2024年度から小学校教科書はどう変わる?【英語編】

2020年度から小学校において「英語」が正式な教科となり4年が経ちました。現在の中学2年生が高校受験をする2年後には更なる入試問題の難化が予想されます。

さて、来る2024年度に、4年に1度の教科書改訂が行われることはご存知でしょうか?

この記事を読むと、小学校英語の教科書がどのように進化するのかが分かります!ぜひ小学生指導や保護会のネタとしてご活用ください!

英語の小学校教科書5つの進化

【進化1】小学生にとって高度な表現も学習する!

基本的に小学校の英語で、中学生以降に学習する文法事項に踏み込んで学習することはありません。しかし、新しい教科書では、以下のような中学生で学習する文法事項が表現として盛り込まれます。

  • 疑問詞を使った一般動詞の疑問文
  • 不定詞
  • 一般動詞(3人称単数現在形)

中学生で学習する内容への接続を意識して、教科書の表現に触れていくことが大切になります。

【進化2】800語を扱う教科書もある!

小学校で習得する単語数は600〜700語と規定されていますが、今回の改訂によって多くの教科書で700語を超えます。

〈参考:小学校英語教科書に掲載される単語数〉

  • 東京書籍(現行)697語→(改定後)825語
  • 啓林館 (現行)741語→(改定後)784語
  • 三省堂 (現行)623語→(改定後)668語

小学生のうちに全ての単語を読めて書ける必要はありませんが、多くの教科書で単語数が増加する傾向を踏まえて、新年度の学習体制を整えることが大切です。

【進化3】中学生に向けて「書く練習」も段階的に入る!

新しい教科書では、中学校へのスムーズな接続を意識して「書くこと」を重視した内容に変化しています。

小5から段階的に英語を書く練習をし、小6になると複数の文章を書かせる問題にも挑戦します。このような学習の流れを作ることで、小学生英語と中学1年生とのGAPを埋めることを狙っていると考えられます。

【進化4】高度な思考力・判断力・表現力が求められる!

最新の高校入試や大学入試でも話題になっている「資料の読み取り問題」を新しい教科書に盛り込むケースが見られます。ただ英文を聞いたり読んだりするのではなく、以下のプロセスを求められることがあります。

  1. 図や表が問題文として与えられる
  2. 英語をリスニング
  3. 与えられた条件を元に当てはまるものを選択する
  4. 自分が選んだ答えをクラスメイトに英語で伝える

語学として楽しむ要素の強かった従来の小学生英語から、入試をより意識した内容へと改訂されていることが分かります。

【進化5】デジタル教科書がスタート!

2024年度から、英語のみ小学5年生から中学3年生にデジタル教科書の使用が開始されます。(初年度は一部地域限定)
タブレット端末を使用したデジタル教科書の特徴として以下の3点が挙げられます。

  • 何度も書き込むことができる
  • タップすると音声を聞くことができる(QRコード読み込まなくてもいい)
  • 音声スピードの調節ができる

デジタル教科書を使用する場合も、今まで通りの製本された英語の教科書の配布はあります。

教科書改訂を理解し、指導のアップデートを!

小学校の教科書改訂のポイントをご理解いただけたでしょうか?

今回は2024年4月から改訂される小学校の教科書改訂について、重視される思考力・判断力・表現力など、ポイントを解説しました。
今まで通りの感覚での指導やサポートでは難しそうですよね。

指導する立場にある方々は変更点をよく理解し、指導のアップデートをしましょう!