すららネット社は日本語学習ICT教材「すらら にほんご」の対応言語を3言語から14言語へ拡大しました。学校や塾の現場で増える日本語指導ニーズに対し、母語確認と自学自習を両立しやすい教材として活用の幅が広がりそうです。
多言語化が進む日本語学習支援
株式会社すららネット(東京都千代田区)は2026年7月14日、日本語学習ICT教材「すらら にほんご」の対応言語を従来の3言語から14言語へ拡充しました。新たに追加されたのは、ウズベク語、シンハラ語、スペイン語、タイ語、タガログ語、中国語(簡体字・繁体字)、ネパール語、ベトナム語、ベンガル語、ポルトガル語です。既存の英語、インドネシア語、クメール語と合わせ、20か国以上の多様なルーツを持つ学習者が利用できる体制になりました。
背景には、教育現場で高まる多言語対応ニーズがあります。文部科学省の令和7年度調査では、公立学校で日本語指導が必要な外国籍児童生徒は73,313人と過去最多を更新。前回調査比で27.0%増となっており、中国語、ポルトガル語、フィリピノ語、ベトナム語、ネパール語、スペイン語の6言語だけで全体の73.6%を占めています。
学校現場で使いやすい教材設計
「すらら にほんご」は、日本語能力試験(JLPT)N5・N4レベルに対応したICT教材です。母語で意味や内容を確認しながら進められるため、日本語学習を始めたばかりの児童生徒でも、一人で学びやすい構成が特長です。
学習は、アニメーションによる対話型レクチャーとドリルを組み合わせたスモールステップ設計。「あります」と「います」の使い分けのように、初学者がつまずきやすい表現も、場面理解を伴って学べるよう工夫されています。さらに、書写機能による文字練習や、キャラクター・ゲーミフィケーション要素も備え、継続しやすさにも配慮されています。
AIが理解度を分析し、苦手に応じた復習問題を自動出題する機能もあり、学習者は自分のペースで進めやすく、教員側は学習履歴を確認しながら進捗を把握できます。対面指導だけでは個別最適化が難しい場面で、補完教材として機能しやすい設計といえます。
夜間中学から塾、海外機関まで導入拡大
導入先は、国内の夜間中学校、小中学校、高校、日本語学校、学習塾に加え、海外の職業訓練校や送り出し機関にも広がっています。特に、日本語教員の確保が難しい環境や、学習者ごとの日本語力の差が大きい現場で活用が進んでいる点は注目です。
教員の声としては、日常会話ができても、授業理解や教科書読解、文章表現に必要な「学習言語」の習得には時間がかかるという課題が挙げられています。そのため、授業内だけでなく、家庭学習や空き時間にも取り組めるICT教材の価値は高まっています。日本語支援を必要とする児童生徒が在籍する学校や、外国ルーツの学習者を受け入れる塾にとって、個別進度で進められる教材は運用面でも有効です。
今後はN3対応と翻訳品質向上へ
同社は今後、利用者のフィードバックを踏まえた翻訳品質の向上に加え、日本語能力試験N3レベルへの対応も進める方針です。初期日本語の習得支援にとどまらず、その先の学習言語形成や進学・就労準備まで見据えた展開が期待されます。
日本語学習ニーズは、学校教育だけでなく、留学や就労の場面でも拡大しています。今回の14言語対応は、単なる機能追加ではなく、「言語の壁で学びを止めない」ための基盤整備として、教育現場に与える影響が大きいアップデートといえそうです。
💡 先生へのポイント
- 外国ルーツの児童生徒の母語に対応しているかを確認し、初期日本語支援の入口教材として検討しやすいです。
- 対面指導だけでは追い切れない語彙・文法の反復学習を、家庭学習や空き時間に分散できます。
- 学習履歴を見ながら、授業内支援とICT自学をどう役割分担するか設計すると運用しやすくなります。
まとめ
今回の「すらら にほんご」の14言語対応は、日本語指導が必要な学習者の増加と多様化に応える動きです。学校や塾では、母語確認ができるICT教材を活用することで、初期支援の負担軽減と学習継続の両立を図りやすくなるでしょう。
出典:言語の壁で学びを止めない 日本語指導が必要な児童生徒の約7割を占める主要言語に対応 ICT教材「すらら にほんご」、14言語対応へ拡充 | 株式会社 すららネットのプレスリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000629.000003287.html




