小中学生の生成AI利用実態調査、半数が「学習は必要」と回答
> 光村図書出版が全国の小中学生518名を対象に実施した生成AIに関するアンケート調査で、学校での利用は約4人に1人にとどまる一方、日常生活では3割超が活用していることが明らかになりました。子どもたちは生成AIの便利さを認識しながらも、約半数が「AIがあっても勉強は必要」と考えている実態が浮かび上がりました。
小中学生の生成AI利用状況が明らかに
教科書会社の光村図書出版株式会社は2026年3月3日、全国の小学生347名と中学生171名の計518名を対象にした「第5回 子どもの『好き』に関するアンケート調査」の結果を発表しました。今回の調査は2026年1月7日から9日にかけて実施され、近年急速に普及が進む生成AIについて、学校や日常生活における使用状況、目的、子どもたちの考え方などを明らかにすることを目的としています。
調査の結果、学校の授業で生成AIを使ったことがあると答えた児童生徒は全体の25.5パーセントで、約4人に1人という結果でした。小学生と中学生を比較すると、小学生が20.2パーセント、中学生が36.3パーセントと、中学生の方が16.1ポイント高い結果となりました。一方、学校以外の日常生活で生成AIを使ったことがあると答えた割合は35.9パーセントで、授業での利用より10.4ポイント高くなっています。特に中学生では45.6パーセント、つまり約半数が日常生活で生成AIを活用していることが分かりました。小学生は31.1パーセントと中学生より14.5ポイント低いものの、3割以上が日常的に利用している状況です。
ChatGPTが圧倒的シェア、利用目的は調べ学習が中心
使用している生成AIサービスについては、学校・日常生活のいずれにおいても「ChatGPT」が約8割で最多となりました。2位の「Google Gemini」は約3割にとどまり、ChatGPTが他のサービスを大きく引き離す結果となっています。ChatGPTは2022年11月に公開されて以降、急速に普及しており、子どもたちの間でも認知度と利用率が高いことが改めて確認されました。
学習における生成AIの使用目的については、学校での学習・家庭での学習のどちらにおいても「好きなことやわからないことについて調べる」が約7割で1位となりました。2位以降は学校と家庭で結果が異なり、学校では「たくさんの情報の中から重要な内容を選ぶ」が22.7パーセント、「自分で書いた文章や発表原稿などに対してアドバイスをもらう」が21.2パーセントとなりました。一方、家庭では「雑談をする」や「悩みごとの相談をする」という回答が約2割に上り、学習目的以外のコミュニケーションツールとしても活用されている実態が明らかになりました。子どもたちは生成AIを単なる情報検索ツールとしてだけでなく、対話相手としても認識していると考えられます。
AIがあっても学習は必要、人とのつながりを重視
「生成AIを使うと自分の能力が伸びそうだと思うか」という質問に対しては、約半数が「わからない」と回答しました。生成AIの教育効果について、子どもたち自身もまだ判断がつきかねている状況がうかがえます。一方で注目すべきは、「生成AIがあればこれから勉強していく必要はなくなっていくと思うか」という問いに対し、45.8パーセントが「そう思わない」と答えた点です。「そう思う」と答えた20.1パーセントの2倍以上の割合となり、生成AIの便利さを実感しながらも、多くの子どもたちが学習の必要性を認識していることが分かりました。
さらに、生成AIよりも先生・友達・家族など人と一緒に行いたいことについては、1位が「雑談をする」で44.2パーセント、2位が「好きなことやわからないことについて調べる」で41.3パーセント、3位が「悩みごとの相談をする」で34.9パーセントとなりました。この結果から、子どもたちは生成AIを便利なツールとして活用しつつも、人とのコミュニケーションや信頼関係を重視していることが読み取れます。教育現場では、生成AIを適切に活用しながらも、対話や協働学習など人と人とのつながりを大切にする指導が今後ますます重要になると考えられます。
💡 先生へのポイント
今回の調査から、子どもたちは生成AIを日常的に使いこなしながらも、その限界や学習の本質的な価値を理解しようとしていることが分かります。教育現場では、生成AIを禁止するのではなく、適切な使い方を指導することが求められます。例えば、AIの回答を鵜呑みにせず情報の真偽を確認する力や、AIを思考の補助として活用しながら自分の考えを深める力を育てることが大切です。また、子どもたちが人とのつながりを重視している点を踏まえ、対話的な学びの機会を意識的に設けることで、AIでは代替できない教育の価値を伝えていきましょう。
まとめ
光村図書出版の調査により、小中学生の4人に1人が授業で、3人に1人が日常生活で生成AIを利用している実態が明らかになりました。利用サービスはChatGPTが圧倒的で、主に調べ学習に活用されています。注目すべきは、約半数の子どもたちが「AIがあっても学習は必要」と考え、人とのコミュニケーションを重視している点です。教育現場では、AIの適切な活用方法を指導しつつ、対話的な学びの価値を伝えることが今後の課題となります。
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出典: 光村図書出版株式会社プレスリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000073.000073231.html



