GMOメディアと大修館書店は、高校・教育機関向けに「書く力」を育てる学習支援サービス「カクコトAI」を共同開発し、来年4月に提供開始すると発表しました。記述式問題や小論文の出題・採点・添削をAIが支援し、学校の記述対策と教員の評価負担軽減の両面で注目されます。
記述式学習を支える新サービスが登場
GMOインターネットグループのGMOメディア株式会社(東京都渋谷区)と、長年にわたり国語の教科書を発行してきた株式会社大修館書店(東京都文京区)は、記述式問題・小論文に特化した学習支援AIサービス「カクコトAI」を2027年4月に提供開始する予定です。2026年秋頃には体験版の公開も予定されており、学校関係者・教育機関向けに優先案内の受付が始まっています。
このサービスは、問題の出題から採点、添削までをAIが支援するのが特徴です。大修館書店が持つ国語教育の知見と、GMOメディアのAI採点技術を組み合わせ、生徒一人ひとりの文章表現力や論述力の育成を目指します。
背景にある大学入試の変化
大学入試における記述式問題の比重の高さが導入背景として示されています。国公立大学では個別学力検査で記述式問題を出題する割合がほぼ100%、私立大学でも約4割にのぼるとされ、記述・論述への対応は高校教育でますます重要になっています。
一方で、記述問題は採点に時間がかかり、評価の観点も複雑です。そのため、授業や課題で十分な演習量を確保しにくいという現場課題がありました。「書く機会を増やしたいが、返却まで手が回らない」という学校現場の悩みに対し、AIで支援する形です。
2つの採点モードで授業にも自習にも対応
「カクコトAI」には、運用に応じて使い分けられる2つの採点モードが用意されています。
1つ目は「教員サポートモード」。AIが採点や評価コメントのたたき台を作成し、教員が確認・編集したうえで返却する方式です。最終判断を教員が担えるため、学校ごとの評価方針や個別指導を反映しやすい設計といえます。
2つ目は「AI自動採点モード」。生徒が提出するとすぐに採点結果が返るため、自習や反復演習との相性がよいのが特徴です。特に、書いてすぐ見直すサイクルを回しやすく、記述に苦手意識のある生徒でも取り組みやすくなる可能性があります。
中高生にとっての教育的インパクト
中高生への影響として大きいのは、「書くこと」を日常的な学習に組み込みやすくなる点でしょう。これまで記述指導は、定期考査前や受験期に集中しがちでしたが、AIによる即時フィードバックがあれば、普段の授業や家庭学習でも短い記述練習を継続しやすくなります。
また、キーボード入力だけでなく手書き文字認識にも対応するため、学校現場の実態に合わせて利用しやすい点も重要です。記述答案の履歴や成長度合いをグラフで可視化できることは、生徒自身が「何が伸びたか」「どこでつまずいているか」を把握する助けになります。国語に限らず、社会・探究・総合型選抜対策など、考えを言語化する学習全般への波及も期待できます。
一方で、AIの採点結果をそのまま正解として受け止めるのではなく、なぜその評価になったのかを教員と一緒に読み解く運用も欠かせません。中高生の思考力や表現力を育てるには、AIを「代替者」ではなく「練習量を増やす伴走者」と位置づけることが重要です。
学校運営は「負担軽減」「指導の質」の両立が鍵
学校側にとっては、出題、提出期限管理、生徒ごとの進捗確認までをオンラインで一元化できる点も実務上のメリットです。クラス全体の取り組み状況や個別評価をリアルタイムで把握できれば、補習対象の抽出や課題の出し分けもしやすくなります。
特に高校では、入試対策と日常指導の両立が大きなテーマです。採点負担が軽くなれば、教員は評価作業そのものよりも、答案をもとにした面談、観点別の助言、書き直し指導といった本来の指導に時間を振り向けやすくなります。中学校でも、作文や意見文、要約指導の蓄積として活用できれば、高校以降の論述力育成につながる可能性があります。
💡 先生へのポイント
- 記述演習を「定期テスト前だけ」でなく、週1回の短文課題として組み込むと効果を見極めやすい
- AI自動採点は自習用、教員サポートモードは評価を伴う課題用、と目的別に分けると運用しやすい
- 返却時は点数だけでなく、「根拠の示し方」「接続表現」「構成」の観点で再指導すると学びが深まる
- 中学生では作文・要約、高校生では小論文・志望理由書の下地づくりとして段階的に使う視点が有効
まとめ
今回発表された学習支援サービス「カクコトAI」は、記述式問題や小論文の学習機会を増やしながら、教員の採点負担も軽減しようとするサービスです。中高生の論述力が入試や探究学習でより重要になる中、AIを活用して「書いて、直して、伸ばす」サイクルをどう学校に実装するかが今後のポイントになりそうです。
出典:GMOメディアと大修館書店が共同開発AIで「書く力」を育成する学習支援サービス「カクコトAI」を2027年4月に提供開始 | GMOインターネットグループのプレスリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000005389.000000136.html




