愛媛県の済美平成中とエデュテクノロジー社が今年度より、生成AIを活用した1年間の実証プロジェクトを開始しました。教員の多忙化解消と、生徒一人ひとりに合わせた学びの実現を同時に目指す取り組みとして注目されます。
生成AIを「現場のパートナー」にする1年間の挑戦
株式会社エデュテクノロジー(東京都中央区)は、愛媛県の済美平成中等教育学校(愛媛県松山市)とともに、「日本の教育の未来をつくる AI教育共創チャレンジ2026」のパートナー校として、今年度の4月1日から1年間の実証プロジェクトを始動しました。狙いは、教員の働き方改革と個別最適化学習を、生成AIの活用によって同時に進めることです。
GIGAスクール構想で端末環境が整った一方、現場では授業準備や評価資料作成などの業務負担が依然として重く、AIを授業や校務にどう根付かせるかが次の課題になっています。今回の取り組みは、AIを単なる便利ツールではなく、教員と生徒の力を引き出す「心強いパートナー」として位置づけている点が特徴です。
地方私学だからこそ見える、AI活用の可能性
パートナー校に選ばれた済美平成中は、「地方から日本の教育を変える」という強い意志を持ち、生成AIを地域的・資源的な制約を乗り越える手段として捉えています。都市部と比べて外部人材や最新情報へのアクセスが限られやすい地方校にとって、AIは学びの幅を広げる有力な選択肢になり得ます。
同校は開校以来、「自律・創造・対話」を教育の柱に、探究的な学びを重視してきました。こうした土台があるからこそ、AIを導入するだけで終わらず、学校全体の文化や役割の見直しまで含めた実践につながりやすいといえます。
1年間で進める3つの実践テーマ
今回のプロジェクトでは、2027年3月までをめどに段階的な活用を進めます。主なテーマは次の3つです。
- 教職員向け生成AI研修:AIの特性や注意点を理解し、教育向けのプロンプト設計を学ぶ
- 校務改革:探究学習のルーブリック作成や授業計画の原案づくりをAIで支援する
- 生徒還元:NotebookLMやGeminiを活用し、生徒がAIを壁打ち相手にしながら問いを深める
特に注目したいのは、AI活用を「時短」だけで終わらせず、評価や探究、授業設計といった教育の中核に接続している点です。これにより、教員の負担軽減と学びの質向上を同時に狙う設計になっています。
学校組織としてAIを使いこなすために必要なこと
エデュテクノロジー社は、生成AIの導入で重要なのはツールそのものではなく、現場の先生とともに教育的価値へつなげる実践だと強調しています。実際、AIは便利な反面、誤情報の生成や使い方のばらつきといった課題もあるため、全教職員が共通理解を持つことが欠かせません。
今回の取り組みでは、管理職・教員・事務職員を含めた組織的な学びが想定されており、学校としての運用ルールや活用文化をどう作るかも重要なテーマになります。AI導入を個人任せにせず、学校全体の仕組みに落とし込めるかが、他校にとっても参考になるポイントです。
教育現場への示唆と今後の広がり
このプロジェクトが示しているのは、生成AIが「授業を置き換える技術」ではなく、「教員の創造性を支え、生徒の探究を深める技術」になり得るという視点です。とくに、探究学習やルーブリック作成のように、正解が一つではない教育活動では、AIの支援が実践の幅を広げる可能性があります。
一方で、AI活用の成果は短期間では見えにくく、試行錯誤の過程そのものが重要になります。だからこそ、今回のように1年間かけて実証し、その過程を継続的に発信する取り組みは、他校やEdTech企業にとっても学びの多い事例になりそうです。
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💡 先生へのポイント
- 生成AIは「業務削減」だけでなく、探究学習や評価改善にも使える
- まずは教職員全体で、AIの得意・不得意を共通理解にすることが大切
- 個人利用ではなく、学校としてのルールと運用設計を整えると定着しやすい
- 生徒にもAIの使い方を学ばせることで、学習の質と情報活用力の両方を育てやすい
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出典:日本の先生を世界一幸せに。AIを最高のパートナーに、教育に心のゆとりを創ります! | 株式会社エデュテクノロジーのプレスリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000066526.html




