注目AIニュース16選(12/1~12/7)~日本の教育現場で活用できるのは何か

最新の生成AIニュース(2025年12月1日~12月7日)を、YouTubeチャンネル「いけともch」の池田朋弘氏が注目した16のキーワードで紹介します。

1. NotebookLMのカスタマイズ機能の文字数制限が20倍に

NotebookLMのカスタム設定機能が500文字から1万文字に拡大された。
これにより、回答スタイルや前提条件を詳細に定義でき、企業向けや特定用途に最適化したAIチャットを配布することが可能になった。ChatGPTのGPTsより長い設定が可能である。

2. GoogleがAI OverviewとAIモードを統合

Google検索のAI OverviewからAIモードへシームレスに移行できる機能が実装された。
検索結果のまとめから直接追加質問が可能となり、検索とAI対話の境界が曖昧になっている。今後はGeminiを中心とした統合プロダクトへ進化する方向性が示されている。

3. LovartでNano Banana Pro画像を編集可能に

画像生成エージェントのLovartに、生成した画像を要素分解して編集できる機能が追加された。
日本語テキストも編集可能な形式に変換でき、特定のパーツだけを指定して修正することも可能である。生成後の柔軟な編集が実現した。

4. Napkin.aiのビジュアル選択が容易に

図解作成ツールNapkin.aiが、AIサジェスト機能とカテゴリー別提案機能を追加した。
テキストから適切な図の形式を自動提案し、編集可能な図解を簡単に作成できる。有料プランも開始され、月額12ドルから利用可能である。

5. Telex登場~WordPress専用のAIコーディングツール

WordPressのブロック作成に特化したAIツールTelexが登場した。
作りたいブロックの内容を指示するだけで、WordPressに直接導入できるプラグインを自動生成する。WordPress専用の開発知識がなくても、カスタムパーツを簡単に追加できる。

6. AmazonのAIチャットボットがブラックフライデーで利用急増

Amazonのチャットボット「Rufus」がブラックフライデーで大幅に利用増加した。
Rufusを使ったセッションは購入率が100%増加し、年間100億ドル規模の売上に貢献している。曖昧な要望から商品を絞り込むAI対話型ECの可能性を示した。

7. AWS re:Invent 2025でAI関連の大型発表

AWSがre:Inventで独自AIチップTrainiumや新モデルNovaを発表した。
AIエージェント構築基盤「Agent Core」も公開され、エージェントの管理とガバナンスを強化した。AWSはインフラからエージェントレイヤーまで総合的なAI戦略を展開している。

8. Amazonが3つのフロンティアAIエージェントをプレビュー公開

Amazonは開発、セキュリティ、運用の3領域でAIエージェントを発表した。
特にKiro Autonomousは複数プロジェクトにまたがる長期的な開発作業を自律的に実行できる。従来より広範囲の業務を任せられるエージェントとして注目される。

9. DeepSeek-AIの新型LLM「DeepSeek-V3.2」を公開

DeepSeek-AIがGPT-5やGemini級の性能とされる新モデルV3.2をオープンソースで公開した。
高性能かつ自由にカスタマイズ可能な基盤モデルが増え、AI競争の加速に大きく寄与している。​

10. Mistral AIの次世代「Mistral 3」シリーズ発表

フランスのMistral AIが、大規模モデルMistral 3と小型エッジ向けMini-Mistral 3を公開した。
欧州発の高性能オープンウェイトモデルとして、大企業の有力な選択肢になりつつある。​

11. ChatGPTの成長鈍化の一方でGeminiが急追

2025年の月間ユーザー数はChatGPTが約8億人で頭打ちになりつつある一方、Geminiは1.5億から3.5億へ急伸している。
検索と一体化するGeminiの戦略が、利用者数での差を急速に詰めている。​

12. OpenAIがChatGPT改良~「コードレッド」宣言

Geminiの追い上げを受け、OpenAIがChatGPTの大幅改善に向けて社内的な「コードレッド」体制に入ったと報じられている。
UIや性能、エージェント機能など、多方面での強化を急ぐ状況である。​

13. OpenAIがGPT-5.2を前倒しリリースへ

競争環境の激化により、OpenAIは次期モデルGPT-5.2のリリース時期を前倒しする方針だと伝えられている。
精度や推論力に加え、エージェント的な長期タスク処理能力の強化が期待されている。​

14. OpenAIがSpaceX対抗企業の設立を検討

OpenAIが、宇宙インフラや衛星ネットワーク領域でSpaceXに対抗し得る枠組みの検討を進めていると報じられている。
AIと宇宙インフラを組み合わせた長期戦略の一端とみられる動きである。​

15. OpenAIが著作権訴訟で2000万件チャット提出命令

著作権訴訟に関連し、OpenAIはChatGPTのログ約2,000万件の提出を命じられたと報じられている。
AI開発におけるデータ利用の透明性やプライバシー、著作権リスクが改めて問われる事例である。​

16. PwC Japan「CAIO実態調査2025」公表

PwC Japanが、日本企業におけるCAIO(Chief AI Officer)の設置状況や役割を調査したレポートを公開した。
経営レベルでAI戦略を統括するポジションが、国内でも本格的に求められ始めている。

日本の教育現場で特に注目すべきは?

まず「NotebookLM」のカスタマイズ機能拡充です。
文字数制限が20倍の1万文字になったことで、塾や学校が生徒の学習レベルに応じた専用AIアシスタントを作成できます。
例えば、中学生向けには「熱血教師モード」で励ましながら解説し、受験生向けには「厳格な研究アシスタント」として詳細な指導を行うなど、カスタマイズが可能です。​

また「Napkin.ai」の図解作成機能は、複雑な概念を視覚化する教材作りに最適です。
教師がテキストを入力するだけで、生徒が理解しやすい図解を自動生成し、後から編集もできます。​

さらに、AmazonのRufusが示した「曖昧な要望から最適解を導く」AI対話の仕組みは、学習相談にも応用できます。
「数学が苦手」という漠然とした悩みから、その生徒に最適な教材や学習法を提案するAIチューターの実現が近づいています。

これらのツールを組み合わせることで、一人ひとりに寄り添った個別最適化学習が、より現実的になってきています。


ぜひこの記事を参考に、今後の教育現場での生成AI活用を検討してみてください!

参考: