三重県鈴鹿市は県内他市に先駆け、公立小中学校で生成AIを適切に活用できる力を育てるためのガイドラインを策定しました。学校現場でのAI活用を検討する教員・自治体担当者にとって、実装の考え方が参考になる動きです。
鈴鹿市が示した「学校教育×生成AI」の方針
鈴鹿市は2026年4月23日、学校教育における生成AIの導入について発表しました。市内の公立小中学校で、児童生徒が生成AIを適切に活用できる力を計画的・系統的に育てる方針です。
背景には、生成AIが子どもたちの日常生活にも浸透し始めている状況があります。市は、すでに推進してきた「一人一台端末」の活用や情報活用能力の育成と一体で進める考えを示しました。
調査データが示す利用実態
市の説明では、こども家庭庁の昨年度調査として、高校生の46.2%、中学生の30.8%が生成AIを使っていると回答したとされています。学校外では利用が先行しており、教育現場としても「使わせるかどうか」ではなく、「どう使いこなすか」を考える段階に入っていることがうかがえます。
この流れは、授業での活用だけでなく、情報の真偽を見極める力、学習の振り返りにAIを使う力、著作権や個人情報への配慮など、学習指導全体に関わるテーマとして広がりやすい点が特徴です。
ガイドラインで重視されるのは「適切な活用」
鈴鹿市は、県内他市に先駆けて児童生徒向けガイドラインを策定しました。今後はこのガイドラインに沿って、生成AIの特性を理解し、発達段階に応じた適切な活用を学べるよう学習内容を構築していくとしています。
同時に、教職員向けガイドラインや遵守事項も公開されており、学校全体で共通理解を持ちながら運用を進める姿勢が見えます。AI活用はツール導入だけでは定着しにくく、校内ルール、授業設計、家庭との連携まで含めた運用設計が重要になります。
学校現場への示唆はいかに
今回の発表は、生成AIを「禁止か解禁か」で捉えるのではなく、教育目標に沿って段階的に使う方向へ舵を切った事例といえます。特に公立小中学校で、児童生徒向けと教職員向けの両方をそろえている点は、他自治体や学校にとって参考になりそうです。
授業への導入を考える際は、まずは安全な使い方の確認、次に学習活動のどこでAIを補助的に使うか、その後に評価方法をどう整えるか、という順で整理すると進めやすいでしょう。
💡 先生へのポイント
- 生成AIは「使う」だけでなく「使い方を学ぶ」対象として位置づける
- 児童生徒には発達段階に応じたルールを明確に示す
- 教職員間で、入力内容・出力内容・確認方法の共通ルールを持つ
- 授業では、調べ学習や要約補助など限定的な場面から試すと導入しやすい
まとめ
鈴鹿市は、公立小中学校で生成AIを適切に活用できる力を育てる方針を打ち出し、児童生徒向けガイドラインを策定しました。学校現場でのAI活用が広がる中、ルール整備と学びの設計を同時に進める重要性を示す動きです。
教員や自治体担当者にとっては、導入可否の議論にとどまらず、どの学年で何を学ばせるか、どう安全に運用するかを考える実践的なヒントになります。
出典:【定例 2026年4月23日】学校教育における生成AIの導入|鈴鹿市公式ウェブサイト https://www.city.suzuka.lg.jp/shisei/mayor/1005122/1016771/1017027.html




