教育AIサミット2026 セッション紹介【第6回/全19回】
本記事は、衆議院第一議員会館で開催される教育AIサミット2026の各セッションについての紹介記事となります。
開催概要に続けて、このセッションで何が問われようとしているのかを掘り下げています。参加するセッションを選ぶ時や、当日の議論を追いかける時にご参照してください。
哲学者と語るAIと探究学習(仮題)
日時:2026年8月7日(金)16:30~17:10
テーマ: 「哲学者と語るAIと探究学習」(仮題)
登壇者:
- 安井政樹(札幌国際大学)
- 田村正資(株式会社baton)
概要:
AIが急速に普及し、教育や社会のあり方が大きく変わる今、「AIを使うか、使わないか」という議論を超え、「人はなぜ学ぶのか」「考えるとは何か」「学校は何を育てる場所なのか」という学びの本質を見つめ直します。
哲学者・田村正資氏と、AIリテラシー研究者として学校現場で実践を重ねる安井政樹氏が、哲学と教育実践、それぞれの視点からAI時代の学びの未来を語り合います。
以上が、このセッションの開催概要です。ここからは、この場で語られるテーマを、もう少し掘り下げていきます。
生成AIは、調べものをまとめ、複数の案を出し、問いに対する答えを短時間で示します。では、答えへたどり着く速度が上がったとき、探究学習で人間が担う役割はどこにあるのでしょうか。
今回は、哲学と教育実践の視点を交差させながら、AI時代の探究を考える対談セッション「哲学者と語るAIと探究学習(仮題)」を紹介します。
「答えが出ること」と「わかること」は違う
AIがもっともらしい説明を返したとしても、それを読んだ人が本当に理解したとは限りません。前提は何か、別の見方はないか、自分の経験とどうつながるかを考えることで、初めて知識は自分のものになります。
探究学習では、情報を集める量や結論の早さだけでなく、考えが変化した過程や、簡単には答えられない問いに向き合う姿勢が重要です。AIの回答を終点ではなく、思考を始める材料にできるかが問われます。
哲学的な問いが、探究を深くする
哲学は、当たり前に見える言葉や価値を問い直します。「学ぶとは何か」「正しさは誰が決めるのか」「便利になることは、より良くなることなのか」といった問いには、一つの正解がありません。
AIを探究へ取り入れるときも、使用方法だけでなく、AIが示す答えをなぜ信頼するのか、判断の責任を誰が持つのかを考える必要があります。哲学的な視点は、技術の利用を人間の価値や社会のあり方へ結びつけます。
教師は答える人から、対話を支える人へ
AIが知識を提示できるようになるほど、教師には、学習者が何に疑問を持ち、どの問いを深めるかを支える役割が求められます。すぐに結論を示さず、対話を通じて考えを揺さぶることも大切です。
教室でAIと対話を使う際、どの場面で立ち止まり、誰と考え、何を言葉にするのか。探究のプロセスを設計する教師の役割は、むしろ重要になるでしょう。
まとめ
本セッションのポイントは、AIを使うか使わないかという二択ではありません。
AIが答えを示す時代だからこそ、人間は前提を問い、意味を考え、他者との対話を通じて判断する必要があります。哲学と探究学習をつなぐことで、AIを思考の代行者ではなく、思考を深める相手として捉え直せます。
探究学習を担当する教員、生成AIを授業へ取り入れたい学校関係者、生徒の「問いを立てる力」を育てたい方にとって、学びの本質を見直す時間になるでしょう。
事実情報の参照:教育AIサミット2026 公式申込ページ(2026年7月31日確認)



