コーチング的思考を強める | 目的と理由の違いが分からない日本人

「なんで○○するの?」という質問、
そして「○○ためです。」、「○○からです。」という返答。

“目的”を答えるときでも、“理由”を答えるときでも使える表現です。

これのせいか、日本人は“目的”と“理由”を混在しがちです。

この違いをはっきりさせることで、生徒さんの本来の目的が明確になり、
今やるべきことが明確になってきます。

そんなコーチング的思考を紹介します。

目的と理由を明確にする

ある男が、
「なぜあなたは英語を話せるようになりたいのですか?」
と英会話を習っているAさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさんに尋ねました。

それぞれの回答はこうでした。

Aさん「かっこいいからです。」
Bさん「イギリス人の彼女とたくさん話せるようになりたいからです。」
Cさん「通訳を仕事にしたいからです。」
Dさん「お父さんに、英語を勉強しろと言われたからです。」
Eさん「多くの世界を知るためです。」

これらの回答の中には、目的と理由が混在しています。

「なぜあなたは英語を話せるようになりたいのですか?」
という問いには答えられてますが、そこには大きな違いがあります。

誰が目的を答えていて、誰が理由を答えているか考えてみてください。

この中で、目的を答えているのは
BさんCさんEさんの3人です。
その他の2人は理由を答えています。

目的と理由の区別がつかない人は、各答えをまず能動態にしてみてください。

そしてその時の主語が「私」になっていれば“目的”、
それ以外が主語になっているのであれば“理由”と判断することができます。

Aさんの回答の主語は、「英語が話せる人」もしくは、「英語」
になっているので、“理由”

Bさんの回答の主語は、「私」
になっているので、“目的”

Cさんの回答の主語は、「私」
になっているので、“目的”

Dさんの回答はまず能動態に直します。
「お父さんが英語を勉強しろと言ったからです。」
となるので、主語は「お父さん」。よって、“理由”です。

最後、Eさんの回答の主語は、「私」
なので、“目的”です。

まずは、このように目的と理由の違いをはっきりさせましょう。

目的があると前に進む力が強くなる

英語を話したい目的があること、理由があること、
どちらも素敵なことです。

ただ、目的があった方が、自主的な行動がついてきます。

英語に限らず、他の勉強でもスポーツでもそうですね。

それをする目的があれば自ら行動し、目的がない時よりも前に進む力が強くなります。

生徒さんの勉強をサポートするときは、勉強する理由ではなく、勉強する目的を明確にすることだけでも、
その生徒さんのやる気を向上させることが出来ます。

目的を引き出す方法

「なんで○○するの?」という質問は、
目的も理由も引き出せますということをお伝えしました。

どちらも引き出せるような質問ではなく、目的を引き出すような質問をすることで、
生徒さんの勉強に対するやる気を出していきましょう。

例えば、
「英語を話せるようになって、どうなったら嬉しい?」
「英語を話せるようになった先にはどんな未来があるの?」
「英語を話す目的は何?」
のような質問です。

これらの質問は、目的を引き出すような質問です。
これらの質問に答えてもらう事で、生徒さんは目的を明確化し、より前に進む力が強くなっていきます。

より詳しい話は動画で話しているので、ぜひご覧ください。