福岡市にある福岡工業大が、福岡女子高(来年度から福岡共創高に変更)と、AI・データサイエンス教育の推進に向けた高大連携協定を締結しました。高校の探究やPBLに大学の知見を接続する事例として、DXハイスクールや地域人材育成を進める学校関係者に参考になる動きとなりそうです。
DXハイスクールの取り組みを大学が後押し
福岡工業大学(福岡県福岡市)は、福岡市立福岡女子高等学校(2027年度から福岡共創高等学校に変更)を対象に、デジタル教育の推進を目的とした高大連携協定を締結しました。連携の中心は、データサイエンスやAI分野の授業協力で、高校段階から実社会につながるデジタル人材育成を進める構想です。
福岡女子高校は、令和7年度の文部科学省「DXハイスクール事業(重点類型 グローバル型)」に採択された全国20校の1校です。AIの利活用やデータサイエンスの社会実装に重点を置き、国際的に活躍できる人材育成を目指しています。
今回の協定は、こうした高校側の改革を、大学の専門性で具体化する位置づけといえます。福岡工業大学は、数理・データサイエンス・AI教育を全学的に展開しており、2024年8月には文部科学省の「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(応用基礎レベル)」にも認定されています。
探究授業とPBLにAI・データ活用を接続
協定に基づき、同大学は主に情報分野の総合的な探究の時間に対して、AIやデータサイエンスに関する授業支援や教材提供を実施します。加えて、地域貢献活動などのPBLにおいて、情報機器の活用方法について助言も行う予定です。
ポイントは、単発の出前授業ではなく、探究・地域連携・情報活用を一体で支援する点です。高校現場では、探究テーマは設定できても、データの扱い方やAI活用をどう授業に落とし込むかが課題になりがちです。大学が伴走することで、学びを「調べ学習」で終わらせず、分析や提案まで深めやすくなります。
学校改革と地域戦略をつなぐ連携
福岡女子高校は1925年創立の伝統校で、2027年度には男女共学化し、「福岡共創高等学校」として総合学科へ改編される予定です。多様な進路実現を支えるキャリアプログラムの充実も計画されており、今回の連携はその新しい学校像とも親和性が高い取り組みです。
また、福岡市はアジアの拠点都市として成長戦略を進めており、デジタルや国際性を備えた人材育成の重要性が高まっています。高校での探究学習と大学の専門教育を接続する今回の枠組みは、地域の産業政策や都市戦略と学校教育を結び付けるモデルとしても注目できます。
高校・大学連携の実務で見たいポイント
教育現場にとっては、協定締結そのものよりも、授業設計や継続運用の仕組みが重要です。たとえば、どの学年でどのレベルのAI・データサイエンスを扱うのか、探究テーマと教科横断をどう組み合わせるのか、成果をどう評価するのかといった設計が成果を左右します。
特にDXハイスクール採択校や、情報II・探究の充実を進める高校では、大学連携を「講演依頼」で終わらせず、教材提供、教員支援、PBL助言まで含めた複層的な協力体制にできるかが鍵になります。今回の事例は、理工系大学の資源を高校改革に接続する一つの実践例として参考になります。
💡 先生へのポイント
- 探究テーマに「地域課題×データ活用」を入れると、AI・情報教育と結び付きやすくなります。
- 大学連携は、出前授業だけでなく教材提供や評価設計の相談まで含めて設計すると実装しやすくなります。
- DXハイスクール事業では、機器整備だけでなく授業でどう使うかの運用設計が重要です。
- 学校改革や学科再編のタイミングは、探究・情報教育のカリキュラムを見直す好機です。
まとめ
今回の連携は、AI・データサイエンス教育を高校の探究やPBLに組み込む具体的な高大接続の事例です。DXハイスクール、学校改革、地域人材育成を同時に進めるモデルとして、今後の展開が注目されます。
出典:福岡市立福岡女子高校との間でAI・データサイエンス教育に関する連携協定を締結しました | 福岡工業大学のプレスリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000059.000047155.html




