韓国で国家資格試験やTOEICにおけるAI眼鏡(スマートグラス)不正が相次ぎ、教育当局が中高の試験会場への持込禁止を改めて周知しました。日本の学校・塾でも、試験監督の運用見直しと評価方法の再設計を考える材料になります。
行政が中高へ「所持自体を不正」と周知
AI眼鏡が試験不正の新たな手段として現実化しています。韓国では2026年、国家資格試験やTOEICで実際の摘発事例が報じられ、教育当局も中学校・高校に対して試験時の持込禁止を改めて通知しました。一般の眼鏡と見分けにくい機器が増えるなか、学校現場では「禁止物の追加」だけでは十分でないことが浮き彫りになっています。
2026年6月、ソウル市教育庁は管内の中学校・高校に対し、AIスマートグラスを「評価中の持込・携帯禁止物品」とする通知を出したと報じられています。通知では、AIグラスをリアルタイム撮影、文字認識、無線音声通信、試験問題の外部流出、外部とのリアルタイム連携が可能な電子通信機器と説明。試験中に所持していれば不正行為として処理することを、生徒と保護者へ事前に周知するよう求めています。
公文書そのものの一般公開は確認しにくいものの、教育庁への取材に基づく報道として、学校現場が少なくとも「従来のスマホ・イヤホン禁止」だけでは足りない段階に入ったことを示しています。
国家資格試験では具体的な手口も判明
2026年7月には、韓国メディアが全羅南道木浦で行われた電気産業技師試験で、29歳の受験者がAI眼鏡を使って不正を試みたとして立件されたと報じました。手口は、AIカメラで問題を読み取り、レンズ部分に回答を表示し、さらにスマートフォンを2台用意して1台だけ提出、もう1台を眼鏡と接続して隠し持つというものです。
監督者は、受験者が不自然に眼鏡を触る動作から異変に気づいたとされます。別の消防設備技師試験でも摘発例があり、検察が略式起訴した事案も報じられました。つまりAIグラス不正は、懸念段階ではなく、すでに複数の実例がある運用上の課題です。
TOEICでも摘発、語学試験も例外ではない
韓国TOEIC委員会も、2026年の定期試験でAIグラスを装着した受験者を摘発したと取材に回答しています。試験監督員からの報告を受け、試験終了後に事実関係を確認したとのことです。公式規定でも、問題の撮影・録音や電子通信機器を使った不正に対し、成績無効や長期間の受験資格制限を定めています。
この点は学校現場にも示唆的です。AIグラスは大学入試や資格試験だけでなく、模試、校内定期試験、英語4技能試験、検定対策など、幅広い評価場面で問題化しうるからです。
「見分ける監督」だけでは限界がある
報道では、教育現場の対応が依然として手探りであることも伝えられています。従来は「つるが太い眼鏡を確認する」「眼鏡を何度も触る行動を見る」といった観察中心の対策が想定されていました。しかし最新モデルは軽量化・細型化が進み、ディスプレイのない音声型も登場しており、外見だけで見抜くのは難しくなっています。
つまり、監督者の注意力に依存した対策は持続しにくいということです。日本でも今後、スマートウォッチやワイヤレスイヤホンと同様に、AIグラスを明示した試験規程、事前告知文、持込チェック、保管方法、発見時の対応フローまで整備する必要がありそうです。
評価そのものをどう変えるか
韓国の報道では、機器規制の強化だけでなく、評価方法の転換を求める声も紹介されています。AIを完全に排除する前提ではなく、AIを使える環境でも測れる思考力、問題解決力、創造性、プロセスの説明力をどう評価するかが問われている、という論点です。
学校や塾にとっては、知識再生だけの一発試験に偏るほど不正の誘因が高まりやすい点を再確認する機会でもあります。レポートの途中経過提出、口頭試問、解法説明、研究ノート、複数回の形成的評価などを組み合わせることで、「答えだけを外部から得る」不正の効果を下げる設計が可能です。
💡 先生へのポイント
- 試験要項に「AIグラス・スマート眼鏡・通信機能付きウェアラブル」を明記する
- 生徒・保護者へ、所持のみで不正扱いとなる条件を事前周知する
- 監督マニュアルに、眼鏡・イヤホン・予備端末の確認手順を追加する
- 定期試験だけでなく模試、検定、講習内テストも同基準で運用する
- 一発試験に偏らず、口頭確認や過程評価を組み合わせる
まとめ
韓国で相次いだ摘発は、AI眼鏡の不正がすでに現場レベルの課題になっていることを示しました。日本でも学校・塾は持込禁止ルールの更新だけでなく、監督運用と評価設計の両面から備えることが重要です。
出典:안경다리 만지는지 관찰하라?…'AI커닝' 진화에 대학가 속수무책 https://v.daum.net/v/20260802080200800?f=p&utm_source=chatgpt.com




