教育AIサミット2026 セッション紹介【第14回/全19回】
本記事は、衆議院第一議員会館で開催される教育AIサミット2026の各セッションについての紹介記事となります。
開催概要に続けて、このセッションで何が問われようとしているのかを掘り下げています。参加するセッションを選ぶ時や、当日の議論を追いかける時にご参照してください。
探究×AIサミット
日時:2026年8月7日(金)11:00~11:40
テーマ: 「探究×AIの最前線 ― 『問いを立てる力』こそ、人間の本質的な強みである」
登壇者:
- 炭谷俊樹(神戸情報大学院大学 学長・一般社団法人探究推進機構代表理事)
- 矢萩邦彦(知窓学舎 塾長・多摩大学大学院 客員教授)
- 伊藤雅康(MC)
概要:
AIが知識量・スピード・正確さで人間を超える時代において、「問いを立てる力」「抽象する力」「臨機応変さ」こそが人間固有の価値であるという視点から、学校現場でどう探究型学習を実装するかを議論します。教師・保護者・生徒・教育委員会それぞれの立場からのリレートークを通じて、探究とAIの共存モデルを描きます。
以上が、このセッションの開催概要です。ここからは、この場で語られるテーマを、もう少し掘り下げていきます。
生成AIは、知識を集め、文章をまとめ、複数の解決案を短時間で示します。情報を得ることが容易になるほど、学びの質を左右するのは「何を聞くか」「なぜそれを考えるのか」という問いになります。
今回は、人間の強みとしての問い、抽象化、臨機応変さに注目し、学校現場での探究とAIの共存を考える「探究×AIサミット」を紹介します。
AIに任せる部分と、人間が担う部分を分ける
探究では、情報収集、要約、比較、アイデア出しなど、多くの過程でAIを活用できます。作業の負担を減らすことで、学習者は考察や対話、試行錯誤により多くの時間を使える可能性があります。
一方で、課題そのものをAIへ丸投げすれば、本人の関心や経験から問いを育てる機会が失われます。どの過程を支援させ、どの判断を学習者自身が行うのかを設計することが重要です。
良い問いは、経験と対話から生まれる
問いを立てる力は、質問文をうまく入力する技術だけではありません。現場を観察し、違和感を持ち、他者の見方と比べ、自分が本当に知りたいことを言葉にする力です。
教師、保護者、生徒、教育委員会では、同じ課題を見ても注目する点が異なります。複数の立場からの対話は、問いの前提を見直し、より社会とつながる探究へ深めるきっかけになります。
評価するのは成果物だけでよいのか
AIを使えば、見栄えのよいレポートや発表資料を短時間で作成できます。そのため、完成した成果物だけでは、学習者がどこまで考え、何を学んだのかを判断しにくくなります。
問いがどう変化したか、AIの提案をどう検討したか、失敗から何を修正したかなど、探究のプロセスを記録し、対話を通じて評価する方法が必要です。
まとめ
探究×AIサミットの中心にあるのは、AIより多くの知識を持つことではなく、人間が何を問い、どう判断するかというテーマです。
AIを情報処理の支援に活用しながら、経験、対話、価値判断を通じて問いを深める。その役割分担を明確にすることが、AI時代の探究学習を形だけの活動にしないために重要です。
探究学習の設計や評価を見直したい教員、生徒のAI活用を支援する学校関係者にとって、授業で守るべきプロセスと、AIに任せられる部分を整理する機会になるでしょう。
事実情報の参照:教育AIサミット2026 公式申込ページ(2026年7月31日確認)



