今回、兵庫の通信制高校サポート校「青楓館高等学院」による日本・香港・シンガポール3校連携のグローバルPBLが、文部科学省「EDU-Portニッポン」令和8年度応援プロジェクトに採択されました。1on1支援、地域連携PBL、AI活用を組み合わせた実践が、国際展開可能な日本型教育モデルとして注目されます。
アジア連携!採択プロジェクトのポイント
文部科学省が推進する「日本型教育の海外展開(EDU-Portニッポン)」令和8年度応援プロジェクトに、青楓館高等学院(兵庫県明石市・芦屋市)の『日本・香港・シンガポール3校「AI×社会課題」グローバル探究PBL』が採択されました。通信制高校サポート校の実践が、海外展開を見据えた日本型教育モデルとして評価された点は、学校・塾・教育事業者にとって示唆の大きいニュースでしょう。
今回の枠組みは、日本・香港・シンガポールの3校が連携し、「AIで社会課題をどう解くか」をテーマに探究型学習を進めるものです。開発には、OECD 2030/2040ネットワークの一環として、スーザン・チュー博士、シンガポール道徳・市民教育センター、華中国際学校、青楓館高等学院が関わっています。
単なる国際交流ではなく、AI活用と社会課題解決を軸に据えたPBLとして設計されている点が特徴です。異なる地域・文化の生徒が同世代の視点で課題を捉え、対話し、提案を組み立てる学びは、探究と国際協働を接続する実践例として参考になります。
評価された3つの実践とは何か
同学院は、今回の採択にあたり、日常的に積み上げてきた3つの取り組みを打ち出しています。
1つ目は、全生徒を対象にした週次1on1です。毎週継続して対話を行い、メンタルの状態や本人のニーズに応じて支援の形を調整することで、小さな成功体験を積み重ねる仕組みをつくっています。学習支援だけでなく、進路や生き方に寄り添う伴走型支援として機能している点が重要です。
2つ目は、企業や自治体と連携したPBLです。生徒が現場に足を運び、当事者への取材や対話を通じて課題の本質を捉え、解決策を提案する流れを重視しています。正解のない問いに向き合う経験を通じて、コミュニケーション力、協働力、課題解決力を育ててきました。
3つ目は、AIを活用した学びの可視化と進路接続です。学習プロセスのデータを蓄積・分析し、総合型選抜対策などの進路指導につなげる仕組みを構築。一般社団法人教育AI活用協会の「AI先端モデル校」に認定され、さらに国際的な教育連携「GAINS」にも日本代表校として参画しています。
なぜ教育現場にとって重要か
今回の採択が示しているのは、日本型教育の価値が「教科学力」だけでなく、伴走支援、全人的な成長支援、実社会とつながる探究、責任あるAI活用といった要素を含めて評価されていることです。
特に、不登校経験のある生徒を含めて一人ひとりの学びを支える実践が、国際展開可能なモデルとして認められた点は注目に値します。学校種や在籍形態にかかわらず、個別最適な支援と社会につながる学びをどう両立するかは、多くの教育機関に共通する課題だからです。
また、AIの導入を単なる効率化ではなく、学習の可視化や進路形成、さらに社会課題を考える題材として位置づけている点も示唆的です。AI活用を教育理念や探究活動と接続できるかどうかが、今後の実装の質を左右しそうです。
EDU-Portニッポンの活用余地
EDU-Portニッポンは、文部科学省が2016年度から進める官民協働プラットフォームで、2025年度までに130件以上の事業が採択されています。採択事業者には、ロゴ使用許可に加え、海外展開先での現地関係機関との調整・仲介支援などが提供されます。
教育機関やEdTech事業者にとっては、自校の実践や教育プログラムを海外と接続する足がかりになり得ます。特に、探究、特別活動、生活指導、AI活用など、日本の教育現場が強みとしてきた領域をどのように言語化し、再現可能なモデルとして示すかが鍵になりそうです。
💡 先生へのポイント
- 1on1を「面談」ではなく、学習・情緒・進路をつなぐ設計にできるか見直す
- PBLは成果物よりも、現場取材や当事者対話のプロセス設計が重要
- AI導入はツール活用だけでなく、学びの記録・可視化・振り返りまで含めて考える
- 国際連携は英語力だけでなく、社会課題を自分の言葉で語る力が土台になる
まとめ
この度の青楓館高等学院の採択は、個別伴走、地域連携PBL、AI活用を組み合わせた実践が、日本型教育の国際展開モデルとして評価された事例です。探究とAI、そして生徒理解をどう一体化するかを考えるうえで、学校・塾・EdTech担当者にとって多くのヒントを含んでいます。
出典:文部科学省 令和8年度「EDU-Portニッポン」応援プロジェクトに青楓館高等学院『日本・香港・シンガポール 3 校「AI×社会課題」グローバル探究 PBL』が採択 | 株式会社青楓館のプレスリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000045.000106384.html




