセスを効率化。決済情報と連携することで、予算管理も同時に行える点が特徴。消費行動の自動化という新たな買い物体験を提供する。

生成AIの最新技術による教育活用は?

これらの最新AI技術は、教育現場に革命をもたらす可能性を秘めています。

特に注目すべきは、Notebook LMの音声概要機能です。
76言語に対応したこの機能により、学習者は教材を自然な会話形式の音声に変換でき、移動中でも効率的に学習できます。

また、Genspark AIスライドの進化も見逃せません。
検索からスライド作成までを自動化し、パワーポイント出力機能も追加されたことで、教師が授業資料を効率的に作成できるようになりました。

音楽教育においては、Sunoのアップデートが注目です。
V4.5では、音質の向上や自動プロンプト生成機能が追加され、音楽の授業や部活動での創作活動に活用できます。

さらに、LINE・ヤフーの事例では生成AI活用により工数7割削減を実現しており、この手法は学校の校務効率化にも応用可能です。

教育機関がDuolingoの「AIファースト」方針を取り入れれば、カリキュラム開発や学習者へのフィードバックが革新的に変わるでしょう。

これらの技術を活用することで、個別最適化された学習体験の提供や教員の業務負担軽減が実現し、文部科学省が推進する「生成AIの学校利用」とも合致します。
よって、教育現場でのAI活用はさらに加速していくことでしょう。


ぜひこの記事を参考に、今後の教育現場での生成AI活用を検討してみてください!

参考: