
教育現場の働き方改革に一石を投じる新たな取り組みが始まります。
岐阜県教育委員会は来年度から、県立高校において生成AIを活用した小論文・英作文添削システムを導入する方針を固めました。
教員の負担軽減と質の高い個別指導の両立を目指す、この先進的な取り組みに注目が集まっています。
【ニュースの要約】
岐阜県教育委員会は来年度から一部県立高校において、生成AIを活用した小論文・英作文添削システムを導入する方針を決定した。
このシステムでは、生徒が入力した文章を生成AIが先行添削し、文法的誤りや改善点を指摘する。
教員はその結果を踏まえて最終的な添削・指導を行う。
対象は国語と英語の授業を受ける約8800人の生徒となる予定だ。
県教委は関連経費として新年度予算案に1100万円余りを計上した。
この取り組みは文科省が昨年12月に公表したガイドラインに沿ったもので、教職員の働き方改革につながることが期待されている。
(出典元:2025年2月27日 NHKより)
学校教育における生成AI活用の可能性は?
生成AIの教育現場での活用は、岐阜市の中学校でも既に実証事業として進められています。
岐阜市立長良中学校では、生徒向けには探究的な学びと個別最適な学びの支援に、教職員向けには校務負担軽減のために「スタディポケット」というシステムを導入しています。
実際の授業では、国語の敬語学習や数学の説明文作成において、生徒たちが生成AIを活用し学習を深める様子が見られました。
このような取り組みは「教務」と「校務」の両面から教育のDXを促進し、教員が子どもたちとより深く向き合う時間を確保することにつながります。
将来的には、生徒一人ひとりの学習進度や特性に合わせた個別最適な学びの実現や、教員の創造的な教育活動の拡大が期待できます。
また、生徒自身がデジタル・シティズンシップを身につけ、AIのメリット・デメリットを理解した上で適切に活用する力を育むことも重要な教育目標となるでしょう。